ニュースリリース - 2007年4月5日

シノプシス、設計者によるCurrent Source Model生成を可能にするため Library Compilerをエンハンス

新機能により、ライブラリ品質を向上しつつ、キャラクタライズ・コストを削減

2007年4月4日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、設計業界で幅広く使われているLibrary Compilerの大幅な機能向上を発表した。これにより、キャラクタライズにかかるコストを削減しつつCurrent sourceライブラリの品質を向上できる。今回Library Compilerに搭載された一連の新機能により、Current sourceライブラリの正当性や相関性の確認、コンパクト化、モデル変換をHSPICEに近い精度で実行できるようになる。

ARM社 フィジカルIPプロダクト・マーケティング・ディレクター Herb Gebhart氏は次のように述べている。「我々は、シノプシス社との長きに渡る協業を通じて、両社共通のお客様に対して高品質なIPモデルをご提供し続けてまいりました。Composite Current Source(CCS)の視認性を高めるため、当社はシノプシス社と協力し、Library Compilerのテクノロジを用いてライブラリの正当性・相関性評価の自動化に取り組んでまいりました。この自動化フローにより、一貫性が高く合理化されたライブラリ品質確認が可能になりました」

Altos Design Automation社 CEO Jim McCanny氏は次のように述べている。「設計業界でゴールデン・サインオフ・ツールとして普及しているPrimeTimeによって最高精度のタイミング解析を行うためには、高品質なライブラリ・モデルが必要です。当社のライブラリ開発ツールLiberateで生成したCCSタイミング・ライブラリとノイズ・ライブラリの正当性と相関性の実証作業を収束させるため、当社では、Library Compilerのテクノロジを用いてシノプシス社とともに取り組んでまいりました。その結果、PrimeTimeHSPICEの誤差2%以内という驚異的な精度相関性を確認できました」

UMC社 IP&デザイン・サポート担当ディレクター Ken Liou氏は次のように述べている。「Current sourceモデルは、ナノメータ・モデリングにおける重要なニーズに対応しており、65nm以降の設計にあたっては非常に重要なテクノロジです。この新しいモデルを使用する際には、EDAツールを実行した結果をベストなものにするために欠くことのできないモデル品質保証が効率的になされていなければいけません。当社では、シノプシス社と緊密に協力し合い、Library Compilerの機能を活用してCCSライブラリの正当性/相関性評価の自動化を進めてまいりました。その結果、非常に高精度な結果を確認できました」

Virage Logic社 ビジネス・ディベロップメント担当ディレクター Mary Ann White氏は次のように述べている。「当社は、半導体業界から信頼されるIPパートナーとして、EDAツール上で使用された場合にどうなるかということも含めて、最高品質のIPをお客様にご提供していくことをミッションとしています。Library Compilerによって可能となるIPコア・チェック機能を用いれば、当社の最先端プロセス・テクノロジ・ベースのIP製品でのCCSタイミング・モデルとノイズ・モデルの品質確認が容易になり、当社の技術サポートの幅を広げることが可能になります」

Current sourceモデリングは、65nm以降のプロセス・テクノロジで顕著になってくる、これまでに無かった現象をモデリングすることによりライブラリ精度を目覚しく向上させることができるキーテクノロジである。このモデリング・テクノロジは、ライブラリ品質を実証できるツールが無かったこと、モデルのデータサイズが果てしなく大きくなること、モデリング規格が統一されていなかったこと、などが障害となってなかなか普及してこなかった。こうした障害を乗り越えるために、シノプシスは、Library Compilerをエンハンスし、ライブラリの品質保証/コンパクト化/統合/スケーリング/モデル変換といった各種の機能を取り込んだ。

オープンソースのLiberty CCSモデルを使用してLibrary Compilerのこうした新しい機能を活用することにより、ライブラリ開発者は、様々なEDAベンダが提供している異なる設計フローで、変化する電圧や温度特性に対応してライブラリを検証できるという比類なき柔軟性を享受できるようになる。Library Compilerにより、シノプシスのスタティックタイミング・ソリューションPrimeTimeと高精度回路シミュレータHSPICEという2つの業界標準ツールの間でライブラリ品質の検証と相関性チェックの自動化が実現できるため、エンド・ユーザーに高品質なCCSモデルを提供できるようになる。Library Compilerは、普遍性を高める上位性を保ったアーキテクチャであるため、CCSモデルから、従来型のノンリニア・ディレイ・モデル(NLDM)や他社方式のCurrent sourceモデルを生成することもできる。

シノプシス インプリメンテーション・グループ R&D担当副社長であるAhsan Bootehsazは次のように述べている。「65nm以降のプロセス・テクノロジを用いた設計では、設計者はより多くのライブラリ特性をキャラクタライズしたり、設計を進める上でガードバンドとなる設計マージンを設定するなどして、ナノメータ・テクノロジに起因する現象に対応を試みてきました。シノプシスは、設計者の皆様が開発コストを増加させること無く、こうしたモデリング課題を克服できるようにするため、CCSモデリング・テクノロジを開発しました。今回の新しいLibrary Compilerの機能により、設計者の皆様は、モデル・フォーマット規格やライブラリ品質やデータサイズを気にすることなく、Current sourceモデリング・テクノロジがもたらすメリットを最大限に活用できるようになります」

提供時期
最新機能を搭載したLibrary Compilerは、現在限定顧客向けに2007.03バージョンで提供を開始している。一般顧客向けリリースは2007年6月を予定している。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsys、HSPICE、PrimeTimeは、Synopsys, Inc.の登録商標です。Libertyは、Synopsys, Inc.の商標です。 ARMは、ARM Limited. の登録商標です。その他のブランド名や製品名は、それぞれの所有者の知的財産です。「ARM」とは、ARM Holdings plc、その事業会社であるARM Limited、各地域の子会社であるARM INC.、ARM KK、ARM Korea Ltd. 、ARM Taiwan、ARM France SAS、ARM Consulting (Shanghai) Co. Ltd. 、ARM Belgium N.V. 、AXYS Design Automation Inc、AXYS GmbH、ARM Embedded Solutions Pvt. Ltd、ARM Physical IP, Inc. およびARM Norway, ASの全部または一部を意味します。その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781