ニュースリリース - 2007年4月3日

シノプシスのDiscovery AMSソリューション、アナログ/ミックスドシグナル検証に向け -- 検証パフォーマンスと検証精度を大幅に向上

新しいFast SPICEシミュレーション・テクノロジにより、
SPICEレベルの高い検証精度とFast SPICEクラスの検証速度を両立


2007年4月2日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、大規模SoCデザインのための包括的なアナログ/ミックスドシグナル統合検証ソリューションDiscovery AMS 2007を発表した。Discovery AMS 2007は、次世代Fast SPICEシミュレーション・テクノロジ、新しい統合AMSデバッグ/視覚化環境、シノプシスのデジタル検証ソリューション VCS とのタイトな統合、という3つの新しいコンポーネントで構成されている。これらは、高い技術水準を誇るシノプシスのFast SPICEシミュレーター HSIMならびにNanoSimのテクノロジをベースにしている。今回の機能向上により、Fast SPICEクラスの高速な検証速度/高い検証容量とSPICEレベルの高い検証精度を両立させた革新的なミックスドシグナル検証ソリューションを活用したいという切実なニーズに応えることができる。

ナノメータ以降の微細化したジオメトリでは、回路性能に重大な影響を及ぼすプロセス・バリエーションの問題が顕著になってくる。複雑なアナログ/ミックスドシグナルSoCデザインが仕様を満たしているかどうかを、90nmプロセス・バリエーションの影響を考慮しながら検証すると、必要となるシミュレーション工数は指数関数的に増加していく。これまでは、このようなナノメータ・ミックスドシグナル・デザインの検証にあたって、SPICEシミュレータでは検証容量の面で対応しきれず、Fast SPICEシミュレータは検証精度の面で難点があった。

シノプシスの新しいXAシミュレーション・テクノロジにより、設計者は、Fast SPICEクラスの高速な検証速度と大規模な検証容量を維持しつつ、SPICEレベルの高度な検証精度を達成できるようになる。このXAシミュレーション・テクノロジは、特許申請中のトランジスタレベル・シミュレーション・エンジンであり、NanoSimならびにHSIMのアドオン・オプションとして提供される。XAシミュレーション・テクノロジとNanoSimならびにHSIMとの組み合わせにより、最も完全なトランジスタレベル検証ソリューションが実現する。

シノプシス 検証製品マーケティング担当副社長であるGeorge Zafiropoulosは次のように述べている。「2003年の発表以来、Discovery AMSソリューションは、世界中の何百という設計チームのプロダクション・ユースの設計フローで採用されてきました。実績豊富な当社のNanoSimならびにHSIMシミュレータをベースにした今回のDiscovery AMS 2007により、SPICEシミュレーション・パフォーマンスの向上を求める声にお応えできるようになりました。ルネサス・テクノロジ様のようなSoC業界をリードする企業との協業により、当社はミックスドシグナル検証ソリューションの機能向上を継続的に行い、パフォーマンスと精度の両面でブレイクスルーとなるテクノロジをご提供できました。これによってNanoSimならびにHSIMユーザー様は、これらのツールへのこれまでの投資を活かすことができます」

現在のSoCデザイン上では、アナログ回路、デジタル/アナログ混在回路が増加しており、そのためミックスドシグナル検証の需要とアナログ/ミックスドシグナルの統合デバッグ/視覚化環境へのニーズが高まっている。Discovery AMS 2007では、シノプシスの高速回路シミュレータNanoSimならびにHSIMが、デジタル検証ソリューション VCSとダイレクト・カーネルでタイトに統合されている。これによって、SystemCやSystemVerilog、ビヘイビアレベルからゲートレベル/トランジスタレベルに至るあらゆる抽象レベルが混在するミックスドシグナルSoCデザインの検証において、より優れたな検証パフォーマンス、より高い検証スループット、より高度な検証柔軟性を実現できる。さらにDiscovery AMS 2007は、アナログ回路/デジタル回路の解析機能を持つフル装備の強力なデバッグ/解析環境を備えている。

株式会社ルネサステクノロジ 製品技術本部 設計技術統括部 統括部長 三輪久晴氏は次のように述べている。「当社の複雑なカスタム・アナログSoCを、レイアウト後の寄生容量も含めて高い精度で迅速に検証するのは、最先端のSoC開発を成功させる重要なファクターとなっています。HSIMとXAシミュレーション・テクノロジを組み合わせたDiscovery AMSにより、弊社ではSPICEレベルの高い検証精度を維持しつつ、検証時間を従来のFast SPICEを使用した場合と比べて平均1/5に、SPICEとの比較では1/50以下に短縮できました」

提供時期
Discovery AMS 2007は、既に提供を開始している。NanoSim/HSIMのXAオプションは、NanoSimならびにHSIMユーザーに既に提供を開始している。

Discovery AMSについて
シノプシスは、業界で最も包括的なアナログ・ミックスドシグナル・シミュレーション・ソリューション群を提供している。Discovery AMSミックスドシグナル検証ソリューションは、業界標準の高精度回路シミュレータ HSPICE、Fast SPICEシミュレータ NanoSimとHSIMならびに機能検証ソリューション VCSをベースに構築されている。Discovery AMSソリューションは、検証精度、検証速度、検証容量の優れた組み合わせを可能にし、Verilog/ SPICE/Verilog-A/Verilog-AMS言語が混在するいかなる抽象レベルのデザインのシミュレーションにも柔軟に対応できる。この総合的なソリューションにより、設計者は、優れた検証スループットと検証精度を両立させつつ、最も大規模なミックスドシグナルSoC検証を実現できる。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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NanoSim、HSIM、HSPICE、VCS ならびにSynopsysは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Discoveryは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781