ニュースリリース - 2007年3月30日

シノプシス、インプリメント分野とベリフィケーション分野をカバーする包括的なソリューションで ローパワー・デザインを加速

UPF規格に準拠したソリューションで、リスクを最小化しつつ設計生産性を向上

2007年3月29日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、Accellera標準として世界各国で支持されているUnified Power Format(UPF)1.0に準拠した設計フローを確立するため、ローパワー・デザイン向けの包括的なインプリメンテーション・ソリューションならびにベリフィケーション・ソリューションをエンハンスしていく計画であることを発表した。
20品種を超えるマルチ・ボルテージ・デザインのテープアウト事例で実証されてるとおり、シノプシスのソリューションは、非常に広範囲にわたってローパワー設計フローをサポートしている。すなわち、システムレベルでのHW/SWパワー・トレードオフから、ローパワー設計意図のシミュレーションならびにスタティック・ベリフィケーション、RTL to GDSⅡの完全なローパワー向けインプリメンテーション&サインオフ・フロー、多岐にわたるローパワーIP群などである。UPFに対応した新しいソリューションは、2007年の後半でのリリースを予定している。

Discoveryベリフィケーション・プラットフォームは、システムレベルからRTLそしてトランジスタレベルをカバーする包括的なローパワー検証ソリューションである。Discoveryは、マルチ・パワードメイン、レベルシフタ、アイソレーション・セル、メモリ・リテンション・エレメントといった先進のローパワー・テクニックを用いたデザインに対して、パワーを考慮したシミュレーションやフォーマル検証やスタティック解析を実行する。Discoveryにより、リーク電流パスの自動検出、ダイナミックIRドロップ解析、複雑なパワーマネージメントが必要な回路の機能検証を実行でき、パワーセンシティブなアナログ回路やメモリやカスタム・デジタルデザインの機能の正当性を確認できる。

Galaxyデザイン・プラットフォームは、一連の完全なローパワー設計機能により、最も消費電力が低く、最もパフォーマンスが高いデザインを実現できる最も生産性の高い設計フローを提供している。Galaxyは、現在一般的に用いられているクロック・ゲーティングやマルチ・スレッショルド・ライブラリなどのローパワー・テクニックはもとより、マルチ・ボルテージやMTCMOSパワー・ゲーティングといった最先端のローパワー・テクニックも備えている。さらに、Galaxyを使用することにより、論理合成、フィジカル設計、サインオフといった設計プロセスの各段階を通じてダイナミック・パワーとリーク・パワーの両方を包括的に最適化し解析できる。

DesignWare IP群は、パワー効率の高いトランスミッタ、フェイズ・ロック・ループ(PLL)ブロック、クロックゲーティングなどのテクニックを用いて、チップ動作がアクティブ・モードの場合とスタンバイ・モードの場合の両方を想定して低消費電力を実現できるように開発されている。例えば、USB 2.0 nanoPHYは、最先端のモバイル機器向けチップへの搭載を想定して開発されており、従来のUSB回路ブロックに比べて消費電力は1/2である。PCI Express、Serial ATA(SATA)、XAUI高速シリアライザ/デシリアライザ(SERDES)PHYなどのIPは、ローパワー・モードをサポートしており、市販されている他の同種のIPよりも消費電力は大幅に低い。

UPF 1.0は、エンドユーザー側で一貫性が高く相互運用可能なローパワー設計フローならびにメソドロジを確立するために必須となる標準パワー・フォーマットを求めるユーザーの声に応えて策定された。UPFは、EDA業界ならびに低消費電力チップを提供している半導体業界の主要企業がAccelleraに提供した実証済みのテクノロジをベースに策定されており、これによってユーザー待望の生産性向上とローパワー設計フロー簡素化が実現できるようになる。

シノプシス マーケティング&ビジネス・デベロップメント・グループ担当上級副社長であるJohn Chiltonは次のように述べている。「お客様の市場競争力を高めること。当社がローパワー・ソリューションを開発し続けてきた理由はその一点に尽きます。ローパワーIP群で補完されたGalaxyデザイン・プラットフォームとDiscoveryベリフィケーション・プラットフォームは、お客様が最も市場競争力の高いローパワー・チップを迅速に市場投入するために必要としている包括的かつ最先端のソリューションをご提供しているのです。」

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア(EDAツール)の世界的リーダーである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産(IP)やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。

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SynopsysならびにDesignWareは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
DiscoveryならびにGalaxyは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス株式会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780    FAX: 03-5746-1781