ニュースリリース - 2007年3月9日

TSMCとシノプシス、TSMCの65nmプロセス向けにCCSモデルのサポート開始を発表

CCSベースのライブラリで低消費電力設計、高性能デザインを実現し設計者の生産性を向上

2007年3月6日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)と、半導体ファウンダリ世界最大手のTSMC(NYSE上場コード:TSM)は本日、TSMCの90nmおよび65nmプロセス・テクノロジで、Composite Current Source(CCS)モデルが使用可能になったと発表した。この高精度なCCSタイミング/ノイズ・モデルをGalaxyデザイン・プラットフォームで用いることにより、設計者はインプリメントと、そのサインオフ検証の工程で過剰な設計マージンを削減でき、それによって設計品質を向上し、設計のやり直しを削減できるようになる。主要な半導体企業で、CCSを用いた結果、CCSモデルは、HSPICE比で誤差2%以内という、サインオフレベルの高精度を提供できることが実証されている。

TSMC デザイン・サービス・マーケティング担当 ディレクター代理である Kuo Wuは次のように述べている。「近年のシリコン・テクノロジの進化により、ナノメータ・プロセスで発生する現象をモデリングすることは、新たな課題となっています。当社は、シノプシス社と密接に協力し合い、CCSベースのスタンダードセル・ライブラリ・モデルのキャラクタライズと、その正当性の実証を行ってまいりました。CCSベースののモデルは、当社の65nmプロセス・テクノロジで必須となるパフォーマンスと低消費電力の要件を満たしており、当社ではお客様に対し非常に大きな競争優位性をご提供できるようになりました。」

CCSモデリング・テクノロジは、オープンソースのLibertyライブラリ・モデリング・スタンダードの一部で、ナノメータ・プロセスで発生する現象を高精度かつ包括的にモデリングできる。即ち、タイミング、シグナルインテグリティ、パワーのモデル化である。CCSモデリング・テクノロジは、変動する値に対応したモデリング技術の根幹を成すテクノロジである。CCSモデリングは、電圧、温度、プロセスなどの条件が変わってもスケーラブルに対応できる。CCSモデリングは、電圧変動に応じたモデリングが可能で、周波数が高くなればダイナミック電圧も高くなるように見積もるスケーラビリティを備えており、マルチVtやマルチVddなどのアドバンスド・ローパワー・デザイン・フローを簡単に扱えるようになる。業界内では、代表的なファウンダリ、IPプロバイダ、IDM企業などから、CCSモデリング・テクノロジを用いてライブラリを提供する動きが非常に活発になっている。

シノプシス インプリメンテーション・グループ マーケティング担当副社長である Bijan Kianiは次のように述べている。「最新のシリコン・テクノロジがもたらすメリットを享受するために必要となる完全なインプリメンテーション・ソリューションとサインオフ・ソリューションを提供するのが、シノプシスの使命です。TSMC社のようなマーケット・リーダーでもありテクノロジ・リーダーでもある企業がCCSモデリングをサポートされるという事は、両社共通のお客様が、Galaxyデザイン・プラットフォーム上でより高い精度とより高いパフォーマンスを実現できることが実証済されたIPを使用できるようになるという事にほかなりません。」

提供時期
TSMCの90G、90GT、90LP、65G+、65LPプロセス向けのCCSモデリング・テクノロジ・ベース・スタンダード・セル・ライブラリは、シノプシスのDesignWareライブラリの一部として既に提供が開始されている。DesignWareの既存ユーザーは無償で入手できる。シノプシスから入手可能なTSMC Nexsysライブラリの詳細ならびにダウンロードの認証については、http://www.synopsys.com/jp2/IP/Pages/default.aspxより入手可能。

DesignWareライブラリについて
DesignWareライブラリには、インプリメンテーションとベリフィケーションに必要となるIP群が豊富に含まれている。ファウンダリ各社のライブラリ、データパスIP、AMBATMバスIPならびにそのペリフェラルIP、標準バスI/Oやメモリやマイクロコントローラなどの検証用IP、業界で定評のあるStar IPなどである。DesignWare IPについての詳細な情報は、http://www.synopsys.com/designwareより入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

TSMCについて
TSMCは世界最大の専業ファンダリメーカーで、業界をリードするプロセス技術、及びシリコン実証済みライブラリ、IP、デザインツール、リファレンス・フローなどのサービスを提供している。TSMCは、先進12インチ(300mm)ウェハファブ2拠点、8インチファブ4拠点、6インチファブ1拠点を運営している。また、子会社であるWaferTechとTSMC(上海)と、ジョイントベンチャーファブ(SSMC)でも生産を行っている。TSMCは、世界で初めて65nmプロセスでの生産を開始したファウンダリである。TSMCは、本社を台湾の新竹に設置している。詳細な情報は、http://www.tsmc.comより入手可能。

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Synopsys、HSPICEならびにDesignWareは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Galaxy、Libertyは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781