ニュースリリース - 2007年1月23日

OKI、DFT MAXの採用によりテスト品質向上を促進

DFT MAXによりテストデータ・ボリュームを削減し、製造テストの品質を向上

2007年1月22日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、沖電気工業株式会社(以下、OKI。東証一部上場コード:6703)が、シノプシスのスキャン回路自動圧縮ソリューション DFT MAXを用いて、デジタルLSI設計のテスト品質向上を実現したと発表した。DFT MAXは、チップ上のスキャン回路を圧縮し、テストパターン生成に必要となるデータ量を飛躍的に削減する。OKIは、DFT MAXを使用することにより、大量のテストの品質を向上させるために実施する通常のテストを、テスターの使用メモリー容量を増加させることなく実行できただけでなく、広範囲に渡ってat-speedテストを実施することができた。

OKI 半導体ビジネスグループ通信・車載システムビジネス本部 車載SoC設計部 部長 小林次郎氏は次のように語っている。「当社では、当社の複雑なシステムオンチップ(SoC)の製品品質をさらに向上させるために実行できるテスト・ソリューションを必要としていました。しかも当社で使用している既存のテスターでテストを行って、テストコストを抑える必要があったのです。DFT MAXによって、当社で実施したかったat-speedテストに必要なデータ量を大幅に削減でき、かつチップ面積の増加はごくわずかですみ、さらにDFT MAXは当社の既存のDFTフローに組み込むのも非常に容易でした。こうした理由から、当社は今後のSoC設計に対してもDFT MAXを採用していくことに決めました。」

チップの実際の動作スピード(at-speed)でテストを実施することにより、非常に高品質なテストを実現できる。しかしSoC上の個々の回路が異なるスピードで動作するケースの場合、連続的に発生する複雑なクロックをコントロールするカスタム・ロジック回路の設計と検証は非常に困難かつ時間のかかる作業となる。これが、異なるスピードで動作する大量の入出力クロックの回路を持つ数百万ゲートのSoCを設計するOKIの設計者にとっての課題だった。OKIの設計者は、クロック・コントローラーをゼロからカスタム開発してプロジェクトのスケジュールに遅れを生じさせるリスクを冒すようなことはしなかった。彼らは、DFT MAXを使ってクロックをコントロールする回路全体を合成し、彼らのデザインに組み込んだのである。この自動化手法によって開発にかかる期間と労力を大幅に削減することができ、期限内でのテープアウトが可能になった。その後の工程では、TetraMAX DSMTestを用いて高いカバレッジのトランジション・ディレイ・テストパターンを自動生成し、実デバイスでの実証を行うためにテスターで使用した。

シノプシス インプリメンテーション・グループ テスト製品マーケティング・ディレクター Graham Etchellsは、次のように述べている。「デザインが大規模になり、そのテストも益々困難になってくるにつれて、OKI様のような半導体企業様から当社に、革新的なテスト・ソリューションの提供をご要請いただくようになっています。DFT MAXにより、設計者の皆様は、最小限の設計時間と最小限のシリコン・コスト(面積)で、その品質目標を達成できるようになります。さらに、既存のテスト設計環境からDFT MAX環境への移行は、わずか数日という簡便さで実現できますので、お客様は、より多くの故障テストを実施できるというメリットを、すぐにでもかつ目に見える形でご実感いただけます。トランジション・ディレイ、ブリッジIDDQから、近年問題となっている微小遅延故障のテストに至るまで、テスト品質の向上と、より高精度な故障診断が可能になるのです。」

DFT MAXの使用にあたっては、テスト圧縮テクニックに関する専門知識は不要である。DFT MAXは、わずかなゲート回路を追加するだけでテスト圧縮を実現できるアダプティブ・スキャン・アーキテクチャを用いており、チップ面積の増加を最も抑えることができるソリューションである。圧縮と復元に、複雑なシーケンシャル・ステートマシンを使用しないため、このアダプティブ・スキャン・アーキテクチャはテスト回路をデザイン全体にわたって分散させることができる。これにより、配線密集を緩和し、シリコン面積増加によるコスト増を削減できる。またDFT MAXは、シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォーム上でシームレスに実行できるため、デザインのタイミングに悪影響を与えることがなく、設計結果の予見性が向上する。

沖電気工業株式会社について
沖電気工業株式会社は、東京に本社をおき、1881年日本初の電子通信メーカーとして誕生した。OKIは、電子情報通信事業、半導体事業、プリンター事業を通じて最高品質の製品、技術、ソリューションをお客様に提供している。これらの全ての事業は、互いに相乗効果をもたらす源泉として機能しており、様々なマーケットにおける多種多様な顧客ニーズ満たす画期的な新製品や新技術を産み出している。詳細な情報は、ウェブサイトhttp://www.oki.com/jp/より入手可能。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

# # #

SynopsysおよびTetraMAXは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Galaxy は、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781