ニュースリリース - 2005年6月22日

STマイクロエレクトロニクス社が、シノプシスのRTL検証ソリューションVCSにより - 検証期間を半減


VCSに組み込まれている各種のカバレッジ解析基準により、

STマイクロエレクトロニクス社の高品位テレビ向け90nmプロセッサの検証品質が向上

2005年6月22日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスのVCSが、STマイクロエレクトロニクス社(以下ST社)の高品位テレビ向け次世代プロセッサSTD2000ファミリー(90nmプロセス)の検証に用いられ、従来の半分の期間で検証品質目標を達成したと発表した。VCS は、Discoveryベリフィケーション・ソリューションの基幹ツールであり、包括的なRTL検証ソリューションを提供している。ST社は、VCSに組み込まれている高性能なカバレッジ解析テクノロジを用いて、検証の完全性を確保し、高品位テレビ向け1000万ゲート規模のデザインの品質向上を実現した。

ST社 検証マネージャー Sebastien Francois氏は次のように語っている。「当社では、VCSが我々の目指すカバレッジ・ドリブン検証手法の実施にあたって最高の性能を提供してくれることを評価し、VCSソリューションを採用することにしました。我々は様々なカバレッジ解析基準をクリアする事を検証プロセス進捗の判定基準としており、それを前提に幅広いリグレッション・テスト・スイートを用意して検証に望んでいます。VCSには各種のカバレッジ解析基準が組み込まれており、与えられた開発期間内で我々の検証品質目標を達成するのに必要とされるパフォーマンスそして幅広いカバレッジ解析テクノロジを提供してくれるのです。」

VCSのカバレッジ・ドリブン検証手法による開発期間短縮
VCSでは、機能カバレッジ、アサーション・カバレッジ、コード・カバレッジ(有限ステートマシン/コンディション/パス/トグルなど)といった各種のカバレッジ解析基準を満たしたシミュレーションを実行できる。VCSでは、これらのカバレッジ解析がネイティブにコンパイルされるため、検証をより高速に実行できるだけでなく、RTLの前処理*が不要になることにより生産性を大幅に向上できる。さらにVCSは以下のような重要なカバレッジ機能を提供している。 (*RTLの前処理:コード・カバレッジを観測するのに必要となるコードをRTLに挿入する作業)

  • カバレッジの自動グレーディング

実行を想定している複数のテスト・スイートの中から、カバレッジ収束に必要となるテストの優先順位を自動的に決定する機能。これにより設計者は、非効率なテストや冗長なテストを実施しないで済み、無駄に費やされてきたリグレッション・テスト期間を排除できる。

  • カバレッジ結果の集計

複数のリグレッション・テストの実行から得られるカバレッジ結果を集計する機能。これにより設計者は、最終的に達成されるカバレッジ率を事前に判断できる。

  • 柔軟なカバレッジ解析実行

カバレッジ解析実行を柔軟にオン・オフできる機能。これにより設計者は、検証スループットを大幅に向上できる。

シノプシス ベリフィケーション・グループ マーケティング担当副社長 Farhad Hayatは、次のように語っている。「私どもは、VCSを単なるHDLシミュレータではなく、言語混在RTL検証ソリューションに発展させ、ST社のSTD2000ファミリーような複雑なチップ設計であっても短期間でRTL検証可能にしています。数多くのお客様が、VCSに組み込まれているネイティブ・テストベンチ、各種カバレッジ解析、完全なアサーション機能といったバグ根絶テクノロジを採用されています。」

VCSについて
シノプシスのVCSは、Discoveryベリフィケーション・ソリューションの基幹ツールであり、複雑なSoCの機能検証に必須となる高速検証エンジンやバグ根絶のための各種の強力なテクノロジなど、包括的なRTL検証ソリューションを提供している。VCSは、Verilog、VHDL、SystemVerilog、SystemC、OpenVeraといった業界標準の設計/検証言語をサポートしており、ネイティブ・テストベンチ、各種カバレッジ解析、完全なアサーション機能といった強力なバグ根絶テクノロジが組み込まれている。VCSのシングル・コンパイル・アーキテクチャにより、デザイン、テストベンチ、アサーションを単一ツール上でコンパイルし、最適化し、実行することが可能になっている。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア(EDAツール)の世界的リーダである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産(IP)やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。

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Synopsys、VCSは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Discoveryは、Synopsys, Inc.の商標です。
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<お問い合わせ先>

日本シノプシス株式会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780 FAX: 03-5746-1781