ニュースリリース - 2005年5月10日

PrimeRail発表 Q&A

Q1: PrimeRailとは?

A1: PrimeRailは、IRドロップとエレクトロマイグレーションに対するフルチップのダイナミック解析とスタティック解析を実行するツールであり、Galaxyデザイン・プラットフォーム上でパワーネットワーク解析のサインオフ・テクノロジを提供します。

また、PrimeRailはシリコン精度のサインオフ・テクノロジであるStar-RCXT、HSPICE、NanoSim、PrimeTimeとの併用により、メモリやアナログの正確なモデリングも可能になります。

Q2: PrimeRailとGalaxyデザイン・プラットフォームの関係は?

A2: シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームは、RTLシンセシス、フィジカル・デザイン、そしてサインオフといったソリューションで構成されており、RTLからGDSⅡまでを網羅する完全なデザイン収束ソリューションといえます。PrimeRailは、Galaxyデザイン・プラットフォームに緊密に統合されているため、設計者は、IRドロップを予測しながらフロアプランニングを進めることができ、オンチップのデカップリング容量やパッケージからの寄生情報に基づくフルチップ・サインオフ解析など、ポストレイアウトでスタティック解析とダイナミック解析の両方を実行できるようになります。

Q3: PrimeRailは、AstroRailの代替製品ですか?今後、AstroRailはどうなるのでしょうか?

A3: 今日、設計者は、高精度なIRドロップおよびエレクトロマイグレーション解析にAstroRailを使用しています。AstroRailは、TSMCリファレンス・フローで認定されており、市場トップレベルのパフォーマンス、キャパシティ、そしてHSPICEと比較して5%以内の精度を提供しています。PrimeRailは、この次世代ツールであり、IRドロップとエレクトロマイグレーションにおけるスタティック解析とダイナミック解析を行います。
シノプシスは、AstroRailのサポートとエンハンスメントを続けていく予定です。お客様のご要望に応じて、フルチップのダイナミック解析向けにPrimeRailへのアップグレードをお手伝いさせていただきます。

Q4: PrimeRailがパワーネットワーク・サインオフ解析のフルチップ・ソリューションである理由は?

A4: パワーネットワーク・サインオフは、IRドロップおよびエレクトロマイグレーション効果をスタティック/ダイナミックに解析する機能で、タイミングへの影響を考慮します。

既存のソリューションは、スタンドアロン環境でスタティックなIRドロップ解析を行えるに過ぎず、またメモリの高精度なモデリングも実行できません。さらに、これらのソリューションはインプリメンテーション・プラットフォーム上での統合もなされていないため、デザイン収束を可能にする統合設計フローを構築することができません。

PrimeRailは、その革新的なパワーネットワーク・サインオフ解析テクノロジに加えて、回路シミュレーション/寄生抽出/スタティックタイミングにおけるシノプシスのコア・テクノロジを活用しサインオフ品質の解析結果を提供します。PrimeRailは、その新しいハイブリッド・テクノロジにより、IRドロップとエレクトロマイグレーションに対するフルチップのダイナミック解析とスタティック解析を実現しており、シノプシスのその他のシリコン精度のサインオフ・テクノロジであるStar-RCXT、HSPICE、NanoSim、PrimTimeの併用により、HSPICEレベルのメモリやアナログ回路の正確なモデリングも可能になります。また、この新しいハイブリッド・テクノロジは、RLC(レジスタンス、インダクタンス、キャパシタンス)を任意にシミュレーションでき、最少のメモリ使用量でHSPICEレベルのダイナミック解析を実現します。

Q5: PrimeRailが提供する主なメリットは?

A5: PrimeRailは、次のようなメリットを提供しています。

  • HSPICEレベルの精度(ゲートおよびトランジスタ・レベル)
  • 高いパフォーマンスとキャパシティ(20Mゲート規模を8時間で解析)
  • タイミング・サインオフに影響を与えるIRドロップのダイナミック解析

Galaxyデザイン・プラットフォームとの緊密な統合により、各設計段階でパワーネットワーク・サインオフの予測性が高まる

Q6: PrimeRailが提供する機能は?

A6: PrimeRailは、HSPICEレベルの精度のIRドロップと、エレクトロマイグレーションに対するスタティック解析とダイナミック解析機能を提供しています。

  • パワーネットワーク・サインオフ解析向けのハイブリッド・テクノロジ
  • Milkyway、LEF/DEF、GDSⅡといったデザイン・フォーマットをサポート
  • メモリやアナログ回路におけるIRドロップやエレクトロマイグレーションのダイナミック解析をサポート
  • HSPICEレベルの精度を実現したメモリやカスタムIPのマクロ・モデリング
  • HSPICEを使用した電流波形パワー・ライブラリを自動生成
  • 階層およびフラット解析を実行
  • ベクタ・フリー、ベクタ・ベースのダイナミック解析によるフルチップ・カバレッジ
  • 組み込みパワーネットワーク抽出機能
  • キャパシタンスとRLC解析のパッケージを分離
  • What-if解析
  • IRドロップおよびエレクトロマイグレーション・マップ
  • TCLサポート
  • 先端の低消費電力設計テクニックの解析
  • 多電源
  • パワー・スイッチ(MTCMOS)
  • ステート保持パワー・ゲーティング


Q7: ハイブリッド・テクノロジは、どのようにしてIRドロップとエレクトロマイグレーションのダイナミック解析を行うのでしょうか?

A7: PrimeRailのハイブリッド・テクノロジは、独自のパワーネットワーク解析エンジンを備えています。このエンジンは、オンチップとパッケージ(RLC)からの寄生情報と共に、入力値としてHSPICEレベルの精度のライブラリとメモリ・モデルを使用し、IRドロップとエレクトロマイグレーションのダイナミック解析結果をもたらします。

ハイブリッド・テクノロジは、高性能スイッチング・ネットワークやマルチモード・低消費電力設計のピーク電流効果を解析します。この高速でメモリを効率的に使用するアーキテクチャにより、最小のメモリ使用量で、数百万ゲート規模設計のダイナミック解析を実行することができます。


Q8: PrimeRailに最適な設計は?

A8: PrimeRailは、広範囲に及ぶ130nm設計、そして90nm以降の全ての設計に適しています。特にネットワーク・スイッチや低消費電力アプリケーションをターゲットとした設計など、メモリの多い高性能設計に最適です。

Q9: PrimeRailの価格と提供は?

A9: PrimeRailは、2005年9月より提供開始予定です。PrimeRailの価格は、1年間のテクノロジ・サブスクリプション・ライセンス(TSL)で\32,275,800です。長期のご契約の場合は、年間当たりのライセンス料はさらにお安くなります。また、シノプシスの既存のパワーネットワーク・解析テクノロジをご利用中のお客様には、包括的なアップグレード・パスをご用意しております。

Q10: サポートしているプラットフォームは?

A10: PrimeRailは、は、Galaxyデザイン・プラットフォームがサポートしている全てのプラットフォームをサポートしています。これには、32ビットや64ビットのハードウェア・プラットフォームで動作するLinuxやSolarisといったOSも含まれております。