ニュースリリース - 2008年9月24日

シノプシスのIC Compilerを用いてNECエレクトロニクスが同社の最新のシステムLSI “EMMA”をテープアウト

NECエレクトロニクスの掲げるTime-to-Marketという重大目標を達成し
700万インスタンスもの大規模デザインのテープアウトを成功裏に終了

2008年9月23日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）は本日、ブロードバンド通信マーケット向けに最先端技術ソリューションを提供する半導体大手　NECエレクトロニクス株式会社（東証上場コード:6723　以下、NECエレクトロニクス）が、同社の最新のEMMA（Enhanced Multimedia Architecture）チップセットのテープアウトにあたって、シノプシスのデザインプランニング/配置配線ソリューションIC Compilerを用い、これを成功裏に終了したと発表した。今回のEMMAの設計には非常に厳しい開発スケジュールが課されており、700万インスタンスにものぼる大規模デザインをフラット設計で行う困難なプロジェクトであったが、NECエレクトロニクスは、シノプシスのプロフェッショナル・サービス・グループと協業し、スケジュール期間内でのテープアウトを達成した。NECエレクトロニクスがIC Compilerを選んだ理由には、設計結果の予測性が高く、設計のやり直しを最小限に抑えられる点が挙げられる。NECエレクトロニクスとシノプシス・プロフェッショナル・サービスは、過去三年にわたり、デジタルAV機器向けシステムLSIであるEMMAシリーズのテープアウトで協業を重ねてきたが、今回のプロジェクト成功もこうした協業実績の上に成り立っている。

NECエレクトロニクス株式会社　デジタルコンシューマLSI事業部　事業部長　平沢政夫氏は次のように語っている。「当社が提供しているEMMAシリーズは、デジタルAV機器の心臓部となるテクノロジです。EMMAシリーズは、デジタルコンシューマ機器を提供している大手企業の多くにご採用いただいていますが、コンシューマ製品であるが故に、それらの企業様から求められる開発期間は非常に厳しいものです。シノプシス社のプロフェッショナル・サービスの協力を得ながらIC Compilerを活用することで、設計のやり直しを最小化して開発プロジェクトの進捗予測を確かなものにしつつ、無事テープアウトを終えることができました。当社の重要プロジェクトにIC Compilerを選んでいる理由もそこにあります」

IC Compilerは、包括的な配置配線機能を提供しているため、NECエレクトロニクスのような企業は設計のやり直しを最小化して設計結果の予測性を高めることができ、厳しい納期を達成することが可能になる。今回のEMMAは90nmデザインで、700万以上のインスタンスと、異なる動作速度を持つ数百ものマクロで構成されている。開発期間に厳しい制約がある中で、このような大規模デザインをフラット設計で実現し、最高品質の製品を顧客企業に提供するために、NECエレクトロニクスとシノプシス・プロフェッショナル・サービスは困難な課題を克服した。

シノプシス　社長兼COOのChi-Foon Chanは次のように述べている。「IC Compilerは、設計課題の増大に対応して設計者の皆様の要求にお応えし続けてきました。NECエレクトロニクス様のEMMAシリーズには、最先端のテクノロジが搭載されているため、設計結果を予測しつつ高品質なデザインを実現するには、同様に最先端の配置配線ソリューションが必要となるのです」

IC Compilerについて
IC Compilerは、手職人級の精巧なマクロ配置、インテリジェントなパワーネットワーク、MinChipテクノロジによるダイサイズ自動最小化といった高度な機能を提供する。これらは全て単一のタイミングエンジンのもとに行われるため、高い設計品質を保ちつつ迅速にタイミング収束を達成することができる。高度に複雑なデザインを実現するには、デザインプランニングと実際のインプリメントをシームレスに融合でき、かつ単一のタイミングエンジンのもとでサインオフ解析との高度な相関性を保ちつつ設計を進めるための統合環境を提供できる、コンカレントな設計フローが重要となる。このデザインプランニングとインプリメントをコンカレントに進める手法は、従来型の“デザインプランニングをしてからインプリメントを行う”手法を置き換えるソリューションであり、それによってテープアウトまでにかかる期間を短縮し、開発コストを削減することができる。