ニュースリリース - 2008年7月15日

シノプシス、Device Controller IPの提供により、DesignWare SATA IPソリューションを拡充

インターオペラビリティ・テストに合格したDevice Controller IP、Host Controller IP、PHY IP、Verification IPからなる
完全なSATA IP群により、SATAインターフェイスをSoCに実装する上でのリスクを削減

2008年7月14日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 -半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）は本日、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ、ハードディスク・ドライブ、光ディスク・ドライブの制御に用いられるDesignWare SATA Device IPの提供を開始すると発表した。Device Controller IP、Host Controller IP、90nm/65nm対応のPHY IP、Verification IPからなる包括的なシリコン実証済みDesignWare SATA IPソリューションは、SATA-IO（International Organization）が実施しているBuilding Blockインターオペラビリティ・テストに合格しており、SATAの実装に必要な全てのコンポーネントを単一ベンダから提供することとなる。この完全かつ高品質なIPソリューションにより、設計者はSATAインターフェイスをSoC上に組み込む際のリスクと開発コストを削減できるようになる。

DesignWare SATA Device IPは、1.5ギガビット/秒ならびに3.0ギガビット/秒のデータ転送スピードに対応しており、今後は6.0ギガビット/秒のサポートも予定しているため、高い性能が求められるストレージ機器にとっては理想的なソリューションである。このIPは、シノプシスのローパワー・ソリューション Eclypseの重要なコンポーネントの一部であり、最終製品の消費電力を削減するために用いられる高度なパワーマネージメント機能を数多く備えている。明確に定義されたDMA（Direct Memory Access）ベースのソフトウェア・プログラミング・インターフェイスも備えているため、設計者は、レイテンシとソフトウェア・オーバーヘッドを抑えつつ最善のシステム性能を実現できる。さらに、ファームウェア・サンプルも提供されているため、ソフトウェアの開発・統合・メンテナンス全体にかかる労力を削減することができる。

今回のSATA Device Controller IPの提供開始によって、シノプシスが設計者に提供するSATA IPソリューションは、Device Controller IP、Host Controller IP、PHY IP、Verification IPの全てを兼ね備えた包括的なソリューションとなった。シノプシスのSATA IPソリューションは、インターオペラビリティを確立したシリコン実証済みのソリューションであり、SATAの実装に必要な全てのコンポーネントを提供するものである。

DesignWare SATA Host Controller IPは、HDDの回転やヘッド動作を最小限に抑えるため、ドライブが 1 度に複数の命令を受けて、最も効率のよい順番に並べ替えてから実行することを可能にするNCQ（Native Command Queuing）に対応しており、その機能を提供する業界標準のAHCI（Advanced Host Controller Interface）ソフトウェア・ドライバを使って検証されているため、Linux®やMicrosoft Windows Vista™上での正常動作が保障される。したがって、設計者はSATAをシステム全体の一部として統合するのが容易になる。

そして、DesignWare SATA Host Controller IPとSATA Device Controller IPのシステム統合を補完するのが、DesignWare SATA PHY IPである。このSATA PHY IPは、ビルトイン診断テスト機能を備えているため、ホストとデバイス間のリンク性能のオンチップ診断を実行でき、ATE（Automatic Test Environment）テストベクタを提供しているのでat-speed製造テストも実施できる。

また、DesignWare Verification IPにより、設計者はSATAベースのシステム全体の検証環境を迅速かつ効率的に構築できる。SATA Verification IPをシノプシスのシミュレータ VCS上で使用すれば実効速度を最大5倍にまで高めることができる。SATA Verification IPはVMMに準拠して開発されているので、強力なSystemVerilogテストベンチも短期間に生成できる。

SATA-IO議長のTom Pratt氏は次のように語っている。「SATA-IOは、この定評あるストレージ・インターフェイスが持つすべての優位性を具現化した新しい製品を提供することによってSATAテクノロジの発展に寄与してくれる企業を高く評価します。高速な転送速度、低コスト、高効率な命令手順などのメリットにより、SATAはストレージ・インターフェイスの主流となりました」

シノプシス IP＆サービス　シニア・マーケティング・ディレクター John Koeterは次のように述べている。「大容量ストレージ機器の市場の成長は留まることを知らず、IDCの2008年の分析では、ソリッド・ステート・ドライブの場合2007年から2012年にかけての年平均成長率は76%と予測されています（注1）。高度なインターオペラビリティ、低消費電力、実装の容易性を兼ね備えた完全なDesignWare SATA IPソリューションにより、設計者はSATAインターフェイスをSoCに実装する際の開発リスクを削減し、市場への投入までにかかる期間を短縮することができます」

（注1）出典：IDC, "Worldwide Solid State Drive 2008-2012 Forecast and Analysis: Entering the No-Spin Zone," Doc # 212736, June 2008

出荷時期
Device Controller IP、Host Controller IP、130nm/90nm/65nm対応のPHY IP、そしてVerification IPからなる包括的なDesignWare SATA IPソリューションは、既に提供を開始している。詳細情報は http://www.synopsys.com/JP2/IP/InterfaceIP/SATA/Pages/default.aspx より入手可能。

また、米国時間の7月31日には、無償ウェブセミナー“Achieving Optimal Performance and Low Power for SATA Device Designs”の開催を予定している。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/sata/より入手可能 。

DesignWare IPについて
シノプシスは、SoC開発に欠かせない高品質かつシリコン実証済みのデジタル/ミックスドシグナルIP群ならびに検証用IP群を広範囲にわたって提供している。シノプシスはコネクティビティIPのリーディング・プロバイダでもあり、USB/PCI Express/SATA/Ethernet/DDRといった業界で広く採用されているプロトコルを実装するための最も包括的なIPソリューションを提供している。この包括的なDesignWare IPソリューションには、ローパワー最適化が施されており、シノプシス Eclypseローパワー・ソリューションのコア・コンポーネントとなっている。シノプシスは、コネクティビティIPに留まらず、シリコン完成前の段階でソフトウェア開発を開始するために必要となるバーチャル・プラットフォームを作成するためのSystemCベースのトランザクション・レベル・モデル群も提供している。DesignWare IPは、信頼性の高い開発手法、品質確保のための巨額の投資の所産であるだけでなく、包括的な技術サポートとともに提供されているため、設計者は、IP統合リスクを最小化し、最終製品の市場投入までにかかる期間を短縮することができる。詳細情報はhttp://www.synopsys.com/designwareより入手可能 。