ニュースリリース - 2008年2月27日

シノプシス、富士通のCedarTM-ESLサービスのプロバイダに

シノプシスが富士通と協力し、最先端のバーチャル・プラットフォーム・ソリューションを提供

2008年2月27日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体の設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、富士通株式会社(以下、富士通)と協力し、同社のCedar-Electronic System Level(ESL)サービス・プロバイダとして、最先端バーチャル・プラットフォーム・ソリューションを提供していくと発表した。

今回の協力は、バーチャル・プラットフォームを作成し分析し実行するためのツールInnovatorや、SystemCで記述されたトランザクション・レベル・モデル(TLM)であるDesignWare System-Level Libraryなどの、シノプシスのシステムレベル設計ソリューション全般に及ぶ。設計ツール、モデル、各種サービスで構成されるシノプシスの実績豊富なバーチャル・プラットフォーム製品群により、富士通の顧客は、シリコン完成以前の段階でのソフトウェア開発や、ソフトウェア動作を基準にしたシステム全体の検証が可能になる。Cedar-ESLは、組み込みソフトの検証のためのSystemCモデルの開発サービスを提供する。

バーチャル・プラットフォームにより、ソフトウェア開発者は、シリコン完成前にシリコン上で稼動するソフトウェアを高速で実行する環境を手にすることができる。SoCが完成する前の段階でSoC上で実行されるソフトウェアの開発が可能になるのである。バーチャル・プラットフォームは、多数の機能ブロックで構成される複雑なハードウェアのシステム全体の機能を完全に表現したソフトウェア・モデルを作成するためのテクノロジである。シノプシスのバーチャル・プラットフォームは、高速な命令セット・シミュレータと、ハードウェアを構成する各ブロックの機能を完全にモデリングしたTLMを統合したものであり、抽象度の高い仮想ハードウェア環境をソフトウェア開発者に提供する。ソフトウェア開発者は、このテクノロジを採用しても、現在使用中の組み込みソフトウェア開発ツール群(コンパイラ、スクリプト、デバッガなど)を継続使用できる。

富士通株式会社 電子デバイス事業本部 設計技術統括部 第三設計技術部 部長 長谷川隆氏は次のように語っている。「当社は、シリコン完成前の段階でのソフトウェア開発やシステム全体の検証を可能にする最先端のシステムレベル設計ソリューションを必要としているお客様の要望にお応えするためにCedar-ESLサービスを立ち上げました。協力相手としてシノプシス社を選んだのは、同社が実績豊富なシステムレベル設計メソドロジと、数多くのモデルからなるDesignWare System-Level Libraryを提供している企業だからです。これらのソリューションにより、当社のお客様は組み込みソフトウェアの開発と検証を非常に効率的に行えるようになります」

シノプシス システムレベル・ソリューション&サービス担当マーケティング・ディレクタのMatt Gutierrezは次のように述べている。「近年のSoCの開発においては、SoC上で動作するソフトウェアの複雑化が大きな問題の一つとなっています。複雑なソフトウェアを開発し検証するには、ハードウェア上でのソフトウェア実行環境を確保した上で行われる必要があるからです。バーチャル・プラットフォームは、ソフトウェアの実行が可能なSoCモデル環境を富士通様のような半導体企業が提供できるようにすることによって、この問題を解決します。お客様はSoCの実機の完成を待たずして、ソフトウェアのSoCへの実装を開始できるようになるのです。Cedar-ESLサービスは、富士通様が当社のバーチャル・プラットフォームの専門技術を活用して、両社共通のお客様にメリットを提供するサービスです。これは業界内の素晴らしい協力関係の好例です。」

提供開始時期
シノプシスのバーチャル・プラットフォーム・テクノロジは既にシノプシスより提供を開始している。Cedar-ESLサービスは富士通より提供を開始している。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781