ニュースリリース - 2006年9月21日

株式会社ニコンとシノプシス、45nm以降のプロセス・テクノロジに対応した 最先端のDFMリソグラフィー・ソリューションの開発で協業

リソグラフィー・モデリング精度の向上、シリコン実現までの期間短縮、
製造歩留まりの向上を目指す。

2006年9月20日 フォトマスク・テクノロジ・コンファレンス(カリフォルニア州モンテレー)発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシスと、マイクロエレクトロニクス製品製造のためのリソグラフィー装置のリーディング・カンパニーである株式会社ニコン(以下、ニコン)は本日、45nm以降の最先端のリソグラフィー・ソフトウェア・モデルとDFM技術を活用したリソグラフィー・マニュファクチャリング・ソリューションの開発ならびに提供に向けて協業していることを発表した。

シノプシスとニコンの協業は、EDAと光学リソグラフィー・イメージング・システムの専門技術を集約して行われるもので、“マニュファクチャビリティを考慮した”OPCならびにRETのための次世代リソグラフィー・シミュレーション・モデルの構築に注力する。45nm以降のプロセス・テクノロジでは、数nmレベルでCD(Critical Dimension=線幅)制御を行う必要があり、現在のOPC/RETで用いられているモデルやリソグラフィー・システム性能では、限界が見えているためである。

協業の初期段階では、ニコンのリソグラフィー・システム固有の特性を高精度に反映した新しい最先端リソグラフィー・シミュレーション・モデルの開発と最適化に注力する。将来は、その“マニュファクチャビリティを考慮した”モデルと協業が生み出す専門技術を活用し、ニコン・リソグラフィー・システムを用いた最先端DFMマニュファクチャリング・ソリューションの開発ならびに実用化に注力する。

シノプシスのDFMソリューション担当副社長であるAnantha Sethuramanは次のように述べている。「45nm以降の世界では、設計と製造の双方からもたらされる情報の特性把握と統合が不可欠になります。このようなDFMセントリックな技術展望が示すとおり、適正歩留まり確保や製品市場投入にかかる期間短縮を加速するためには、設計に関わる企業と製造に関わる企業の双方が緊密に作業しなければなりません。」

新しいリソグラフィー・シミュレーションならびにOPC/RETモデルは、45nm以降のCDパフォーマンスの向上を前提に開発されなければならない。ナノメータ・レベルのCD制御を迅速に行うためには、リソグラフィー・ドーズ量、デフォーカス、光源タイプ、レンズ・パラメータといった従来の入力パラメータよりもさらに厳密に特性を表現したモデルが必要となる。新しいシミュレーションとモデリングのための入力情報には、液浸効果、偏光の影響、全体的/部分的なフレア、波面収差などのCDパフォーマンスに影響を与える要素が不可欠である。

ニコン 執行役員 精機カンパニー 開発本部長 馬立稔和氏 は次のように述べている。「我々は、当社のユニークなリソグラフィー・ツール特性をEDAツールに組み込むことによって、OPCモデルを目覚しく改善し、マスク・クオリフィケーションまでの期間を短縮できると確信しています。シノプシスのような最先端のEDA企業と協力することによって、弊社はより優れたイメージング性能をお客様に提供できるようになるのです。」

ニコンについて
ニコンは、1980年以降、革新的な製品とテクノロジにより、リソグラフィー技術を劇的に改善し続けてきた。ニコンは、マイクロエレクトロニクス製品メーカー各社にリソグラフィー装置を提供する世界的なリーディングカンパニーであり、全世界で7,800台もの露光装置が稼動している。ニコンは、業界にプロダクション・クラスのステッパーやスキャナー群を最も幅広く取り揃え提供している。これらの製品群は、半導体、薄型ディスプレイ(LCD)や薄膜磁気ヘッド(TFH)のメーカー各社で使用されている。ニコン プレジジョン インクは、北米地区でのニコン製リソグラフィー装置の販売ならびにマーケティングを担当しており、サービス、トレーニング、アプリケーション、技術サポートを提供している。詳細な情報は、www.nikonprecision.comより入手可能。

シノプシスのDFMソリューションについて
シノプシスは、DFMツール群の提供を通じ、RTL設計からシリコン製造までサポートできる業界で最も包括的なDFMソリューションを拡張し続けている。シノプシスのDFMツール・ファミリーは、マニュファクチャビリティ確保、イールド向上といった重要な課題を解決するツールおよび技術である。シノプシスのDFM製品は、フィジカル・インプリメンテーション・ソリューションIC Compiler、PrimeYield LCC/PrimeYield CMP/PrimeYield CAA、フィジカル検証ツールHercules、OPCツールProteus、マスクデータ・プレパレーションに用いるCATS、リソグラフィー検証ツールSiVL、特許技術のPSM(Phase Shift Mask)テクノロジ、およびプロセス・デバイス・シミュレーションのためのTCADツール群から構成される。シノプシスのマニュファクチャリング・イールド・マネージメント(MYM)ソリューションはファブに直結したソリューションであるため、お客様はランダム欠陥/システマティック欠陥/パラメトリック欠陥の削減に必要となるイールド・データならびに解析機能をリアルタイムで活用できる。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、電子設計自動化(EDA)ソリューションの世界的リーダーであり、半導体の設計ならびに製造に用いられる各種のツール、設計資産(IP)、サービスを全世界のエレクトロニクス関連企業に提供している。システムレベルHW/SW設計検証、IP 、HWインプリメント、HW検証、HW製造、FPGA設計の各ソリューションで構成されるシノプシスの包括的な統合環境により、顧客企業が設計や製造段階で直面している重要な課題、すなわち消費電力や歩留まりの管理、システム設計段階からシリコン製造段階までを網羅する総合検証、開発期間の短縮といった課題を克服することが可能になる。各種テクノロジを駆使したこれらのソリューションを活用することにより、顧客企業は、開発コストや開発リスクを削減しつつ最高の製品を迅速に市場投入することが可能となり、競争力を高めることができる。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジア、インドなど70ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jpより入手可能。

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Synopsys、CATSおよびSiVLは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Herculesは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先> 

日本シノプシス合同会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780   FAX: 03-5746-1781