ニュースリリース - 2006年4月24日

シノプシス、IPライブラリのDesignWare Libraryで - 高速動作モバイル機器向けの富士通FCRAM®モデルを提供

2006年4月24日 東京発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、DesignWare Libraryで提供しているメモリーモデルに富士通株式会社(以下、富士通)の高速動作モバイル機器向けFCRAM(Fast Cycle Random Access Memory)のモデルが追加されたと発表した。DesignWare Libraryは、富士通FCRAMのメモリーモデルの供給と技術サポートを担う重要な流通チャネルとなる。高機能・多機能モバイル端末への適用を想定しているこのメモリーモデルは、シノプシスが作成し富士通の検証を経ており、25,000を超すDesignWareユーザーは追加コストなしでダウンロード可能となっている。

モバイルFCRAMは富士通が開発した擬似SRAMである*1。FCRAMは、Common Specifications for Mobile RAM (略称、COSMORAM)*2に準拠したバーストモード*3を搭載しており、携帯電話用メモリーとして最適である。最新の128メガビットFCRAMデバイスは、データバス幅が32ビットのアドレス・データ・マルチプレックス・バス*4を搭載しており、1.8V単一電源で最大周波数108 MHzという高速バーストモード動作が可能である。また、このFCRAMデバイス・シリーズは、データバス幅の拡張により、同社従来品と比べ2倍以上のデータ転送速度を実現している。同時に端子数の削減を実現しているため、搭載製品のボード設計も容易である。大容量・高速処理を両立させたデバイスであるため、第三世代を含む高機能携帯電話のより高度なアプリケーションを実現することができる。シノプシスのDesignWareユーザーは、複雑で高速な処理が要求されるアプリケーションを開発する際に、このテクノロジを用いたケースを検証できるようになる。

* 1:FCRAM(Fast Cycle Random Access Memory)
富士通独自開発の高速・低消費電力型の次世代メモリコア。モバイルFCRAMは、FCRAMコアにSRAMインターフェースを搭載した擬似SRAM。

* 2:Common Specifications for Mobile RAM(略称、COSMORAM)
バースト機能を搭載した、株式会社東芝、NECエレクトロニクス株式会社、富士通株式会社の3社共通の擬似SRAM仕様。

* 3:バーストモード
システムクロックに同期した連続高速読み出し・書き込み可能な動作モード。必要なデータの最初のアドレスを指定するだけで、そこから連続した一定のアドレスのデータを高速に読み出せる機能。

* 4:アドレス・データ・マルチプレックス・バス:
アドレス端子とデータ端子を共通化したもの。両端子を共通化することにより、端子数の削減が可能となり、ボード設計が容易。
FCRAMデバイス・シリーズの詳細は、http://jp.fujitsu.com/microelectronics/products/memory/fcram/index.htmlを参照

富士通 システムメモリ統括部 統括部長代理 小林勝氏は次のように語っている。「我々は、シノプシス社が当社のモバイルFCRAMのモデルを開発し、いつでもどこからでもアクセスできるDesignWare Libraryを通じて提供し、技術サポートを行ってくれることを大変喜ばしく思っています。DesignWare Libraryは極めて高品質なIP群を提供していると同時に、それらを世界中の設計エンジニアや検証エンジニアに提供する最も効率的な手段でもあるからです。モバイル機器向けアプリケーションのニーズに応えるため、当社では擬似SRAM仕様のモバイルFCRAMをご提供しています。モバイルFCRAMは、携帯端末向けICのデザインに益々求められている、より大容量、より高速処理、より低消費電力といった要請を完全に満たすソリューションだからです。」

シノプシス ソリューション・グループ マーケティング担当副社長のGuri Starkは次のように述べている。「富士通様とシノプシスは、両社共通のお客様が最高品質のソリューションを活用できるようにするために、シノプシスが富士通様のメモリーのモデルを開発し、富士通様がその仕上がりを検証するという業務の協力関係を確立しました。富士通様のメモリーモデルをDesignWare Libraryに追加することには大きな意義があります。富士通様の強力なメモリーをシノプシスがモデルとして開発し提供するということは、実績ある高速処理メモリーデバイスを直近のデザインで使用したいと考えている25,000以上ものDesignWareユーザーが、高性能なメモリーモデルを活用できるようになるということを意味するからです。現在DesignWare Memory Modelsは、500サイトを越すお客様にご使用いただいております。DesignWareが提供しているメモリーデバイス群は、設計者がモバイル向けICを開発する際に直面する性能と消費電力の問題を解決するのに理想的なデバイスです。」

価格と出荷時期
現在、DesignWare LibraryまたはVCS Verification LibraryまたはDesignWare Memory Modelsをお使いのお客様は、既に追加コストなしで富士通の最先端モバイルFCRAMのメモリーモデルを入手可能となっている。2006年の第二4半期には、富士通モバイルFCRAM メモリーモデルの追加が予定されている。

DesignWare Libraryについて
シノプシスのDesignWareが提供する設計/検証用IP群により、設計者は複雑なシステムオンチップ、ASIC、FPGAをより低コストで設計/検証できるようになる。このDesignWare IPは、合成可能なインプリメンテーション用IP群、ハードマクロのPHY IP群、そして検証用IP群で構成されている。DesignWare IPは、シノプシスの確立されたIP開発メソドロジ、IPの品質確保のための膨大な投資そしてワールドワイドに展開している包括的な技術サポートの集大成であり、設計期間を短縮し、設計結果の予見性を高め、チップ開発を成功裏に終わらせるためのリスクを低減させる。DesignWare Libraryには、ファウンダリ・ライブラリ、検証用IP、AMBATMバスIPならびにペリフェラルIP、メモリー、ビルディングブロックIP、さらにはマイクロコントローラも含まれている。これら全てのIP群は、1ライセンスで使用可能で、従量課金による使用料やロイヤルティは発生しない。

シノプシスが提供するIP群の全容は、www.synopsys.com/ipdirectoryより入手可能。DesignWare IPについてのより詳細な情報は www.designware.com にアクセスするか日本シノプシス 営業本部03-5746-1701まで。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア(EDAツール)の世界的リーダである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産(IP)やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所以上。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。

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Synopsys、DesignWareならびにVCSは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
FCRAMは、富士通株式会社の登録商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>
日本シノプシス株式会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充

TEL: 03-5746-1780      FAX: 03-5746-1781