ニュースリリース - 2005年10月4日

セマテックとシノプシス、45ナノメーター以降の液浸リソグラフィー向けに最先端OPCモデルを開発

 

歩留まり達成にかかる期間短縮の重要な鍵となる正確なOPCモデリング

2005年10月4日 テキサス州オースチンおよびカリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)と、主要半導体企業のコンソーシアムであるセマテック(SEMATECH)は本日、光リソグラフィー技術の延命を可能にする最先端の光学近接効果補正(OPC)モデルを共同開発すると発表した。

セマテックの193ナノメーター(nm)液浸リソグラフィー拡張プロジェクトの一環である今回のプログラムの主要な目的は、45nm以降のプロセスノードで直面する課題の理解を促進することにより、コンソーシアムの参加企業がこれらの課題に対応するツールや製造プロセスの開発を可能にすることにある。本プログラムでは、業界をリードするシノプシスのマスクシンセシス・ツールProteusを採用している。

初期のモデリング結果は良好で、1.3NA(開口度)を使用した液浸ツールを45nmハーフピッチ向けにイメージ補正できることを示している。最終的には、液浸リソグラフィーを32nmハーフピッチでも使用可能にし、1.55より大きなNAの光学ツールでモデルを提供することを目標にしている。

SEMATECHのシニア・テクノロジストであるTexas Instruments社Shane Palmer氏は、次のように語っている。「最先端の液浸ツールは、今まさに開発されているところであり、液浸リソグラフィーをどこまで利用できるかはモデリング技術にかかっています。液浸分野の更なる開拓を可能にするOPCモデルの開発でシノプシスのツールは実質的な成果を挙げています。セマテックのプロジェクトは、ツール群が高屈折率の液、1.3を超えるNAおよび完全な偏波制御を採用する次世代の液浸スキャナーに対応できるようにすることを目的としています。セマテックのメンバー企業はこれらの結果を踏まえて十分な情報を得た上で、最先端テクノロジ向けのイメージ・ツールに関する決定を行うことができます。」

液浸リソグラフィー・システムでは、液侵液(純水など)を露光ツールの映写レンズとウエハの間に設置し、液の屈折物性を用いることによりドライレンズ・システムよりも高い解像度のイメージを作成できる。さらに、液浸技術は1以上のNAのレンズの設計を可能にし、さらなる解像度の向上が期待できる。高い製造歩留まりを実現するための設計正確性の検証、OPCの実行、そして超解像技術(RET)の追加には、このような高NA映写システムで発生する光の歪みの正確なモデリングが必須となる。

シノプシスのOPCツールProteusは、フォトマスクを通した際の電磁波の回折や散乱のシミュレーションを可能にし、高速かつ正確なモデリングを提供する。さらに、液浸リソグラフィーで必要となる各種モデリング手順を通して進化する柔軟性も提供している。結果として得られたシリコンのイメージにより、プロセス開発者は、プロセスの予測性と歩留まりのさらなる理解が可能となる。

シノプシス シリコン・エンジニアリング・グループ DFM担当副社長のAnantha Sethuramanは、次のように述べている。「45nmノードでの正確かつ高速なOPCモデリングに対する要求が急速に高まっており、シノプシスとセマテックは力をあわせてその要求に応えてまいります。今回のプログラムは、シノプシスの包括的なDFMソリューションをセマテックのような最先端研究者と結び付けることにより、液浸リソグラフィーといった高度な技術を進化させ、お客様が45nm以降のプロセスノードで生産目標と歩留まり目標を達成できるよう支援することを目的とする多数の共同プロジェクトのひとつであると考えています。」

シノプシスのDFMソリューションについて
シノプシスは、RTL設計からマスク製造までサポートできる業界で最も包括的なDFMソリューションを提供している。シノプシスのDFMツール・ファミリーは、製造性確保、歩留まり向上といった重要な課題を解決するソフトウェア製品群である。シノプシスのDFMツール・ファミリーは、フィジカル検証ツールHercules、OPCツールProteus、マスクデータ・プレパレーションに用いるCATS、リソグラフィー検証ツールSiVL、マスク検証ツールi-Virtual Stepper、特許取得済みPSM(Phase Shift Mask)テクノロジ、プロセス・デバイス・シミュレーションのためのTCADツール群から構成される。シノプシスのDFMソリューションは、65nm以降の設計で目標とする歩留まりを達成するために、設計フロー全体を通して設計と製造データをインテリジェントに使用するシステマティックなアプローチを採用している。

セマテックについて
セマテック(SEMATECH)は、半導体製造に関する技術革新の商業化の促進を目的とするコンソーシアムである。業界全体の方向性を定めて、容易な協業を可能にし戦略的な研究開発を実施することにより、セマテックは半導体企業と新しいテクノロジー・パートナー双方に利益を提供している。すなわち、セマテックは次の技術革命を加速している。詳細な情報は、www.sematech.orgより入手可能。
SEMATECH、SEMATECHのロゴ、AMRC、Advanced Materials Research Center、ATDF、ATDFのロゴ、Advanced Technology Development Facility、ISMIおよびInternational SEMATECH Manufacturing Initiative は、SEMATECH, Inc.の商標である。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア(EDAツール)の世界的リーダである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産(IP)やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。

将来の予測に関する声明
本リリース文の内容には、最先端の光学近接効果補正(OPC)モデルの開発を行う共同プログラムで期待される利益に関する声明など、Securities Exchange Act(1934)のSection 21EのSafe Harbor規定に基づく予測的声明が含まれている。これらの内容は、シノプシスとセマテックの現在の予測と所信に基づくものである。モデルの開発完了までに発生しうる予測し得ない困難、新規の共同技術開発プロジェクトに伴う不確定要因、その他2005年7月31日に終了した四半期のForm 10-QシノプシスQuarterly Report の “Factors That May Affect Future Result” 章に含まれる要因のため、実際の結果はその内容と大いに異なる場合がある。

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Synopsys, CATSおよびSiVLは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Herculesおよびi-Virtual Stepperは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス株式会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780 FAX: 03-5746-1781