ニュースリリース - 2005年6月15日

シノプシス、業界各社によるLiberty Composite Current Source (CCS) - ライブラリ・モデルのサポートを発表

 

ARM社、TSMC社、Virage Logic社、Library Technologies社が

CCS対応の90nmライブラリ関連技術のサポートを加速

2005年6月14日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、ARM社、TSMC社、Virage Logic社、Library Technologies社が、各社の提供する半導体設計向けIP関連製品で、シノプシスのオープンソースLiberty Composite Current Source (CCS)モデルをサポートすることになったと発表した。CCSテクノロジを用いることにより、回路シミュレータHSPICE比で誤差2%以内という高精度な遅延計算が可能になり、Galaxyデザイン・プラットフォームを用いて開発するデザインの品質向上と開発期間短縮を実現できるためである。

ARM社 フィジカルIPマーケティング担当副社長 Neal Carney氏は次のように語っている。「当社は、シノプシス社と長期に渡って戦略的提携関係を継続しており、両社共通のお客様に最先端の設計ソリューションを共同で提供しています。我々は、数多くのファウンドリやそのプロセステクノロジをサポートする当社製品にLibertyモデルを組み込み、Liberty CCSモデルを生成するためのキャラクタライゼーション技術基盤を開発してきました。このモデルは、先進のプロセス・テクノロジやARM Intelligent Energy Manager(IEM)技術のような最新のデザイン・アーキテクチャをサポートすることにより、より高精度かつ効率的な電圧変動への対応を可能にしています(訳注:IRドロップなどによって生じた電圧変動を高精度かつ効率的に取り込んだ正確な遅延計算を可能にしています)。TSMC社90nmm GTプロセス対応のARM Artisan SAGE-Xスタンダードセル・ライブラリ向けCCSモデルは、すでにベータ・カスタマによるダウンロードを開始しています。」

TSMC社 デザインサービス・マーケティング担当シニア・ディレクター Edward Wan氏は次のように語っている。「Current-source(電流ベース)モデリング技術により、ナノメータ・デザインで発生するエレクトニクス現象を効率的に把握できるようになります。当社でCCSモデルを評価した結果、この技術はミラー・キャパシタンスや内部配線効果を高精度にモデリングできることがわかりました。当社のライブラリ開発部門では、この新技術を改善し活用していくためにシノプシス社と緊密に協業しています。これにより、設計品質を向上し、インプリメントとサインオフ検証の整合性を改善できるようになるからです。」

CCSモデル情報を取り込めるTSMC社の90nmライブラリ Nexsysは、2005年の第3四半期に提供開始予定である。ナノメータ・デザインで発生するエレクトニクス現象に対処するためには、従来、設計者は設計マージンを多めにとって、その影響を回避するしかなかった。しかし、今日用いられている最先端のプロセス構造やデザイン構造では、この方法は開発コストを大幅に増加させる要因となる。CCSは、詳細なRC情報に基づいた高精度なゲートレベル遅延計算を実現できる画期的な新技術である。特許申請中のこのCCSテクノロジにより、各ライブラリ・セルに対してトランジスタレベルのドライバやレシーバの特性を効果的にモデル化できるようになる。CCSモデルは、回路シミュレーション結果との相関性が最も高く、セル遅延やノイズ、パワー、変動現象の状況を正確にモデル化するための共通基盤となるものである。CCSテクノロジを用いることにより、設計者は設計マージンを最小限に抑えた上で、より小さい面積でより高性能なチップを開発できるようになる。

Virage Logic社 ビジネス・デベロップメント&プラットフォーム製品マーケティング担当シニア・ディレクター Brani Buric氏は次のように語っている。「CCSは、当社の半導体IPプラットフォーム IPrima FoundationならびにIPrima Mobileが要求する精度と柔軟性を兼ね備えたモデルです。我々は、シノプシス社との協業を通して、両社共通のお客様に対してナノメータ設計ならではの複雑な機能を実現するための統合ソリューションを提供できることを喜ばしく思っております。CCS対応の90nmライブラリは、今年の第3四半期にご提供を開始する予定です。」

Library Technologies社 CEO Mehmet Cirit氏は次のように語っている。「CAD部門を担当されているお客様方は、高精度なモデルを効率的に生成するためのライブラリ・キャラクタライゼーション・ツールを求めてらっしゃいます。我々は、シノプシス社とのパートナーシップを通じてオープンソース・ライブラリLibertyのCCSモデルをサポートできるようになったことを喜ばしく思っています。これによって、キャラクタライゼーション実行時間を増加させることなく、HSPICEとの誤差2%以内という高い精度でモデルのキャラクタライゼーションが可能になるからです。」

シノプシス インプリメンテーション・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Antun Domicは次のように語っている。「Libertyは、今日業界内で広範囲に渡ってサポートされているオープンソースのライブラリ・フォーマットです。CCSモデルは、Libertyのメリットを拡張し、90nm以降のデザインでは避けては通れないナノメータ・デザインで発生するエレクトニクス現象を、より高精度にモデリング可能にしました。我々は、ARM社、TSMC社、Virage Logic社、Library Technologies社のような、業界を代表するファウンドリ、IPプロバイダ、キャラクタライゼーション・ソリューション・プロバイダ各社と協業することにより、各社と共通のお客様に対して最先端のツールや設計フローや実証済みライブラリをご提供して参ります。」


シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア(EDAツール)の世界的リーダである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産(IP)やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。

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Synopsys、HSPICEは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
GalaxyならびにLibertyは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス株式会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780 FAX: 03-5746-1781