ニュースリリース - 2005年6月15日

半導体理工学研究センター(STARC)が、STARCAD-21設計フローの 90ナノメータ設計向け低消費電力ソリューションにシノプシスの革新的技術を標準採用


Galaxyデザイン・プラットフォームにより、SoCデザインの消費電力50%削減

2005年6月14日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームが、半導体理工学研究センター(以下STARC)が提供するSTARCAD-21のシノプシス・ベース設計フロー Ver.2.0に統合されたと発表した。この設計フローは、すぐに実設計に使用できるプロダクション・ユースの設計フローであり、低消費電力設計を実現する完全なRTL to GDSⅡソリューションを提供している。このSTARCの最新の設計フローには、シノプシスの超低消費電力設計テクノロジが組み込まれている。この設計フローの有効性を実証するため90nm SoCテストチップで評価したところ、STARCでは、Galaxyベースの設計フローが提供する最先端のローパワー・デザイン技術により50%もの消費電力削減を確認した。これらの結果が示すように、STARCならびにシノプシスのお客様は、次世代の低消費電力設計にこのフローを適用できるようになった。


STARC社 設計技術開発部 メソドロジ開発室 室長 西口信行氏は次のように語っている。「当社のメンバー企業各社様では、世界クラスの高度な低消費電力設計環境を必要とされています。そこで我々は以前に引き続いてシノプシス社と協業し、すぐに使っていただけるSTARCAD-21 シノプシス・ベース設計フロー Ver.2.0の開発に取り組んで参りました。シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームは、完全に自動化された設計フローの中で非常に先進的な各種の低消費電力技術を提供しており、我々のデザインに対して、消費電力が低く、かつ最高性能というベストな組み合わせを実現してくれます。我々は、Galaxyが最も低消費電力化の要請の厳しいデザインに対しても実現する最速の設計収束と一貫した設計品質に感銘を受けました。」

STARCAD-21フローを使用している設計者は、Galaxyデザイン・プラットフォームが提供している、ワイヤレス/モバイル/デジタル家電/コンピュータ/ネットワーク市場向けのアプリケーション・ドリブン・ローパワー・テクニックのあらゆる機能を活用できるようになった。このフローは、タイミング/面積/歩留まりといった設計品質を最大限に実現しつつ消費電力を大幅に削減するために、Galaxyの完全なRTL to GDSⅡ設計プラットフォームをベースに開発されている。今回STARCAD-21が提供を開始する新しい機能は、Galaxyがもつ主要な革新的技術からなっている。すなわち、機器のスタンバイ・モード時のリーク・パワー削減に高い効果を発揮するマルチ・スレッショルド最適化ならびにパワーゲーティング(ディープスリープ・モード、電源遮断モードへの対応)テクニック、そしてダイナミック・パワーを削減するためのマルチ・ボルテージ・テクニックである。これらの最先端ローパワー・テクニックの活用は、RTLシンセシス、デザイン・プランニング、フィジカル・シンセシス、クロックツリー・シンセシス、配線、サインオフ検証という一連の設計フロー全体を通じて完全に自動化されている。

西口氏は、さらに次のように語っている。「何社かのメンバー企業は、このGalaxy ベースのSTARCAD-21 シノプシス・ベース設計フロー Ver.2.0を早速採用しており、この成果に我々は満足しています。このプロダクション・ユースの設計フローはGalaxyデザイン・プラットフォームをベースにしていますので、STARCメンバー企業の皆様には、各社の最先端の低消費電力製品開発にあたって、実証済みかつ自動化されたRTL to GDSⅡ設計環境をご活用いただけるようになりましたと確信を持ってご報告できます。」

シノプシス インプリメンテーション・グループ 上級副社長兼ジェネラルマネージャー Antun Domicは次のように語っている。「シノプシスとSTARC社は、完全なRTL to GDSⅡローパワー設計フローを提供するために緊密に協力してきました。これは、日本の主要な半導体企業各社にとって特に重要な機能だからです。今回のSTARCAD-21設計フローによって、お客様はGalaxyデザイン・プラットフォームがご提供しています最先端のローパワー設計テクニックをご活用いただけます。そして、市場競争力のある低消費電力製品を消費者ニーズ迅速に対応して短期間で市場投入できるようになるのです。」

STARCのSTARCAD-21 シノプシス・ベース設計フロー Ver.2.0について
RTLシンセシスからフィジカル設計そしてサインオフ検証を網羅したGalaxyデザイン・プラットフォームは、STARCのSTARCAD-21プロダクション・ユース設計フローの中核である。設計検証に用いられるシノプシスDiscoveryベリフィケーション・プラットフォームならびに業界で最も広範囲に渡って使用されているIPライブラリ DesignWareも、このフローにとって不可欠な要素となっている。シノプシスのプロフェッショナル・サービス・グループは、このSTARCAD-21プロダクション・ユース設計フローに関する専門知識を有しているため、このフローのユーザー様が採用される際のアシストならびに設計サポートをご提供できる。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア(EDAツール)の世界的リーダである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産(IP)やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。

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SynopsysならびにDesignWareは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
GalaxyならびにDiscoveryは、Synopsys, Inc.の商標です。
その他の商標や登録商標は、それぞれの所有者の知的財産です。

<お問い合わせ先>

日本シノプシス株式会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
TEL: 03-5746-1780 FAX: 03-5746-1781