ニュースリリース - 2005年6月8日

東芝、SoC研究開発センターにてシノプシスのIC Compilerを採用


IC Compilerで開発期間を短縮し、かつ性能も10%向上

2005年6月7日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス(Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS)は本日、情報通信機器/民生機器/重電機器の大手企業である株式会社東芝(以下、東芝)がSoC研究開発センターにてシノプシスのIC Compilerの採用を決めたと発表した。IC Compilerは、2005年3月に開催されたシノプシスのユーザー会で発表されたばかりの新しいツールである。その場では、IC Compilerの早期ユーザー4社からの発表も行われた。IC Compilerは、次世代のフィジカル・インプリメント・システムであり、シノプシスのGalaxyデザイン・プラットフォームの中核となるツールである。IC Compilerに組み込まれているXPS(extended physical synthesis)テクノロジにより、全配置配線工程、サインオフ検証準拠のインプリメント工程、歩留まりを考慮した最適化工程に渡ってフィジカル・シンセシスを一貫して実行可能になる。

東芝 セミコンダクター社 SoC研究開発センター デジタルメディアSoC技術開発部 部長 松井正貴氏は、次のように述べている。「IC Compilerは、シノプシスが提供しているPhysical Compiler以来の、画期的なテクノロジだと思います。当社では、IC Compilerを用いてクロックスピードを10%も向上させつつサインオフとの相関性も大幅に向上することができ、その結果タイミング収束に要する期間を短縮することができました。この結果を受けて、我々はIC Compilerを次世代の90ナノメーターSoC開発に使用していく事に決めました。」

東芝では、より短期間でタイミング/面積/パワー/シグナルインテグリティ/歩留まりなどの問題を解決できるフィジカル・インプリメンテーション・ソリューションを必要としていた。そこで東芝のSoC研究開発センターは、IC Compilerの適用にあたってシノプシスと緊密に協業し、自身の400MHz 90nmデザインを用いてIC Compilerの性能評価を行った。IC CompilerのXPSテクノロジがもたらしたのは、クロックスピード10%向上であり、インプリメンテーション結果とサインオフ検証結果との高度な相関性という成果であった。さらに、IC Compilerを東芝の既存の設計フローへ組み込む作業も非常に容易に行えた。この満足できる評価結果を受けて、東芝のSoC研究開発センターでは、IC Compiler を用いてMeP(Media embedded Processor)を組み込んだ90nm SoCの開発を行っていく予定である。

シノプシス 上級副社長兼ジェネラル・マネージャー Antun Domicは、次のように述べている。「東芝様は、ハイテク分野での世界的なリーディング・カンパニーであり、そのチップには、まさに最先端のデザインが施されています。IC CompilerのXPSテクノロジは、こういった先進のニーズに対応すべく開発されています。我々は、東芝様が、競争力優位性を確保するためにIC Compilerを積極的に活用している早期ユーザーの1社に加わられたことを誠に喜ばしく思っています。」

IC Compilerについて
IC Compilerは、シンセシス/タイミング/配置/配線/リソグラフィ/サインオフ検証といったシノプシスのコア・テクノロジと、フィジカル・デザインのための革新的なテクノロジを活用して、卓越した設計結果を実現する。現行のソリューションは、個々のフィジカル・デザイン工程の単一実行環境への統合は実現しているものの、配置/クロックツリー・シンセシス/配線は切り離された個別工程として実行しなければならないという限界に直面している。また、歩留まり最適化工程とサインオフ検証にも異なったステップを踏まなければならない。IC Compilerは、革新的な最適化技術、歩留まり向上技術、タイミング/シグナルインテグリティ・サインオフ技術により、フィジカル・デザインの統合実行環境を実現。XPSテクノロジが、現行ソリューションのボトルネックとなっている配置/クロックツリー・シンセシス/配線間の壁を取り払い、フィジカル・シンセシスを全配置配線工程に渡って一貫して実行可能にしている。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア(EDAツール)の世界的リーダである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産(IP)やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。

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Synopsys、Physical Compilerは、Synopsys, Inc.の登録商標です。
Galaxyは、Synopsys, Inc.の商標です。
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日本シノプシス株式会社 フィールド・マーケティング・グループ 藤井 浩充
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