Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~

公開日:2023年6月2日

RSoft™ Photonic Device Tools(以下、RSoft)は、フォトニック デバイスおよびシステムを設計するための最も包括的で、高精度な光学ソルバーを提供します。2023年3月にリリースされた新バージョン2023.03では、自動メタレンズ設計だけでなく、光電子デバイスや照明システムのマルチフィジックスシミュレーションに対するプラットフォームの機能も拡張されています。

強化されたメタレンズ設計

シノプシスは、ユーザーが指定した設計基準をもとに、最適なパフォーマンスを実現するメタレンズ/メタサーフェスを生成する独自の逆設計ツールMetaOptic Designerをアップデートすることで、効率的なメタレンズ開発を実現し続けます。MetaOptic Designerは、光学およびフォトニクスの国際学会であるSPIEが主催するPrism Awardsにおいて、フォトニクス分野でのイノベーションを評価され、2023年のファイナリストに選出されました。

MetaOptic Designer

MetaOptic Designerによるメタレンズレイアウトを生成

本ツールはバージョン2023.03で機能強化され、CODE Vで設計された屈折レンズをインポートできるようになりました。携帯電話のレンズシステムなど、メタレンズと屈折要素を組み合わせたハイブリッド光学系を最適化する際に有効な機能となります。

製造性や製造コストを考慮しながら性能を実現する強力な非球面設計能力を備えているCODE Vにより設計された非球面レンズを効果的に使用することで画質の向上が期待でき、例えばCODE VのQタイプ非球面は優れた設計最適化と公差を可能にします。

CODE Vで設計されたレンズは、3種類のフォーマットでMetaOptic Designerに読み込むことができます。

  • CODE V非球面係数
  • CODE V Qcon非球面係数
  • すべての面情報を含む CODE Vシーケンスファイル

 

その他のMetaOptic Designerのアップデートは以下の通りです。

  • RSoft CAD Environmentから材料をインポートする機能の強化。既存の材料やユーザー定義ライブラリ材料を直接使用することができます。
  • 光学系および、その材料や屈折率を新しいプレビューオプションで視覚化することができます。これにより光学系の製造可能性を確認することができます。
  • メタレンズの設計が完了、製造の準備段階に入りましたら、INDおよびGDSレイアウトファイルにエクスポートすることになります。新バージョンでは、INDとGDSのレイアウトファイルを別々に生成することにより、処理時間を短縮できるようになりました。製造要件に応じて、片方または両方の形式を生成することができます。
  • 透過型メタレンズに加え、反射型メタレンズの設計が可能です。この機能により、設計した透過型メタレンズからの反射を確認したり、その逆を行うこともできます。
  • 強度だけでなく、位相プロファイルも最適化の対象とすることができます。この機能により、位相に敏感なアプリケーションのためのメタレンズを設計することができます。

マルチフィジックスシミュレーション用のTCADインターフェイス

RSoftは、シノプシスTCAD製品に組みこまれて、複雑な光電子デバイスのシミュレーションを多角的に行うことができます。固有のファイル・フォーマットを使用して効率的で強固な解析を実現する双方向のインターフェイスにより、面倒なファイル・フォーマットの変換を必要としません。位相シフター、光検出器、CMOSイメージセンサなど、マルチフィジックス・シミュレーションが特に有効なアプリケーションになります。

今回の新バージョンでは、Sentaurus 2022.12で光学シミュレーションに使用される新しいTDRフォーマットのサポートや、デザインファイルとシミュレーションスクリプトの作成を支援する新しいRSoft TCAD Wizardなどのインターフェースがアップデートされました。

rsoft-photonic-device-tools-synopsys-tcad

RSoftとシノプシスTCADのインターフェース は、位相シフター、光検出器、CMOSイメージ・センサーなどの高精度なシミュレーションに有効です。

BSDF解析の高速化

シノプシスは、ディスプレイや没入感を向上させるAR/VRデバイスの小型軽量化を実現するナノテクスチャー回折光学素子の光学設計ワークフローを提供しています。

このワークフローには、LightToolsとRSoft間のシームレスなインターフェイスが備わっており、AR/VRモデル内の光学部品や機械部品を光が通過する際の仮想プロトタイピングや、RSoftによるナノテクスチャーの光学構造の高速かつ厳密なモデリングが可能です。LightToolsとRSoftは、双方向散乱分布関数(BSDF)データを共有する独自のマルチドメインシミュレーションにより、AR/VRデバイス設計者が優れた光抽出効率、ビーム整形、カラーチューニングを実現できるように支援します。

RSoftの新バージョン2023.03では、LightTools内でシングルスレッド使用時のRSoft BSDFのユーザー定義の光学プロパティのパフォーマンスが改善され、処理速度が最大で2倍向上します。

入手方法

RSoft 2023.03はすでに提供開始しております。保守契約が有効なお客様は、ユーザーサポートサイトSolvNetPlusから本バージョンをダウンロードできます。

関連情報

RSoft 2023.03で強化されたその他の機能については、以下のコンテンツをご覧ください。

【一般公開コンテンツ】

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