Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~

公開日:2023年9月28日

メタレンズとはどのようなものかご存知でしょうか? メタレンズはその表面特性によって光をコントロールすることができ、レンズを平らで薄くすることができます。球面収差は問題にならず、これらの特殊レンズはかさばる曲面レンズの代わりになります。これにより、装置内のレンズの数を減らし、イメージング、センシング、ディスプレイアプリケーション用のコンパクトなレンズシステムを作ることができる可能性を秘めています。

数年前、サムスン電子社はメタレンズと屈折レンズを組み合わせて、100メガピクセルを超えるスマートフォン用カメラセンサーを開発しました*1。また、メタレンズは、電気自動車のカメラのような撮像システムの大幅な小型化への道を開くものであり、電話やその他のさまざまなマイクロカメラ・アプリケーションにも使用できます*2。

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さらに、アメリカの研究者は、一般的な半導体製造プロセスを使用して、大口径の平板メタレンズを製造しました。これは単純な望遠鏡の対物レンズとして使用され、優れた解像度を達成し、月面の鮮明な画像を生成することができました*3。

しかし、メタレンズは、光学システムのサイズを縮小する上で有望な進歩ではありますが、設計と製造の両面で課題があります。

メタレンズの課題のひとつは、光を局所的かつコヒーレントに変調するため、メタアトムと呼ばれる数百万の可変サブ波長ユニットセルを持つメタレンズを設計するには、設計経験と基礎物理学の深い理解が必要であることです。またメタレンズの設計には、定義されたレンズ位相プロファイル、メタアトム・ライブラリ、メタレンズ表面上のメタアトムのレイアウトが必要となります。 次に、光学設計者は、構築されたメタレンズのシミュレーションを行い、その性能を評価する方法を見つけなければなりません。

もしメタレンズ設計を手作業で行う場合、そのアプローチはあらかじめ定義された位相プロファイルに依存しますが、メタアトムの伝達関数は波長、入射角度、偏光が異なると変化するため、一定の入射条件に対してのみ有効となります。つまりは、特定の入射条件で最適化された位相プロファイルは、他の入射条件では有効ではありません。その結果、広いスペクトル範囲に対応するアクロマティックレンズや、広い入射角度に対応する広視野角(Large FOV)レンズなど、複数の機能を備えたメタレンズの設計は非常に困難となります*4。

では、エンジニアがメタレンズ設計を迅速かつ容易に設計でき、また自動化できるユーザーフレンドリーな設計ツールはないでしょうか?逆設計機能を備えた自動化フローの開発には世界中でかなりの取り組みがなされている中、シノプシスはメタオプティクス用の逆設計機能を提供する初の完全自動化市販ツールMetaOptic Designerを開発しました。最適化アルゴリズムはよく知られたアドジョイント法を採用しており、数百万の設計変数を容易に扱うことができます。

MetaOptic Designerでメタレンズの設計を行うには、ユーザーは光学系のレンズセットとそれぞれのBSDFデータベース、さらに希望するターゲットパターンと焦点距離を指定します。 次に、ツールが各メタサーフェスにわたって設計パラメータを決定し、図1に示すようにGDSと最適化結果をエクスポートします。

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図1:MetaOptic Designerの概要

これにより、光学設計者は、メタレンズの設計において、必要最小限の入力で、劇的に簡素化され、より迅速な設計ワークフローを実現することができます。

では、メタレンズは業界に革命をもたらすでしょうか?ペンシルバニア州立大学の主任研究者Xingjie Niは、メタサーフェスは光学のゲームチェンジャーになりうると考えているようです。なぜなら、その前例のない光の操作性が、次世代の光学システムの強力な選択肢になるからです。 ナノスケールでは、メタレンズは、酸化亜鉛薄膜を用いた複雑なナノ構造から、直径2ミクロン以下の小さなスポットに真空紫外光を集光するのにも使用できます*5。

コンパクトなレンズシステムの需要があり、メタレンズが組み込まれる設計が増えることは間違いありません。今、私たちは、あらゆるレベルの専門知識を持つ設計者が、正確な最適化結果とともに、斬新なメタレンズ設計を迅速かつ容易に作成できる道を開くと信じています。

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