QuantumATK – ニューリリースノート

QuantumATK S-2021.06のリリースを発表します。このQuantumATK原子スケールモデリング・プラットフォームの最新版では、処理性能の向上だけでなく多数の新しいエキサイティングな機能を搭載しました。

サービスパックQuantumATK S-2021.06-SP1 (bugfix update)が2021年9月7日にリリースされました。メンテナンスサービスを受けておられるお客様SolvNetPlusから、QuantumATK S-2021.06-SP1、リリースノートのダウンロードが可能です。

機械学習(Machine-Learned (ML))力場関数Moment Tensor Potentials (MTPs)

  • DFTと比較して100-1000倍高速: 複雑な多元素結晶、アモルファス材料、界面などの現実的な構造の生成。欠陥やドーパントの移動障壁、熱輸送、結晶化の計算。
  • MTPはシステマティックに精度を向上
    • 第一原理計算のデータセットに基づいてトレーニング
    • 最も正確かつ効率的な商用MLポテンシャルの1つ。第一原理計算と同等の精度を実現。
    • 従来型のポテンシャルが未実装の場合、或いはより高精度を求める場合にMTPは便利。
  • 分子動力学(MD)シミュレーション中にDFTトレーニングデータを自動的に追加するアクティブラーニングMTPシミュレーションも実装。 
    • 特に高温の場合、アモルファスや液体のリアルな構造の取得が可能。
  • SiのMTPは実装済み、使用可能。新規の材料や問題に対しては、自動化されたワークフローを用いてMTPのトレーニングとシミュレーションが可能。
  • Use MTPs with MD, nudged elastic band and accelerated MD methods, such as force-bias Monte Carlo, now also with pressure control, to sample rare events and unlock slow mechanisms. 

複雑な半導体材料、界面、およびゲートスタック

  • ML MTPを用いて、結晶、アモルファス材料、界面、ゲートスタックなどのリアルな構造の生成や、ドーパント拡散、熱輸送、結晶化のシミュレーションなどが可能 
    • アモルファスHfO2、GST相変化材料、HKMGスタックなど例題
  • 誘電体依存ハイブリッドHSE06(HSE06-DDH)法による高速・高精度な電子状態計算が可能な系: バンドギャップの異なる複数の層で構成される材料、界面、およびゲートスタック(例えばHKMG)構造 
    • HSE06-DDH法では、界面系を成す各材料の電子密度に基いて、材料ごとに交換項の混合割合を最適化
    • LCAO基底関数系を使用して、効率的な大規模シミュレーションが可能
  • HSE06-LCAOにおいて、ストレスやスピン分極を加味した構造最適化が可能に 
    • HSE06-PlaneWaveと比較して、電子状態の高精度な大規模シミュレーションが遥かに高速
  • 局在化した状態を分析するたのinverse participation ratio (IPR)分析オブジェクトを実装
    • HKMGや3D-NANDメモリスタックなど、欠陥、アモルファス、表面、界面、から成る系に対する、電子状態および振動状態の分析に便利
  • 射影DOS、局在DOS、および射影局在状態密度のアナライザーにて、バンド端のプロットが可能
  • 欠陥とドーパントのシミュレーションが改善 
    • 欠陥の移動経路に関する設定が簡単に行える
    • 拘束条件と点欠陥対称性を考慮して、欠陥拡散シミュレーションの計算コストを削減(例えば、HKMGスタックの界面における計算で)

1D & 2D材料 FETs

  • 新規実装のHSE06-NEGF法を用いれば、より正確なバンド構造とデバイスのI-V特性の計算が可能(PBE-NEGFと比較して)
  • 半経験的手法の使用時、輸送方向に関してディリクレ境界条件を使用すれば、ノイマン境界条件を使用するよりも、より正確な電子状態計が可能
  • ゲート付き・真空領域のあるデバイスのシミュレーションにおいて、不均一グリッド使用の新規実装ポアソンソルバーを使用すれば、計算速度が最大80%高速に(並列共役勾配(PCG)ソルバーと比較して)

新規STT-MRAMメモリ設計

  • ML MTPに基づき、MRAMの磁気トンネル接合のリアルな界面構造の構築、エネルギーの計算が可能
  • ハイゼンベルク交換相互作用、交換剛性、キュリー温度などの磁気的特性
  • ハイゼンベルグ交換の計算が10-100倍高速に。ノンコリニアおよびスピン軌道相互作用の計算も可能に
  • 計算コストの大きい磁気異方性エネルギー射影シミュレーションにおいて、計算速度が60倍高速に、メモリを70%削減

高度な表面プロセスシミュレーション

  • 強化された表面プロセスシミュレーション・モジュール: 衝突原子に関して、様々な衝突エネルギーおよび入射角をスキャン。スパッタリング、エッチング(ALE)、および堆積(ALD)の収率最大化のための条件探索。
  • 形状シミュレーションとリアクタースケールモデルに必要な、スパッタ率と付着係数を計算 
    • 新規のグリッドデータビジュアライザーで、計算したスパッタ率と付着係数をプロット
  • 熱化学選択性解析ツール: GUIに新規実装。プロセスにおけるの重要な反応をスクリーニングし、プロセスに最適な反応物と反応条件を探索。 
    • 熱化学データベースを利用して反応物や生成物を指定

電池材料のモデリングと設計

構造構築

  • 分子表面吸着プラグイン(改良版)、ナノ粒子電極の作成が可能なナノ粒子ビルダー(新規)
  • 移動、測定、および原子ラッピングツールの改良

古典的力場関数によるシミュレーション

  • 結合型ポテンシャルである、OPLSポテンシャル(一般的の電解質用)およびOPLS-Minポテンシャル(電荷のカスタム設定可能、単純なタイプ割り当て)を新規実装
  • 結合型ポテンシャルのGUIによる設定: 二面角のポテンシャルを含む、ポテンシャルの全ての項を編集可能
  • 固体電解質相(SEI)の大規模MDシミュレーション: 3倍高速になったReaxFFを使用。もしくは結合型ポテンシャルと従来型ポテンシャルをGUIから組み合わせて使用。
  • 静電場相互作用モデル化のための部分電荷の設定とシミュレーションを、GUIを用いて簡単に
  • MD計算の結果からの振動スペクトルを計算、液相での分子相互作用と溶媒和を分析
  • 電極表面の反応をモデル化するための表面プロセスモデリングおよび熱化学解析ツール

密度汎関数法によるシミュレーション

  • HSE06および新規実装のPBE0、B3LYP、B3LYP5など、ハイブリッドDFT汎関数を使用すれば、より正確な電子状態、結合エネルギー、および拡散障壁が計算可能
    • 原子数値(LCAO)基底関数系は平面波基底関数系より100倍高速。適度なハードウェアでも非常に効率的な大規模シミュレーションが可能。
  • DFT-NEGFのcounterpoise補正により、結合エネルギーと吸着サイトのより正確なモデリングが可能

ポリマーのモデリング

  • GUIから結合型ポテンシャル(OPLS-AA、OPLS-Min、Dreiding、UFF)の指定、編集が可能。ポリマーシミュレーションの設定がより便利に。
  • 結合型ポテンシャルと従来型ポテンシャルをGUIにて組み合わせることが可能。ポリマー/無機物、ポリマー/ナノ粒子といった界面のより正確なシミュレーションが可能。
  • QEq法を用いて、分子イオンから(フォトレジスト)ポリマーをグラフィカルに構築してシミュレーション。
  • ポリマー構築のワークフローにおいて、融合原子(united atoms)、即ち、炭化水素の水素原子を炭素原子に入れ込む近似の利用を、GUIから指定可能。ポリマーシミュレーションを加速。

QuantumATK S-2021.06のご利用について

メンテナンスサービスを受けておられるお客様SolvNetPlusから、QuantumATK S-2021.06、リリースノート、およびインストールガイドのダウンロードが可能です。

追加リソース

QuantumATKの詳細について

QuantumATKにご興味のある方は、詳細について、こちらのサイトから、もしくはquantumatk-japan@synopsys.com までお問い合わせください。