QuantumATK-原子シミュレーション機能一覧

原子数値基底関数(LCAO)展開を用いる密度汎関数法(DFT)

  • コンパクトな台をもつ数値的原子軌道基底関数系
  • ほぼ全元素に対し最適化済みの基底関数系を低、中、高の3種類の精度で用意
  • ノルム保存型Troullier-Martins擬ポテンシャル
    • 周期律表のほぼ全元素に対するFHI/SG15/PseudoDojo擬ポテンシャルをsemi-core部分を含め実装
    • 擬ポテンシャルPseudoDojoとSG15は完全に相対論的
  • 400種類にのぼるLDA/GGA/MGGA交換相関汎関数をlibXCよりインポート
  • DFT汎関数のユーザー定義・追加が可能
  • GGAやLDAよりもエネルギーに関する計算を大幅に改善するMetaGGA SCAN汎関数
  • 半導体および絶縁体のバンドギャップを正確に計算する手法
    • MetaGGA (TB09)汎関数
    • DFT+1/2法 (DFT: LDA, GGA, MetaGGA, SCAN)
    • Shell DFT-1/2法のGGA-1/2パラメータは編集可能
    • 経験的"擬ポテンシャル射影シフト"法 (SiとGeに対するパラメータは実装済み)
  • バルク、界面、ゲートスタックの正確な電子状態計算のためのハイブリッド汎関数
    • HSE06, B3LYP, B3LYP5, PBE0
    • 誘電依存ハイブリッド汎関数HSE06-DDHは、交換項の混合割合を電子密度に基づき材料および位置の関数として自動計算
      • 半導体、絶縁体、および金属に使用可能
    • 大規模シミュレーション: LCAO基底関数系の利用により、系のサイズとk点数に対して計算効率は線形にスケーリング
      • 補助密度行列法[Auxiliary Density Matrix Method (ADMM)]は2~20倍高速。小さな基底関数系の計算コストで大きな基底関数系の精度を得ることができる。
  • Van der Waalsモデル (DFT-D2およびDFT-D3) (LDA、GGA、およびハイブリッド凡関数で利用可能)
  • ノンコリニア、制限および非制限スピン分極に関する計算
  • スピン軌道相互作用
  • LDAおよびGGA汎関数における(スピン依存) Hubbard U項
    • "Dual", "on-site"および "shell-wise" モデル
  • 基底関数重なり誤差[basis set superposition errors (BSSE)]に対するcounterpoise (CP)法がバルクおよびデバイス(NEGF)に対する計算で利用可能
  • 表面や欠陥をより高精度に描述するためのゴースト原子(真空基底関数系)
  • 仮想結晶近似[Virtual crystal approximation (VCA)]
  • フォースおよびストレスの解析的計算
  • フラグメント法による線形スケーリングDFTにより大規模系(原子数10,000以上)の効率的な構造緩和が可能(プレビュー版)
  • MPI並列処理、OpenMP並列処理、およびOpenMP/MPIハイブリッド並列処理

平面波基底関数(PlaneWave)展開を用いる密度汎関数法(DFT)

 
  • PlaneWaveのカットオフのデフォルト値を全元素に対し適切に設定
  • ノルム保存型Troullier-Martins擬ポテンシャル
    • 周期律表のほぼ全元素に対するFHI/SG15/PseudoDojo擬ポテンシャルをsemi-core部分を含め実装
    • 擬ポテンシャルPseudoDojoとSG15は完全に相対論的
  • Projector-augmented wave (PAW) 擬ポテンシャル
    • LDA/GGAに対するGPAWデータセット
    • LDA/GGAに対するJTHデータセット (ランタノイドも含む)
  • 400種類にのぼるLDA/GGA/MGGA交換相関汎関数をlibXCよりインポート
  • DFT汎関数のカスタム・追加が可能
  • GGAやLDAよりもエネルギーに関する計算を大きく改善するMetaGGA SCAN汎関数
  • 半導体および絶縁体のバンドギャップを正確に計算する手法
    • MetaGGA (TB09)汎関数
    • 経験的"擬ポテンシャル射影シフト"法 (SiとGeに対するパラメータは実装済み)
  • ハイブリッド汎関数はバルク、界面、およびゲートスタックの電子状態を正確に描述
    • HSE06, B3LYP, B3LYP5, PBEO (ACEアルゴリズを用いて実装)
  • Van der Waalsモデル(DFT-D2 and DFT-D3) (LDA、GGA、およびハイブリッド凡関数で利用可能)
  • 1D and 3D k·p法により、平面波展開において、特にHSE汎関数を用いた場合に、バンド構造、状態密度、固有値、光学スペクトルを非常に高速に精度を低下することなく計算することが可能
  • ノンコリニア、制限および非制限スピン分極に関する計算
  • スピン軌道相互作用
  • 固有値問題ソルバー
  • フォースおよびストレスの解析的計算
  • LCAO計算の結果を初期値として使用する、PlaneWave計算の独自な再スタートオプション
  • MPI並列処理、OpenMP並列処理、およびOpenMP/MPIハイブリッド並列処理

 

半経験的手法

古典的力場関数を用いる手法

  • 300種類にのぼる経験的古典的ポテンシャルを実装
    • 2体および3体ポテンシャル: 様々なバージョンのLennard-JonesやCoulombを実装
    • Stillinger-Weber, Tersoff, Brenner (様々なバージョン), Morse, Buckingham, Vessal, Tosi-Fumi, ユーザー定義も可能
    • 多体ポテンシャル: EAM, MEAM, Finnis-Sinclair, Sutton-Chen, charge-optimized many-body (COMB)
    • 分極ポテンシャル: Madden/Tangney-Scandolo, core-shell
    • ReaxFF
    • Valence Force Field (VFF)モデル
    • Brenner/REBOおよびMoliereポテンシャル 
    • Universal Force Field (UFF): 周期表の全元素に対するパラメーターを実装
    • ポリマー、バッテリー電極、有機分子のシミュレーションに使用できる結合型力場関数DREIDING, OPLS-AA, OPLS-MinおよびUFF
      • ポテンシャルの自動生成、および原子タイプの自動割り当て機能を搭載。結合型力場関数の編集も可能。
    • ポテンシャルに種々の計算手法に基づいて部分電荷を組み込むことができる。これにより(長距離)静電場相互作用の取り込みが可能。
      • これらはDFT計算における静電相互作用を再現するために計算され、QEqにより見積もられる、若しくは手動で設定する。
    • 有機物および酸化物のポテンシャルに対しGPUを用いた計算の加速(プレビュー版、Linuxでのみ可能)
  • BYOP (Bring Your Own Potential)
    • PythonインターフェースおよびGUIを用いて、ユーザー定義のポテンシャル関数、もしくは文献のポテンシャル関数の追加が可能 (サポート範囲内の関数形に限る)
    • 有機分子用力場関数(OPLS、UFF、Dreiding)がGUIにより簡単に設定可能。表面やナノ粒子などの無機物用力場関数と組み合わせることも可能
    • 複数の力場関数を組み合わせて使用することが可能
      • (例) van der Waals相互作用の描述: Stillinger-Weber相互作用+Lennard-Jones項
      • 文献に頻出するポテンシャル関数は実装済み: Pedone, Guillot-Sator, Marian-Gastreich, Feuston-Garofalini, Matsui, Leinenweber, 他多数

機械学習力場関数

  • 機械学習力場関数であるモーメントテンソルポテンシャル(MTPs)は、原子間相互作用(エネルギー、フォース、およびストレス)を、第一原理(DFT)計算とほぼ同精度で1,000-10,000倍の効率で計算
  • 古典的力場関数が未実装の複雑な系で、かつ第一原理計算がコスト的に困難な場合、即ち(原子数10,000–100,000+から成る)大規模な系や長時間を要する動的計算において、機械学習力場関数が特に有用
    • 複雑な多元素結晶、アモルファス材料、合金、界面、および多層スタック、などの現実的な構造の生成
    • 欠陥やドーパントのマイグレーション障壁
    • 結晶化、アモルファス化
    • 熱輸送
    • 機械的性質
    • 熱ALD、ALE、などの表面プロセス
  • パラメータセットが与えられた機械学習力場関数は、QuantumATKの他の古典的力場関数と同様に、MD、time-stamped force-bias Monte Carlo、構造最適化、などの計算に利用可能
  • QuantumATKライブラリで利用可能な事前トレーニング済みの機械学習力場関数:
    • Si, SiO2, HfO2, TiN, TiSi, TiNAlOの結晶およびアモルファス
    • TiN|AlO, Si|SiO2, SiO2|HfO2, HfO2|TiN, Ag|SiO2, Si|Ti|TiSiの結晶/アモルファス界面、およびアモルファス/アモルファス界面
    • 表面プロセスシミュレーション: HfO2表面へのHfCl4堆積(ALD)
  •  自動的かつ効率的に機械学習力場関数を生成。機械学習力場関数の開発、体系的改善、新規材料への利用。
    • 以下のフレームワークを完備: (1)トレーニング用の構造の自動生成、(2)エネルギー、フォース、ストレスなどのトレーニングデータのDFTに基づく計算、(3)トレーニングデータに対するフィッティング、(4)ハイパーパラメータの検証および最適化
    • アクティブラーニング法: MD計算中に、トレーニング用の構造とDFT計算によるトレーニングデータをアクティブに追加し、機械学習力場関数を改善
      • アモルファス、界面、高温の系、表面プロセスに有効
      • 機械学習力場関数の自動的なトレーニングツールとGUIテンプレートの使用により、以下のような系に対して、トレーニングデータ数と計算時間を最小化:
  • 機械学習力場関数を従来の古典的力場関数やDFT、および半経験的手法と組み合わせて使用すれば、新たに相互作用を取り込むことが可能。以下のような応用事例において全般的な精度向上が見込める。
    • 長距離D3分散補正:分子、分子-固体界面、および固液界面において重要
    • 長距離静電相互作用:機械学習力場関数のカットオフ以上の長距離で相互作用するイオン種の存在する場合に精度を向上
    • 短距離斥力相互作用:原子が互いに近づき過ぎた場合のシミュレーションの安定性を向上
  • OpenMPおよび大規模MPI並列処理をサポート

 

DFT-LCAO、DFT-PlaneWave、半経験的手法、および古典的力場関数を用いる手法に基づくイオンダイナミクス

  • 準Newton LBFGS法およびFIRE法による、構造およびユニットセルの最適化(フォースとストレスに関して)
    • 実装済みの古典的力場関数を使用した迅速な予備的構造最適化
    • フォースとストレスの同時最適化
    • 指定のストレス(等方的ストレス、もしくはテンソル指定による非等方的ストレス) 環境下での構造最適化
    • 各時間ステップの前後における即時的なカスタム解析
    • 体積固定のもとでの構造最適化
    • 最終更新の構造を保存することにより計算の中断が可能。
    • 自動再スタート
    •  デバイスの構造最適化 (ソース-ドレインにバイアスが印加された状態でも可能)
  • 動力学行列の計算
    • フォノンバンド構造、状態密度(DOS)、および熱輸送の計算
    • フォノン振動モードの計算と可視化
    • ゼーベック係数、ZT、その他の熱輸送に関する性質を、イオンダイナミクスと電子状態に関する計算結果を基に計算
    • PhononDensityOfStates解析オブジェクトを用いて、零点エネルギーと自由格子エネルギーが計算可能
    • 解析オブジェクト(分子やバルクに対する準調和振動子近似での振動自由エネルギー)
    • Wigner-Seitz近似による大規模系の計算の高速化および高精度化
    • 結晶の対称性を利用した原子変位数の削減
    • Special Thermal Displacement (STD)法による電子-フォノン相互作用効果の描述
      • フォノンモードの重みに基づいて原子座標の変位ベクトルを計算し、様々な温度で原子を変位
  • 遷移状態、反応経路、およびエネルギーの計算
    • Nudged elastic bands (NEB)法
    • 例えば、相転移計算の場合、セルの形状および大きさの可変をサポート
    • Climbing image法
    • Image-dependent pair potential (IDPP)法による経路の事前最適化
    • 複数のイメージに対する並列処理
    • 定義済みもしくはカスタム設定した拘束条件が利用可能: (例) 外場の印加
    • NEB法で欠陥の移動経路とエネルギーを計算するためのビルトイン・フレームワーク
  • 拘束条件を柔軟に設定
    • 原子の固定
    • X, Y, Z軸方向に個別の拘束条件
    • 重心の固定
    • ブラべ格子のタイプを固定(ストレスが掛かっている場合でも可能)
    • (構造最適化時の)空間群の固定
    • 結合長と結合角の固定
  • 分子動力学 (MD)
    • 最新鋭の分子動力学法
    • DFT、半経験的手法、および古典的力場関数を用いる手法にて利用可能
    • 全ての熱浴および圧力浴おいて線形加冷却をサポート
    • 全ての圧力浴において等方的、非等方的な結合、および線形圧縮をサポート
    • 熱浴と圧力浴
      • NVE Velocity Verlet
      • NVT Nosé-Hoover with chains
      • NVT/NPT Berendsen
      • Martyna-Tobias-Klein圧力浴
      • Langevin
    • 初期速度設定に複数のオプション
    • 古典的力場関数およびDFTに基づくMD計算のワークフロー・テンプレートを提供
    • 系に歪が生じたときの応答をシミュレーションするストレス-歪MD法
    • 逆非平衡MD法による熱輸送シミュレーション
    • 各時間ステップ前後での即時的なカスタム解析(運動およびポテンシャルエネルギー、体積、密度、温度、ストレス、歪、圧力)カスタム拘束条件、カスタム操作、など: 定義済み、もしくはユーザー定義によるフック関数の利用により可能
    • 細かな制御性: MD計算中、ユーザー定義間隔で測定値を保存
    • 測定値は、ムービーツールを使用してMD軌跡アニメーションとともに描画したり、カスタムプロットの作成に使用可能
    • 部分電荷解析
    • 速度の可視化
    • 軌跡や各構造の特性をインタラクティブに解析する ツール(LAMMPSやVASPなどから読み込んだ軌跡にも使用可能)
      • 動径/角度分布関数
      • 速度自己相関関数
      • 局所質量密度プロファイル
      • 配位数
      • 二乗平均変位
      • 最近接数
      • 中性子散乱因子
      • 化学組成プロファイル
      • X線散乱
      • 速度/運動エネルギー分布
      • 局所構造解析 (ボロノイ解析)
      • 温度プロファイル
      • 振動状態密度
      • 比熱容量(MD計算の速度から得られる振動DOSに基づいて計算)
      • イオン伝導率
      • 自己拡散
      • 非常に大規模な構造でも、選択された原子から成る部分系に対して、上記のような解析を効率的に実行
  • 熱的・機械的性質
    • フォースとストレス(DFT用の解析的ヘルマン-ファインマン)
    • 弾性係数
    • 局所的ストレス
    • ガラス転移温度
    • せん断粘度
  • 包括的な構造最適化
  • Time-stamped Force-bias Monte Carlo (TFMC)法
    • 線形な加熱・冷却における一定温度条件、或いは一定圧力条件における、長時間スケール平衡化、デポジション、非晶質化、拡散、希少事象のサンプリングなどで、分子動力学を代替
    • 即時的なカスタム解析またはカスタム拘束条件にフックが使用可能
  • Metropolis Monte Carlo Method
    • Generate realistic fully-coordinated defect-free amorphous/crystalline interface structures using the continuous random network (CRN) method.
  • Adaptive Kinetic Monte Carlo (AKMC)法
    • 新規反応機構の発見や反応速度の見積もりのための長時間スケール分子動力学
  • 調和振動遷移状態理論 (HTST)による遷移速度の解析
    • 2つのオプション: フォノン分配関数を用いる詳細な解析、もしくはNEB経路の曲率に基づく迅速な解析
  • PLUMEDライブラリによるメタダイナミクス
  • MD軌跡、フォノン振動、NEB経路などを動画出力
  • ポリマーシミュレーションのツール
    • ポリマーの融解に関するモンテカルロビルダー
      • GUIおよびPythonによる自動化
      • 長時間の平衡化MD時間発展計算を実行することなく、高精度なポリマー溶融や複合構造の効率的構築が可能
    • 熱硬化性ポリマー構築のための架橋反応ツール: 架橋構造、3次元ネットワーク構造、およびゴム的ネットワーク構造、の形成が可能
    • ホモポリマー、共重合ポリマー、およびポリマーブレンド
    • 分子、表面、ナノ粒子、または任意のナノ構造の挿入が可能
    • 独自のモノマーの作成して、またはモノマー・データベースのモノマーが利用可能。モノマーを順方向または逆方向に連結。
    • モノマー連結反応を定義するための接続タグの自動割り当て
    • DREIDING、UFF、およびOPLS-AAポテンシャルの自動生成
    • 初期平衡化のための強制キャップ平衡化、単一鎖平均場(SCMF)平衡化、ポリマーシステムを緩和するためのエネルギー最小化、21ステップのポリマー平衡化自動ワークフローなどのポリマー平衡化方法
    • シミュレーション手法多数: NVE、NVT、NPTアンサンブルMD、time-stamped force-biased Monte Carlo、ポリマーの熱伝導をモデル化するための非平衡運動量交換法、フック関数による高度なカスタムテクニックなど
    • 融合原子(United Atom)近似およびポリマー粗視化によるシミュレーションの大幅な高速化
    • 末端間距離、自由体積、特性比、分子秩序パラメーター、回転半径、をプロットできる分析ツールを完備
    • ガラス転移アナライザー、およびストレス-歪み曲線をプロットするツールを完備

表面プロセスシミュレーション

  • 堆積(ALD)、エッチング(ALE) 、スパッタリングを研究するための表面プロセスシミュレーションツール
  • 熱化学分析ツール: プロセスにおける重要な反応をスクリーニングし、理想的な反応物、最適な反応条件を探索し、反応エネルギーを解析
  • 設定と解析を支援するツールを完備: 表面プロセスに関して原子レベルの知見を提供。入射粒子の運動エネルギー、入射角、衝突の時間間隔、表面温度、サーモスタット層の厚さの影響、など詳細な研究が可能
    • 形状シミュレーションとリアクタースケールモデルに必要な、スパッタ率、付着係数、および前駆体被覆率を計算
    • 特別にトレーニングされた機械学習力場関数の利用により、熱ALDおよびALEプロセスをab initio計算と同精度で効率的に計算
      • 事前トレーニング済み機械学習力場関数をQuantumATKライブラリに完備。HfO2表面へのHfCl4堆積(ALD)に利用。
      • 特殊なトレーニングプロトコルにより、他のプロセスや材料に使用する機械学習力場関数を生成
    • 柔軟で直感的なAPIから、加工プロセスの順序のカスタム設定や、複雑なワークフローの設定が可能
    • Hybrid MD/Force-bias Monte Carlo (FBMC)を利用すれば、長時間シミュレーションが可能、堆積イベント間で系を十分に平衡化

DFT-LCAO and -PlaneWave、および半経験的手法におけるポアッソン方程式ソルバー

  • FFT (周期的な系に対して)
  • 金属/誘電体領域を含む系に対するソルバー:
    • マルチグリッド
    • 共役勾配法 (メモリと処理の並列化)
    • 大規模計算のための"Direct"ソルバー(メモリに関して並列化)
    • 片方または両方の横方向に真空/誘電体領域を有するバルクおよびデバイス用の不均一グリッドソルバー
  • 金属・誘電体ゲートのないデバイス構造に対するFFT2Dソルバー
  • 金属ゲート電極と誘電体スクリーニング領域
    • トランジスタ(ゲートのある系)の特性、並びに一電子トランジスタの荷電安定性の計算が可能
  • 分子に対する多極子展開
  • ディリクレ、フォン・ノイマン、および 周期的境界条件を方向ごとに個別に設定可能

DFT-LCAO and -PlaneWave、および半経験的手法におけるパフォーマンスオプション

  • Intel MKL, ELPA, PETSc, SLEPc, ZMUMPS, FEASTのような最高クラスの標準ライブラリ/アルゴリズムを一貫使用
  • 独自の疎行列ライブラリ
  • 例えばmixing historyの並列メモリ分散
  • フェルミ準位より上のバンド数を自動調整
  • マルチレベル並列化
    • NEBイメージに対する並列処理。その他の複雑なタスクに対しても、同様に並列処理が可能。
    • k点に対する並列処理
    • 基底関数に対する並列処理(k点ごとに複数のプロセッサを使用)
    • バンド構造、DOSなどの計算で可能
    • k点ごとの(最適な) デフォルトのプロセッサ数を決める自動アルゴリズム
  • 大規模メモリー使用のためのデータのキャッシュ、それによる処理の高速化。
  • ポアッソンソルバーで使用するグリッドデータをRAMの代わりにディスクに保存
  • 大規模系(原子数N=>10,000)に対するDFT計算でのPEXSIソルバーの利用(O(N))
  • ハイブリッドMPI/OpenMP並列化時の効率最適化のための自動スレッディングインテリジェンス

DFT-LCAO and -PlaneWave、および半経験的手法における電子状態の解析

  • バンド構造
    • ブリルアンゾーン内の経路を、high symmetry pointsを選んでユーザー定義可能
    • ファットバンド構造の射影表示: 原子、スピン状態、軌道、角運動量状態、およびこれらの組み合わせ、に対して
    • 有効バンド構造、即ち、合金やその他のスーパーセルに対するバンド構造のアン・フォールディング (欠陥の位置、型、元素に関する制限なし): 射影選択のオプションあり
    • 局所バンド構造
  • 分子スペクトル
    • 分子の電子状態のエネルギー準位
    • 周期構造を有する系に対するGamma点射影分子スペクトル
  • 状態密度 (DOS) 
    • ガウス関数でスメアリングしてテトラへドロン法で計算
    • 原子、スピン状態、軌道、角運動量状態、および好みの組み合わせに対する射影
    • 局所状態密度(Tersoff-Hamann近似でのSTM画像シミュレーションやバルクに対するDOSの計算に使用可能)
    • 体積、面積、長さ、または原子数に対してDOSを規格化
    • DOSとフェルミ分布からキャリア濃度を計算
  • バンド構造とDOSを、原子、スピン状態、軌道、角運動量状態、および好みの組み合わせに対して射影
  • 原子、結合、および軌道に対するマリケン電荷分布
  • Pythonオブジェクトとしての3次元実空間グリッド量: 任意の点において操作や評価が可能
    • 電子密度
    • 部分電子密度 (Tersoff-Hamann近似でSTM画像をシミュレーション)
    • 有効ポテンシャル
    • Full HartreeもしくはHartree differenceポテンシャル
    • 交換相関ポテンシャル
    • Full electrostaticもしくはelectrostatic differenceポテンシャル
    • Electron Localization Function (ELF) 
    • 分子軌道
    • ブロッホ関数、位相情報を含む複素波動関数 
  • 全/自由エネルギー
    • エントロピーの寄与
  • 分極テンソル、圧電(ピエゾ) 定数テンソル
    • ベリー位相を用いる方法で計算
    • オプションとして内部イオン構造の最適化
  • 電子状態および振動状態に関するinverse participation ratioから局所化した状態を解析
  • (差分近似法または解析的微分に基づく)有効質量テンソルの解析
  • Bader電荷
  • ボルン有効電荷
  • フェルミ表面
  • 欠陥の特性評価
    • ホストの欠陥の特性(生成エネルギー、トラップ準位、移動経路とエネルギー)を研究するためのフレームワーク; 包括的研究のための計算の設定・実行
    • 欠陥の型: 原子空孔、原子置換型欠陥、格子間原子、2つまたは多数の欠陥のクラスタ
    • 自動ガウシアンモデル荷電フィッティングによる、荷電欠陥に対するFNV補正スキーム
    • 原子の化学ポテンシャルに振動補正を加えることも可能
    • ホストのスーパーセル内の欠陥によって生じる擬似的残留ストレスを弾性補正
    • バンドギャップ補正スキーム: 大幅に小さい計算コストで、正確なバンドギャップに基づいて、欠陥のトラップ準位を計算
    • Possibility to apply constraints and point defect symmetry to reduce computational cost
    • ユーザーフレンドリーなスクリプト生成機能を完備。シミュレーション結果をTCAD Sentaurus KMCへリンクし、欠陥の更なる特性評価が可能。

DFT-LCAO and -PlaneWave、および半経験的手法における電子状態の更なる解析

  • 複素バンド構造
  • バルクの透過スペクトル
  • ハイゼンベルク交換解析モジュール
    • 有限温度での様々な磁気特性(ハイゼンベルグ交換結合、交換剛性、キュリー温度)を研究し、例えば、磁性体の相図、相転移、および磁化ダイナミクスを理解するための経験的アプローチ
  • スピン寿命
    • 技術的に重要な温度領域 (>100 K)では、スピン寿命はスピン軌道相互作用を介した電子-フォノン相互によって決まる (Elliot-Yafet機構)
    • QuantumATKのElectronPhononCouplingオブジェクトを用いてスピン寿命が計算可能 (ノンコリニアスピン系に対してスピン軌道相互作用を考慮した計算を行った場合)
  • 磁性体のスピン動力学をのためのギルバート減衰シミュレーション(LCAO計算)
    • 異なる寿命幅に対するギルバート減衰定数、減衰速度、減衰テンソル
    • Kamberskysトルク間相互作用モデル(Lorentzian)に基づいて計算
  • 磁気異方性エネルギー[Magnetic Anisotropy Energy (MAE)]
    • Force theoremを用いた、バルクおよび磁気トンネル接合に対する、MAEを計算するための多目的スタディーオブジェクト
    • LCAOおよびPlaneWave calculatorで使用可能
    • MAEの計算およびX/Y/Z方向のプロット (各(X/Y/Z)に対するMAEを、原子位置/殻/軌道に射影してプロット)
  • スピン輸送トルク[Spin Transfer Torque (STT)]
  • STMシミュレーション
  • 軌道の角運動量(LCAOおよびスピン軌道軌道相互作用の利用時)
    • 全軌道角運動量の各カルテシアン座標成分、ノルム、各原子に対する射影
    • 磁気異方性エネルギーの計算に利用
  • 静電場強度および四極子結合定数(PlaneWave PAW法で計算)
  • 核磁気共鳴(NMR)遮蔽テンソル、等方的および異方的化学シールド、化学シフト
    • GIPAW法に基づいて実装 
    • PlaneWave PAW法が利用可能

 

光学・電気光学解析ツール

  • ラマンスペクトル (LCAOおよびPlaneWaveで使用可能)
    • バルクおよび2D材料またはナノワイヤで散乱した入射光のラマンテンソル、フォノンモード強度、偏光依存または偏光平均ラマンスペクトル
  • 誘電特性および赤外分光 (Dielectric tensor analysis object) (LCAOで使用可能)
    • 静的誘電率
    • テラヘルツ領域における、屈折率、吸光係数、反射率、などの光学的性質
    • 赤外スペクトル
    • 電子的寄与とイオン的寄与を両方考慮、即ち、低振動数領域における振電相互作用の考慮。
    • フォノンの考慮
  • ガラス転移温度よりも高温の液体やアモルファスの振動スペクトルから分子動力学トラジェクトリの取得が可能
  • 電気光学テンソル (LCAOで使用可能)
    • モデルごとにテンソルの、全体、電子的部分、イオン部分、を評価
  • 光学スペクトル (LCAOで使用可能)
    • バンド間遷移とバンド内遷移(金属の場合、プラズモンのために支配的) の両方を考慮
    • Kubo-Greenwood公式による電気感受率、屈折率、光吸収の線形応用計算(イオンの寄与は含まない)
  • 第二高調発生(second harmonics generation [SHG])感受率(LCAOおよびPlaneWaveで使用可能)
    • 各テンソル要素の、スピンアップ/ダウン、実部、虚部、絶対値を計算
  • フォノンバンドの極性LO-TOフォノン分裂

DFT-LCAOおよび半経験的手法に基づく非平衡グリーン関数(NEGF)法

  • 2プローブ系に対する非平衡グリーン関数[Non-equilibrium Green's function (NEGF)]法
    • 散乱領域における電子分布を非平衡グリーン関数 (NEGF)法で描述。半無限(ソース/ドレイン)電極の影響は自己エネルギーとして考慮。
    • 開境界条件 (ディリクレ/ディリクレ)による、ソース-ドレイン間に有限バイアスを印加したときのIV曲線の計算
    • 電子密度やその他の行列の計算において、spill-inの寄与を全て考慮
    • 開放系においては、 全エネルギーではなく、より適切な電子的自由エネルギーを使用
    • 異種電極から成る2プローブ系(例えば、金属-半導体またはp-n接合のような単一界面)の取り扱いが可能
    • 静電場を印加するゲート電極を設置して、トランジスタ特性の解析が可能
    • LDA, GGA, MGGA (TB09) and hybrid (HSE06-DDH) 汎関数が使用可能
  • 単一表面系に対する表面グリーン関数法
    • NEGF法による表面層の描述。半無限に続く基質の影響は自己エネルギーとして考慮(スラブ近似を代替: 物理的により正しく表面を記述)。
    • 表面に有限バイアスが印加されていない場合、されている場合、ともに、半無限に続く基質、および上方に半無限に続く真空領域、それぞれに対して適切な境界条件を設定
    • 表面バンド構造の計算:  k点経路に沿ったデバイス状態密度
    • LDA, GGA, MGGA (TB09) and hybrid (HSE06) 汎関数が使用可能
  • パフォーマンスおよび安定性に関するオプション
    • (有限バイアスが印加された場合、)密度行列の非平衡部分の線積分計算の収束を加速する散乱状態法
    • O(N)ブロック3重対角行列の逆行列としてグリーン関数を計算。中央領域は疎行列として処理。
    • ダブル/シングル複素半円線積分による有限バイアス印加時の計算の安定化
    • Ozaki複素線積分による低エネルギー(深い)状態の取り込み
    • 疎行列自己エネルギー法によるメモリ削減
    • 自己エネルギーのディスクへの保存に関するオプション: (RAMに代えて)処理中のみ保存、もしくは(別の計算で再利用するために)永久的に保存
    • 最適化 (non-regular) k点を用いた積分による透過係数の計算
    • 並列処理:
      • 左右電極の自己エネルギー
      • 積分路上の点 (横方向のk点 とエネルギー点の組)
      • 積分路上の各点計算の内部処理
    • 最小電極の概念
      • 電極の短縮化:  但し、自己エネルギーの計算においては半無限電極と解釈
      • 横AB方向および/または輸送C方向に周期的である電極に対して機能
      • 電極部分に関する計算時間の削減O(N3)
  • I-V曲線の計算
    • 弾性電子輸送、およびコヒーレント・トンネルによる電子輸送
    • IV特性スタディーオブジェクト
      • ソース-ドレイン/ゲート間電圧を掃引しながら計算を実⾏し、結果を集積、解析する統合フレームワーク
      • “Smart restart“
      • ゲート・ソース電圧の関数として電流をプロット。単一または複数のゲート電圧に対し、ドレイン-ソース電圧の関数として電流をプロットすることも可能。
      • on/off⽐、サブスレッシュホールドの傾き、トランスコンダクタンス、DIBL、ソース-ドレイン間の飽和電圧、の表示
      • ゲートポテンシャルとバンド整合を制御
    • 準非弾性および完全非弾性、電子-フォノン散乱の計算
    • Special thermal displacement (STD)近似: 全フォノンモードのカノニカル平均をとることによる、IV曲線の計算におけるフォノン散乱効果の効率的な取り込み
  • 光誘起電流モジュール
    • 第1ボルン近似内での1次摂動論に基づき、デバイスに対して光誘起透過係数の計算を行うモジュール
    • AM1.5 standard solar spectrumに基づく全電流値も計算可能
  • デバイス構造最適化のためのスタディーオブジェクト
  • 輸送機構の解析
    • (k点/エネルギーの関数としての)透過係数
    • k点サンプリング: Monkhorst-Pack、両端点を含むブリルアンゾーン充填k点スキーム、もしくは、より詳細な解析のための、一部分だけに対するk点サンプリング
    • スペクトル電流
    • 透過スペクトル、散乱状態の固有値、固有チャネル
    • デバイス状態密度、原子や角運動量状態に対する射影も可能
    • 電圧降下
    • Molecular projected self-consistent Hamiltonian (MPSH)固有値
    • 電流密度、透過経路
    • コリニア/ノンコリニアスピン系におけるスピントルク輸送 [Spin-Torque Transfer (STT)]
    • (局所)デバイス状態密度による原子スケールでのバンド構造の解析
  • NEGFに基づく粒界散乱の計算
    • 多数のGBセットに対してGB反射係数を計算。Mayadas-Shatzkesモデルに基づいて、平均GBサイズの関数としてGB抵抗率を算定。
    • 様々な粒界の大規模なセットの分析ツール
    • ユーザーフレンドリーなスクリプト生成機能を完備。シミュレーション出力のTCAD Raphael FXへリンクにより、インターコネクト・シミュレーションが可能に

DFT-LCAO and -PlaneWave、半経験的手法およびNEGFの特徴

  • 収束したSCF計算で得られた密度行列を、(スピン方向を自動変更して)別の計算の初期密度行列として利用
  • コリニアスピン系、もしくはスピン非分極な系に対する収束した計算結果をノンコリニアスピン系に対する初期値として使用し収束を加速
  • 初期スピン状態のカスタム設定スキーム
  • 奇数/偶数k点グリッド(Monkhorst-Pack、もしくは両端点を含むブリルアンゾーン充填)、Gamma点中心、またはカスタムシフト
  • 表面への原子付加において、部分的な水素原子付加、および基底関数の指定が可能
  • グリーン関数、ハミルトニアン行列、重なり行列、自己エネルギー、などを抽出する低レベルインターフェース
  • 擬ポンシャル/基底関数の精度をベンチマークするためのデルタテストモジュール
  • ログ出⼒の詳細度を柔軟にカスタム設定するフレームワーク
  • TB09 Meta-GGA汎関数の領域依存"c"パラメータ
  • 使用可能な占有関数: Fermi-Dirac, Methfessel-Paxton, Gaussian, ColdSmearing
  • 帯電した系のサポート
  • ドーピングや外場を導入してシミュレーション
  • インプリシット溶媒モデル

DFT-LCAOおよび半経験的手法に基づく電子-フォノン相互作用

  • 電子-フォノン結合行列要素の抽出
  • ボルツマン輸送方程式より変形ポテンシャルや伝導率/移動度テンソルを計算; 緩和時間は定数として(一定緩和時間近似)、もしくはk点and/orエネルギーの関数として考慮
  • ゼーベック係数とZT(およびその計算における第一モーメントと熱伝導度)の計算
  • ホール係数,、およびホール伝導率テンソルの計算
  • フォノン律速運動量およびスピン寿命: 温度、ブロードニング、バンドを指定して計算。フォノンモード分解も可能
  • 動力学行列(D)とハミルトニアン導関数行列(dH/dR)に関する自動化されたワークフロー: Wigner-Seitzスキームの使用により、大規模系に対する計算の高速化、および動力学行列の精度改善
  • ブリルアン領域 (Brillouin zone [BZ))におけるk空間の対称性を考慮したk点サンプリングによる大幅な計算時間の削減
  • 自明でないフェルミ面における移動度と抵抗率を計算するためのテトラへドロン法、もしくはBZ領域をうまく選択して積分を実行
  • フォノン律速抵抗率計算における近似法: 一定平均自由行程法(ナノ構造物用)、一定緩和時間法(バルク用)、コストの大きい全散乱速度計算の回避、または全散乱速度に実験値を使用
  • 電子とホールの熱運動速度

2D FETエンジニアリング用マルチスケールQuantumATK-Sentaurusワークフロー

  • QuantumATK–SentaurusデバイスQTX: 2次元材料から成るFETの性能(Id-Vg、Id-Vd、およびC-V特性)を様々なパラメータに関して解析するSentaurusデバイスワークフロー
    • 様々な2次元材料およびとチャンネルのレイヤー数
    • ソース/ドレインの材料および配向
    • ゲートスタック材料のパラメータ
    • デバイスの構造と次元
    • ドーピング濃度と界面トラップの分布
  • インタラクティブGUIによるワークフローの設定および結果の解析

NanoLab (Graphical User Interface)

  • 分子、結晶、ナノ構造物、デバイスを原子レベルで構築するビルダー
    • 自社開発プラグイン: 界面、多層スタック、ナノワイヤー、ナノ粒子、多結晶、合金、表面切り出し、などの構造を構築
      • 界面ビルダー
        • 界面におけるスーパーセルのサイズや角度に関して歪みの度合いを解析
        • 古典的力場関数を用いて、界面の妥当な初期構造を迅速に生成
        • 界面構造の最適化
      • Multilayer Builder
        • アモルファス層と結晶層から成る、ほぼ欠陥のない多層スタックの自動構築: Si、SiO2、HfO2、TiNからHigh-k金属ゲートスタック(HKMG)アプリケーション用に構築
        • MDによる事前トレーニング済み機械学習力場関数は以下の用途で自動適用
          • 融解-クエンチによるアモルファス層の生成
          • 各界面のアニーリングと最適化/緩和
        • その他の材料から化学量論的に組成が異なる多層スタックを構築することも可能。 Pythonスクリプトを使用して層を追加し、機械学習力場関数は自動的なトレーニングワークフローにより生成。
      • 表面の切り出し
        • ミラー指数、表面ブラべ格子、劈開面の指定
        • スラブ構造やスーパーセルの構築
        • 表面への原子付加による不対電子除去
      • 粒界ビルダー
        • 粒界構築において、対応格子理論(coincidence site lattice theory)に基づいて2つの粒界面を整合
        • 異なる粒界面と粒界の種類(傾き、捻じれ、これらの混合)を選択
        • バルクまたはデバイス構造の生成
      • 輸送計算用のデバイス構造構築のためのデバイスツール
        • ゲート電極と誘電体遮蔽領域の設置
        • 半導体のドーピング
      • 分子ビルダー
        • マウスのポイント・クリック操作による原子の追加や構造構築が可能
        • カット、コピー、ペースト、アンドゥ(回数無制限)が可能
        • 結合長、結合角、2面角の編集が可能
        • ボンド・プラグインを用いて、結合の探索、追加、削除が可能
        • 古典的力場を用いた迅速な構造最適化
      • 表面への分子吸着のためのビルダープラグイン
        • 表面からの距離と方向を指定して、特定の吸着可能サイトを定義
        • 吸着サイトの選択後、サイト数またはサイト占有率を指定して吸着分子数を設定
        • 同一表面への別種分子の吸着
        • スクリプト生成機能による吸着シミュレーション自動化
      • ナノ構造物ビルダー
        • 20面体ビルダープラグインによる20面体構造のナノ粒子の構築
        • ウルフ作図ツールによる表面エネルギー最小のナノ粒子の構築
        • グラフェン、ナノチューブ、ナノワイヤーなどのナノ構造物を構築するためのビルダー
      • 多結晶ビルダー
      • アモルファス構造ビルダー
        • アモルファス構造プレビルダーによるアモルファス構造の大まかな初期構造予測
        • Packmolビルダープラグインによるアモルファス構造の生成
      • 合金ビルダー
        • ランダム構造の合金を生成するSpecial Quasi-random Structures (SQS)アルゴリズム
          • SQSでは遺伝的アルゴリズムを使用(遅いopen-endedモンテカルロ法を使用する他コードとは異なる)
          • SixGe1-xやInxGa1-xAsなどの2組成系の取り扱いが可能
          • 任意の構造(ナノワイヤーなども)の取り扱いが可能
        • 遺伝的合金ビルダー
        • ホイスラー合金ビルダー
        • 置換合金ビルダー 
    • NEBツール群
      • NEB経路の指定
      • イメージを全体的に、もしくは個別に編集 
      • Image Dependent Pair Potentials (IDPP)による、NEB経路の事前に最適化
      • Pythonスクリプトで内挿法(LI-LinearInterpolation, HLC-HalgrenLipscomb, and IDDP-ImageDependentPairPotential)を指定することにより、NEB経路を簡単に自動生成
    • インタラクティブな構造操作: 選択、編集、原子単位やフラグメント単位での移動(平行移動、回転移動、整列)、など
    • 対称性情報ツール: オプションとして近似的空間群に基づく結晶構築の対称化が可能
    • スーパーセル
    • 原子スケールモデリングで使用されるの多くのファイルフォーマットをインポート/エクスポート可能(OpenBabel埋め込みバージョンプラグインにより拡張可能) 
    • 定義済み同位体、もしくはカスタム定義の同位体が使用可能
    • Pythonコンソール
      • 直接Pythonからビルダー内の構造にアクセス
      • ビルダーでの(幾つかの)作業に対応するPythonコマンドの表示
      • 繰り返しのタスクを自動化するための、事前定義スクリプト (スニペット)
  • データベース
    • 数百種類の基本的な分子や結晶の構造を収めた内部ライブラリ
    • オンライン・データベースへアクセスするインターフェース:
    • MongoDBやMySQLに基づくカスタム内部データベースの作成をサポート
  • 上級なワークフローから成る計算でも簡便にセットアップ可能
    • DFT-LCAO and -PlaneWave法、半経験的手法、古典的力場関数を用いる手法、の全機能に関して
    • 多数のシミュレーションを一度に設定・実行するフレームワークの導入: ハイスループット・マテリアル・スクリーニングに利用
    • ナノ構造、バルク材料、および表面の電子、光学、熱、磁気、機械、電子-フォノン結合、圧電、熱電、およびその他の材料特性に関する計算のセットアップ
    • I-V特性、磁気異方性エネルギー、欠陥生成エネルギー、遷移準位の計算など、タスクごとに専用インターフェイスを完備
    • 分子動力学シミュレーションのセットアップ: 基本的アンサンブル(NVE、NVT、NPT)、高度なストレス-歪、熱輸送の手法、表面プロセスシミュレーション(デポジッション、エッチング、スパッタリング)
    • デバイスや界面の構造最適化のために専用インターフェイス
    • NanoLabのビルトイン・エディタによる入力ファイル(pythonスクリプト)の編集
    • カスタム設定可能なスクリプトジェネレータ
      • ユーザー定義スクリプトブロックを用意するプラグイン
      • 計算手法 (DFT-LCAO、DFT-PlaneWave、半経験手法、古典的力場関数を用いる手法)の設定をプリセットファイルに保存。後の計算での再利用や、同僚との共有が可能。
      • 解析オブジェクトを含むワークフローの設定をテンプレートとして保存。後の計算での再利用や、同僚との共有が可能 
  • エディタ
    • 検索置換機能
    • シンタックスハイライト
    • Pythonコード補完機能
    • フォント選択が可能
  • ジョブ・マネージャ
    • GUIから多数のジョブを投入: シリアル実行、OpenMP実行、MPI実行、MPIとOpenMP併用で実行
    • ジョブを即時的に設定、または(再)サブミット時に設定
    • 高度なマシン設定: MPI並列数とスレッド数を適切に制御、またキューごとの最大ジョブ数も指定可能
    • GUIからローカルマシンにジョブを投入
    • GUIからリモートマシンにジョブを投入
      • 多様なキューに対応: Torque/PBS、PBSPro、LSF、SLURM、SGEキューを使わずに直接実行も可能
      • プラグインを用いてキュータイプの追加が可能
      • 必要なのはクライアントマシンからサーバーマシンへのSSH接続のみ(サーバーマシン側でデーモンの設定は不要、全てクライアントマシン側で制御)
      • イン/アウトプットファイルをリモートマシンに/から自動コピー
      • ビルトインSSHキー生成機能。SSHキーをリモートマシンに自動転送
      • 追加したリモートマシンの設定が適切かどうかチェックする診断ツール
    • 実行中のタスクの表示。ジョブの簡単制御
  • ビュワー: 3次元データの可視化
    • ハイパフォーマンスシェーダレンダリングエンジンを使用した巨大なデータ(100万個以上の原子および結合)の表示
    • 等値⾯、等値線、および等高線のプロット。繰り返し表示やデータ範囲の制御も可能。
    • 原子の色、大きさ、透明度、などの設定
    • フォース、速度、分子のサイズなどで原⼦を彩⾊
      • MD軌跡などの動画でも彩⾊可能
    • 結晶の多面体レンダリング
    • 3次元グリッドをレンダリングするボクセルプロット
    • ベクトル場のプロット
    • 等高線プロットの押し出し3次元化
    • 3次元カメラと照明の制御
    • ブリルアンゾーン・エクスプローラ
    • 画像を一般的な画像フォーマットでエクスポート
    • CUBEやxyz形式でデータファイルをエクスポート(インポートも可能)し、他のソフトでプロット
    • MD軌跡、フォノン振動、NEB経路、などの動画をエクスポート
    • 自動回転ビューをGIFアニメーションとしてエクスポート
    • 結合距離や結合⾓のインタラクティブな3次元測定ツール
  • 2次元プロットのフレームワーク
    • 一度に複数のアイテム(例えば複数のバンド)の色、線、幅などを変更、軸ラベルや凡例などの変更、グリッドレイアウトの編集、矢印やラベルなどの注釈の追加
    • 対数目盛と線形目盛の2つの軸の使用。特定の軸に一致するようにデータを色分け。
    • 更なる分析のためにカスタマイズしたプロット設定を保存: 別のデータに対しこれを再利用
    • (例えば、バンド構造とDOSの) プロットをリンク・結合して、より洞察的な分析
    • 線形・その他モデルでフィッテング、平滑移動平均、巨視的平均、移動線、といったデータ分析が可能。プロット範囲を自動調整し、グラフ上での直接測定が可能。
    • 動画ツールによる動画作成とグラフ描画
    • 特定の物理量と測定値を簡単にグラフ描画するデータプロットプラグイン
    • データのテキスト出力
    • スクリプトの編集によるプロット操作やカスタムプロットが可能(Plot Framework API)
  • プロジェクト・マネジメント
  • ハイスループット・マテリアル・スクリーニングのためのレポートジェネレータツール
    • 複数の計算結果から指定したデータを抽出し、テーブル化、グループ化、視覚化などを行い解析
    • リサーチ・プロトコル(測定値の視覚化、事前定義)の作成・再利用が可能: 複数のシミュレーションのデータ分析を時間短縮
    • データの抽出および(hdf5、csv、またはExcel形式での)保存
  • 外部シミュレーションエンジンへのGUIインターフェース
    • VASP、QuantumESPRESSO、GPAW、Orca、LAMMPS用のインプットファイル生成、およびこれらのソフトを用いた計算で得られるデータのプロット
    • 外部ファイル形式でインポート/エクスポート
    • APIを用いてアドオンやプラグインをPythonで作成しNanoLabに新機能として追加

Pythonスクリプティングと自動化

  • QuantumATKはPythonベース
    • Pythonスクリプティングは、コマンドライン・インターフェースにより、全ての計算の相乗的実行が可能。
    • シミュレーション設定のインプットスクリプトには、Pythonの全コマンドおよびQuantumATKの専用コマンドが使用可能
    • 独自のPythonカスタムスクリプトを作成、もしくはNanoLab GUIスクリプタで作成したスクリプトを編集
    • インタラクティブモードもしくはバッチモードで実行可能
  • QuantumATK Pythonの機能一覧:
    • 構造生成
      • 分子、バルク、表面、デバイス構造の定義
      • ブラべ格子の定義
      • ナノワイヤー、グラフェンシート、ナノチューブなど、特殊な構造の構築
      • NanoLabのビルダーにおける作業過程を、ビルダーPythonコマンドで再現
      • ビルダーへの新機能追加(単純な機能からインタラクティブなウィジェットまで)
    • シミュレーションのセットアップ
      • QuantumATK DFT-LCAO and -PlaneWave, Semi-empirical, ForceFieldのシミュレーションのセットアップ
      • シミュレーション・エンジンを組み合わせてワークフローを作成
      • post- or pre-hooksの追加による、MDシミュレーションのカスタマイズ
    • 計算後の解析
      • 解析とプロットの自動化
      • QuantumATK内部変数へのアクセスによる特殊な解析
      • 新しいデータ分析機能とプロットタイプの追加
      • 解析のバッチ処理
      • 別々のシミュレーション結果に対する統合的解析
  • APIを用いてPythonでアドオンやプラグインを作成し、NanoLabに新機能として追加
    • ここに示すように、400以上のQuantumATKのクラスや機能が使用可能
  • Synopsys QuantumATKまたはユーザーが作成したプラグインをインストールするアドオンマネージャー
  • 各変数には物理単位が紐づいている。別の単位への変換も可能
  • 様々な物理定数が利用可能
  • atkpythonで使用できるサードパーティー製Pythonモジュール

プラットフォームサポート

  • 自己完結型のバイナリインストーラ:  OSの標準的なパッケージを超えたコンパイルは不要。外部ライブラリも不要。
    • 最新の64ビットのWindowsおよびLinux、全てのバージョンをサポート(システム要件の詳細
    • numpy / scipy / ScaLAPACK(MKLベース)、matplotlib / pylab、MPI4Py、SSLバインディング、Qt / PyQtなどの最適化された事前コンパイル済みライブラリを備えた完全なPython環境を提供
  • 並列化 (Windows/Linux)
    • QuantumATKはIntel MPIおよびIntel Math Kernel Library (MKL)に対してコンパイル済み。OpenMPスレッディングとMPIの最適な組み合わせを自動的に提供。
    • Intel MPIライブラリを標準装備
    • MPICH2/MPICH3 (Ethernet), MVAPICH2 (Infiniband)、Intel MPI、その他MPICH互換ライブラリ、をサポート
  • フローティング・ライセンス認証システム (SynopsysのSCL) 

QuantumATKの詳細について

QuantumATKにご興味のある方は、詳細について、こちらのサイトから、もしくはquantumatk-japan@synopsys.com でお問い合わせください。