KYOCERA Success Story 

シノプシス& 京セラドキュメントソリューションズ 

京セラ、シノプシスのProcessor Designerを用いて
次世代多機能プリンタ用の高性能画像処理DSPを設計

KYOCERAQuotes 今回、当社の最適化された画像処理DSP の設計に Processor Designer を導入する大きな決め手となったのは、シノプシス社がASIP 開発ツールのリーディング・プロバイダで あること、ワールドワイドで多機能プリンタ向けチップの 成功事例を豊富に持っていることでした。 Quotes

京セラドキュメントソリューションズ株式会社
ソフト開発本部 ソフトウェア3統括技術部 部長
岡田 充弘 氏

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企業紹介
京セラドキュメントソリューションズ は、カラーおよびモノクロ印刷の多機能プリンタ、大判印刷機器などのドキュメント画像処理ソリューションとドキュメント管理システムの大手メーカーです。京セラドキュメントソリューションズ株式会社は、京セラ株式会社の中核企業であり、最先端のセラミック製品およびその関連製品(通信機器、半導体パッケージ、電子部品など)を開発/ 製造する世界的リーディング・カンパニーです。

京セラの製品は、独自の長寿命の画像処理部品で知られており、信頼性が高く消耗が少ないため、製品の使用可能期間を通して見た総所有コスト(TCO) を低減します。京セラドキュメントソリューションズの製品ラインはハードウェアにとどまりません。一連の完全な業務用アプリケーションとコンサルティング・サービスにより、顧客企業はハードウェアへの投資効果を最大限に引き出し、最良の文書作成/ 管理業務を構築・維持できます。

課題
  • 多機能プリンタの機種ごとに画像処理アルゴリズム、性能要件、および機能が変わるため、従来はそれぞれの機種に特化した固定ハードウェア(ASIC)が必要
  • 固定ハードウェアはプログラムできないため柔軟性がなく、機能を変更したりバグを解決するときに、 ASICを作り直す必要がある
  • 汎用DSPは画像処理の性能要件を満たさない
  • 汎用プロセッサ、固定ハードウェア、および汎用 DSPを組み合わせたSoC開発では、消費電力要件を満たさない
シノプシスのソリューション
  • Processor Designer ― 特定用途向けプロセッサ(ASIP) 設計・最適化ツール
利点
  • SoCの開発期間と開発コストが全体的に低減
  • 単一のプロセッサ記述からのソフトウェア開発ツール自動生成により、トップダウン設計フローを用いた効率的なDSPアーキテクチャ検討が可能
  • Processor Designer のコンパイラ生成フローを用いた数カ月以内でのCコンパイラ開発
  • 汎用品を利用する場合と異なりロイヤルティの支払いが不要

概要
京セラは、新しい次元の業務効率を実現する総合ドキュメント・ソリューション開発への取り組みを開始しました。目指したのは、次世代多機能プリンタの中核となる柔軟かつ高性能なSoCで、それは完全なプログラマビリティと最適な消費電力と性能を兼ね備えている必要がありました。標準的なDSPを用いた開発を検討したところ、それらのDSPではこの設計目標を達成できないことがすぐにわかり、特定用途向けプロセッサ(ASIP) の開発によって、自社固有の要件に合ったDSP機能を実現することを決めました。しかしそれにより、開発プロジェクトのスケジュールは 非常に厳しいものとなり、ASIP設計の遂行に必要な下記のようなタスクも浮上してきました。

  • 最適なDSPアーキテクチャを効率的に検討し決定すること
  • シミュレータ、アセンブラ、リンカ、デバッガなどのソフトウェア開発ツールの開発
  • 効率的なCコンパイラの開発

これらの作業を手作業で期限内に完了することは不可能でした。京セラは、これらを達成するにはEDAツールを活用したASIP設計手法が必要であると判断し、シノプシスに協力を求めました。

ASIP設計に必要な柔軟な設計ツール
画像プロセッサは、独自アルゴリズムの開発から性能と消費電力の最適化に至るまで、あらゆる側面でカスタマイズされます。京セラは、既存のDSPでは必要な性能と電力効率を満たすことはできず、固定ハードウェアでは必要な柔軟性を確保できないということを把握していました。そのため、ASIPの開発が理想的なソリューションになりました。

Processor Designerは、ASIPの設計と検証にかかる期間を短縮し、トップダウン設計フローを可能にします。命令セット・シミュレータ(ISS)、ソフトウェア・ツール(アセンブラ、リンカ、デバッガ、およびCコンパイラ)、RTL実装モデルなどの各要素は、単一の入力仕様(プロセッサ仕様記述) をもとに自動的に生成されます。

シミュレータが早期に使用可能になったことで、開発中の独自DSPのアーキテクチャを複数検討し、アーキテクチャの違いによるデザインへの影響を測定することができました。選択したアーキテクチャは単一のソースとして入力仕様にすばやく取り込まれるため、それに基づいてシミュレータとソフトウェア・ツール・チェーンが自動的に更新されます。そのため、京セラは最適なアーキテクチャを開発するという目標の達成に専念することができました。

そして、設計の初期段階でソフトウェア開発環境を確立し、生成されたISSを使用してソフトウェア開発を非常に早く開始することができました。ソフトウェア開発を早期に開始できたことで、ハードウェアとソフトウェアのバグを設計の初期段階で見つけることができ、設計の終盤になってASICの作り直しを迫られる事態を防ぐことができました。

あらゆるDSP設計における重要なタスクは、Cコンパイラの開発です。京セラは、Processor DesignerのCコンパイラ生成機能を用いて、Cコンパイラを3カ月以内で開発できました。

完全なバランスの決定
TASKalfa Processor Designerは、性能、消費電力、およびゲート数のトレードオフで完全なバランスを決定し、京セラの画像プロセッサの性能目標を達成するのに貢献しました。

京セラは、アーキテクチャの検討、ソフトウェア・ツールの開発、RTLデザイン生成、およびアプリケーション・ソフトウェアの実装など、高度にチューンナップされた独自DSPを1年以内で完了させました。

「今回、当社の最適化された画像処理DSPの設計に Processor Designer を導入する大きな決め手となったのは、シノプシス社がASIP開発ツールのリーディング・プロバイダであること、ワールドワイドで多機能プリンタ向けチップの成功事例を豊富に持っていることでした」

Quotes 今回、当社シノプシス社のProcessor Designerツールが、当社のカスタムDSPの設計に必要なあらゆる機能を提供してくれたため、当社はソフトウェア開発ツール・チェーンの開発に煩わされることなく、最適なアーキテクチャを開発するという目標の達成に専念することができました。 Quotes

京セラドキュメントソリューションズ株式会社
ソフト開発本部 ソフトウェア3統括技術部 部長
岡田 充弘 氏