SpyGlass CDC

包括的、低ノイズのクロック・ドメイン・クロッシング検証

近年、システム・オンチップ(SoC)設計者が直面している多くの検証課題の中でも、クロック・ドメイン・クロッシング(CDC)は特に困難な課題です。最新のSoCには、数十、場合によっては数百もの非同期クロック・ドメインがあり、従来のシミュレーションやスタティック・タイミング解析(STA)で検証することは難しくなっています。RTLシミュレーションは、データ転送の問題につながる非同期クロック境界のメタスタビリティを検証するためには設計されておらず、STAは非同期クロック・ドメインの問題に対応しません。

序論

CDC問題は、設計エラーの主要な原因になっています。このようなエラーにより、設計とデバッグのサイクルにおいて多大な時間と費用が浪費される可能性があり、最悪チップ内でエラーが見つかった場合には、再設計にかかるコストを余儀なくされます。また、従来のCDC問題、リセット・ドメイン・クロッシング(RDC)もシグナルのメタスタビリティの原因になります。マルチフェーズ電源ブート・シーケンスなどの利用が広まったため、非同期リセットの利用も広がっています。その結果、RDCの問題を原因とする設計エラーが増えています。(これらのリセット・ドメイン・クロッシング機能の詳細についてはSpyGlass RDCデータシートをご参照ください。)SpyGlass®は、この種の問題に対し、強力で包括的なソリューションを提供します。

SpyGlass RTLサインオフ

機能/利点

  • プロトコル非依存の解析、広範囲の同期化回路の認識、準静的信号の自動検出による擬似エラーの最小化
  • 拡張性の高いCDCおよびRDC検証アーキテクチャ
  • クロック、リセット、およびクロック・ドメインの情報の自動抽出によるシンプルなセットアップ。ユーザーはまた、既存のSDC制約から同じ情報を抽出することで、簡単にセットアップを開始することができます。
  • サインオフ品質を実現するための、フォーマルベースおよびシミュレーションベースのソリューションを用いた包括的な構造解析または機能解析
  • 高性能でCDC/RDC用に最適化されたデバッグ機能
  • IPベースの設計手法をサポートする階層SoCフローにより大規模SoCのTATを短縮
  • リント、制約、DFT、パワーのRTLサインオフに対応するため、他のSpyGlassソリューションと統合
  • 習得および導入が容易