主要な製造工程のランダムばらつきとシステマティックばらつきの両方によりプロセスが小さいほどアナログ回路の性能パラメータの可変性が増すため、プロセスノードが縮小するにつれてトリミング要件の重要性が高まります。このことは、アナログ回路を搭載したチップをより小さいプロセスノードに移植するときに、プロセス・パラメータやレイアウトのばらつきによりチップのアナログ・ブロックの中で設計仕様を満たさない部分の割合が増すため、歩留り損失の増加として現れます。トリミングを利用する場合の例として、車載/産業用センサー、ディスプレイ・コントローラ、電源管理用回路などがあります。また、トリミングを行ってディスプレイの個々のピクセルの性能を均一化することにより、液晶ディスプレイの歩留りが向上します。
ワンタイム・プログラマブル(OTP)トリミングは、用途に応じた環境設定や、医療用途など、システムパフォーマンスのマッチングに使用できます。用途に応じた環境設定の例として、オーディオアンプの周波数応答やハイビジョンテレビの画面特性があります。医療用途としては、補聴器の音声応答スペクトルの整形による聴力損失の補正やインプラントされたペースメーカーのトリガしきい値レベルの調整などがあります。
アナログ・トリミング/キャリブレーションのOTP要件
DesignWare OTPの機能と利点
車載向け用途の例
車載用途では、自動車のアナログ回路やセンサーとのインターフェイスをとるOTPベースのトリミング/キャリブレーション・システムが利用される機会が多くあります。車載用途でトリミング/キャリブレーションを行う例として、セキュアビークルID(VID)の格納、車内コミュニケーション、インフォテイメント・システム、ガスタンクの蒸気圧やタイヤ空気圧、フードの外側および下方の各種サブシステムの温度、ブレーキやハンドルなどのシステムの電気機械装置の位置合わせがあります。
下図は、アナログアンプ、ADC/DAC、センサー・コンディショニングなどの回路のトリミング/キャリブレーションの例を示しています。その他にも、マイクロコントローラやPMICなど、車載およびその他のマーケット向けに多様なOTPの用途があります。
DesignWare® OTP NVMでアナログ・デバイスのトリム/キャリブレーション設定を保存しておけば、システムに組み込まれたデバイスは電源投入時にキャリブレーションされた状態になります。この機能を表したものが次のブロック図です。フィールドでプログラム可能なDesignWare OTPは、システムのトリム/キャリブレーション設定をその場で行い、システムの動作を最適化することができます。