ニュースリリース - 2009年9月24日

シノプシス、新しいRC抽出ソリューション StarRC Customを発表

抽出ソリューションの機能拡張により、カスタム・デザイン設計ソリューションを拡充

2009年9月21日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計・製造ツールならびにIPの世界的リーダーであるシノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS）は、本日、アナログ・ミックスドシグナル・デザインならびにカスタム・デザイン向けのRC抽出ソリューション StarRC Customを発表した。StarRC Customは、業界標準となっているStar-RCXTの抽出テクノロジとRaphael NXTの高速3D　抵抗(R)/容量(C)/インダクタンス抽出ソルバーを単一の抽出ソリューションとして統合することにより、RCの影響を受け易いカスタム回路の解析で求められる高速で高精度な抽出機能を提供する。またStarRC Customは、従来より最大10倍のシミュレーション・スピードでサインオフ精度の回路検証を実行できる業界を代表する回路シミュレータ CustomSimとの緊密なリンクも提供する。さらに、アナログ・ミックスドシグナル/カスタム設計ソリューション Galaxy Custom Designerとのシームレスな統合環境も提供し、設計生産性を大幅に向上する。

シノプシス　解析＆サインオフ製品担当マーケティング・ディレクター　Robert Hoogenstrydは、次のように述べている。「今日の複雑なシステムオンチップ上にはカスタム回路が多用されるようになっており、そのことがシミュレーションやサインオフ検証を進める上で大きなボトルネックになっています。搭載されるトランジスタ数の増加に伴って、複雑化するRC効果のモデリングもまた高度なものとなり、トランジスタレベルのシミュレーションには2～4倍もの時間がかかるようになっています。こうした問題を解決するため、シノプシスは、抽出の際の実行時間や精度の向上だけでなく、トランジスタレベル・シミュレーションの処理能力を改善するための抽出データの最適化という独自の手法をStarRC Customに取り入れました」

StarRC Customは、業界標準となっているStar-RCXTのRC抽出技術/環境をベースに構築されており、65nm/45nmプロセス・ノードに向けて業界で幅広く用いられているStar-RCXTの能力を、カスタム回路設計者にも活用し易くするための製品である。Star-RCXTは、45nmデザインの開発で既に40社以上の先進の半導体企業に活用されており、16社の製造工場で140を超えるテープアウト実績を持ち、その信頼性が実証されている。

StarRCファミリーは、StarRC Customを基盤ツールとし、機能拡張が施されたStarRCならびにStarRC Ultraで構成されている。StarRCとStarRC Ultraは、次世代RC抽出ソリューションで、フルチップ/ゲートレベル/トランジスタレベルのいずれにも対応できる多用途のソリューションであるだけでなく、最先端の解析能力を提供する各種のテクノロジを搭載している。例えば、階層抽出テクノロジや、微細化レベルに応じたCMP効果モデリング・テクノロジ、ばらつき考慮の抽出テクノロジなどがあり、設計者は厳しいテープアウト・スケジュールを達成しつつ、サインオフに求められる高い精度の抽出を実現できる。

提供開始時期
StarRC Customは、現在、限定顧客向けに提供を開始している。一般提供は2009年12月を予定。