ニュースリリース - 2005年10月7日

UMC社、シノプシスのHSPICE高耐圧MOSトランジスタモデルを採用

この新しい高精度なモデルにより検証スピードが2倍に向上

2005年10月3日 カリフォルニア州マウンテンビュー発 - 半導体設計ツールの世界的リーダーであるシノプシス（Synopsys, Inc.、Nasdaq上場コード:SNPS ）は本日、世界大手の半導体ファウンドリUMC(NYSE:UMC)がシノプシスの新しい高耐圧MOS(HVMOS)トランジスタモデルを採用し、HSPICEシミュレータを使用しているUMCの顧客へモデルパラメータの提供を開始したことを発表した。シノプシスのHVMOSモデルは、今日使用されている様々な高耐圧トランジスタ技術で重要になる物理効果を取り込んでいるため、シミュレーション精度を高め、チップ開発の手戻り（re-spin）リスクを減らすことにつながる。UMCの顧客は、この新しいモデルにより設計プロジェクトの品質とスピードを向上させることができる。

UMCのデバイスモデリングのディレクターDr.Jin Shyong Jan氏は次のように述べている。「当社はシノプシスのHVMOSモデルを我々の高耐圧プロセスで評価した結果、0.25umと0.18umのHVMOSを使用しているお客様のためにこのモデルを採用することを決めました。他の手法に比べ非常に精度の高いモデルであることが確認できたからです。新しいモデルを使い始めてから、モデルパラメータ抽出と検証にかかる時間を大幅に削減できました。」

UMCは、LCDやプラズマ・ディスプレイのドライバ、自動車電子部品、コンピュータ周辺機器、小型DCモータ・コントローラ、DC-DCコンバータ、電力管理、家電製品などのアプリケーションをサポートする高耐圧プロセス技術を提供している。

シノプシス　シリコン・エンジニアリング・グループ　マーケティング担当副社長のEdmung Chengは次のように述べている。「HSPICEは、業界標準の回路シミュレータとして広くご採用いただいており、特にそのモデル・サポートの幅の広さと深さは定評があります。半年前にこのモデルを発表して以来、IDMやファウンドリ大手のお客様方に次々に採用され始めているのは、この新しいHVMOSモデルのご提供するパラメータ抽出の優れた精度とスピードが理由です。」

出荷時期
シノプシスのHVMOSトランジスタ・モデルは、現在HSPICEで使用可能。モデルパラメータ抽出ツールAuroraでも使用可能である。

シノプシスのAMSソリューションについて
シノプシスは、アナログ・ミックスドシグナル・デザインのための業界で最も包括的なシミュレーションならびに最適化ソリューションを提供している。ミックスドシグナル検証のためのシノプシス　Discovery AMSソリューションは、ゴールデン回路シミュレータHSPICE、高速フルチップ回路シミュレータNanoSim、階層フルチップ回路シミュレータHSIM、大容量対応回路最適化ツールCircuit Explorer、総合RTL検証ソリューションVCSで構成されている。Discovery AMSソリューションは、Verilog, SPICE, Verilog-A, Verilog-AMSのいかなる組み合わせにも対応しているため、あらゆる抽象度のデザインを柔軟にシミュレーションでき、高い検証精度・検証スピード・検証容量を実現する。この包括的なソリューションによって、設計者は最大規模のミックスドシグナルSoCに対しても、優れた検証スループットと検証精度を達成することができる。

シノプシスについて
Synopsys, Inc. は、IC設計向け電子設計自動化ソフトウェア（EDAツール）の世界的リーダである。複雑なシステムオンチップ開発を実現する、最先端技術を用いたIC設計プラットフォームと検証プラットフォーム、および製造ソフトウェアを世界中のエレクトロニクス市場向けに提供している。また、顧客の設計プロセスを簡素化し、その製品開発期間を短縮するために、設計資産（IP）やデザイン・コンサルティング・サービスを提供している。カリフォルニア州マウンテンビューに本社を置き、事業所は北米、ヨーロッパ、日本、アジアなど60ヶ所。詳細な情報は、http://www.synopsys.co.jp より入手可能。