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エンタープライズ ガイド:定期的なクラウド・セキュリティ・リスク評価

Synopsys Editorial Team

Aug 12, 2023 / 1 min read

サイバーセキュリティにおいて、クラウド・セキュリティは現代の企業にとって極めて重要な懸念事項となっています。運用とデータのクラウドへの移行が拡大するとともに、デジタル資産の安全性と完全性を確保することが最重要課題になります。定期的なクラウド・セキュリティ・リスク評価は、サイバーセキュリティ専門家の手札の中でも特に効果的な武器であることが証明されています。潜在的な脅威を定期的に評価して対処することで、サイバー攻撃を未然に防ぎ、データ侵害を阻止することができます。このブログ投稿では、これらの評価の重要性と、経験豊富な専門家と連携することで評価の有効性がどれほど大きく向上するかについてご説明します。


クラウド・セキュリティの主要な課題

クラウドへの移行は、組織にかつてない柔軟性と拡張性をもたらしますが、慎重に管理する必要があるセキュリティ上の課題も生じます。

  1. データ侵害
    クラウドには膨大な量のデータが保存されており、サイバー犯罪者にとっては格好の標的となっています。機密情報への不正アクセスや情報漏えいは、財務上、評判上、規制上の重大な影響をもたらす可能性があります。クラウド内のデータがしばしば国境を越え、異なる法区域や規制の対象となるという事実により、リスクはさらに増大します。
  2. 設定ミス
    クラウド環境は複雑かつ動的であるため、設定ミスが発生しやすくなっています。設定ミスによる問題は、ストレージ・バケットに対する不適切なアクセス制御や機密データの暗号化の欠如など、多岐にわたります。設定ミスは、クラウドベースのデータ侵害の主な原因の1つです。
  3. 責任共有モデル
    クラウドでは、セキュリティはクラウド・プロバイダーと顧客の間の共同責任です。通常、クラウドのセキュリティに対する責任はクラウド・プロバイダーが負い、クラウド内部のセキュリティに対する責任は顧客が負います。このモデルでは、責任の分担に混乱が生じ、セキュリティ上の欠陥が残る可能性があります。
  4. IDおよびアクセス管理(IAM)
    クラウドでのIDとアクセス制御の管理は、特にハイブリッドまたはマルチクラウド環境では困難になる場合があります。従業員、請負業者、サードパーティー・ベンダーを含むすべてのユーザーに適切なレベルのアクセス権を指定し、それ以上のアクセス権が付与されないようにするには、慎重な管理が必要です。
  5. コンプライアンス
    準拠する必要がある業界規制やデータ保護法は多岐にわたるため、クラウドでのコンプライアンスの確保は複雑になる場合があります。これは、データの保存・処理が複数の国で行われ、それぞれに独自の法律が適用される場合に特に当てはまります。
  6. 可視性と制御
    組織がマルチクラウドまたはハイブリッド・クラウド戦略を採用すると、すべてのクラウド・リソースの可視性と制御を維持することが困難になる場合があります。従来のセキュリティ・ツールでは、多くの場合、複数のクラウド・プラットフォーム全体を包括的に可視化する機能が欠落しています。
  7. 内部関係者の脅威
    悪意によるものであれ、単純な人的ミスによるものであれ、内部関係者の脅威はクラウド環境における重大なリスクです。たとえば、従業員が誤ってデータを漏えいしたり、不満を抱いたスタッフが意図的に危害を加えたりする場合などがあります。
  8. 持続的標的型攻撃(APT)
    高度なサイバー犯罪者や国家支援を受けたハッカーが、クラウド・インフラストラクチャに対してAPTを仕掛ける可能性があります。APT攻撃は複雑な手法で密かに実行され、通常は長期間にわたってデータを盗むことを目的としています。

これらの課題に対処するには、定期的なリスク評価、堅牢なセキュリティ管理、セキュリティ意識の向上とトレーニングへの継続的な取り組みを組み込んだ、クラウド・セキュリティへの包括的なアプローチが必要です。

クラウド・セキュリティ・リスク評価の効果

クラウド・セキュリティ・リスク評価では、クラウド・インフラストラクチャ、ポリシー、運用を包括的に調査して、潜在的な脆弱性とリスクを特定します。これらの評価を定期的に実施することには、次のような重要な利点があります。

  1. 脆弱性と脅威の特定。リスク評価は、パブリックにアクセス可能なストレージ・バケットなどの設定ミス、暗号化されていないデータ、セキュリティで保護されていないAPIエンドポイントなど、クラウド環境内の脆弱性の発見に役立ちます。また、過度に寛容なロールや未使用のアクセス・キーなど、不適切なIAMポリシーも発見できます。これらの評価では、脆弱性を特定するだけでなく、既知の悪意のあるIPと通信するインスタンスや異常なログイン・アクティビティなど、環境内のアクティブな脅威を明らかにすることができます。
  2. セキュリティ管理の評価。リスク評価では、既存のセキュリティ管理の有効性と妥当性を評価します。これには、保存中および転送中のデータが暗号化されているかどうか、ロギングと監視が正しく設定されているかどうか、セキュリティ・グループとネットワーク・アクセス制御リストによってアクセスが適切に制限されているかどうか、IAMロールが最小特権の原則に従っているかどうかのチェックが含まれます。
  3. リスクを定量化し、優先順位を付ける。リスク評価では、リスクを特定するだけでなく、その潜在的な影響度と発生確率に基づいてリスクを定量化します。これにより、修正作業に優先順位を付け、影響度と発生確率が高いリスクに焦点を当てることができます。また、より効果的なリソース割り当てを行い、セキュリティ支出を正当化するためにも役立ちます。
  4. コンプライアンスの確認。準拠する必要のある業界規制や標準(GDPR、CCPA、HIPAA、PCI-DSS、ISO 27001など)が無数に存在するため、コンプライアンスの維持は困難な場合があります。定期的な評価により、必要な管理が実施され、意図したとおりに機能しているかどうかをチェックすることで、継続的なコンプライアンスの確保に役立ちます。クラウド・ネイティブまたはサードパーティー製のツールを使用して自動コンプライアンス・チェックを実行することで、コンプライアンスの状況をリアルタイムに把握し、逸脱に対するアラートを発することができます。
  5. クラウド構成の見直し。クラウドは複雑かつ急速に変化するため、設定ミスが発生しやすい環境です。リスク評価では、ネットワーク設定、ストレージ設定、コンピューティング・インスタンスなどのクラウド構成をレビューし、すべてがセキュリティのベスト・プラクティスに従って構成されていることを確認します。
  6. インシデント対応の準備を評価する。リスク評価の一環として、インシデント対応能力を評価します。これには、インシデント対応計画の有効性、セキュリティ・インシデントの検出・対応能力、インシデントからの復旧能力のテストが含まれます。

クラウド・セキュリティ・リスク評価は、これらの要素を通常の運用に組み込むことで、組織のクラウド・セキュリティ体制を改善するための包括的で構造化された手法を提供します。

経験豊富なパートナーの価値

包括的かつ効果的なクラウド・セキュリティ・リスク評価の実施は複雑なプロセスであり、深い技術的専門知識と進化するサイバー脅威に対する幅広い理解が必要です。経験豊富なプロバイダーと連携することで、これらの評価の有効性を大幅に高めることができます。その方法は次のとおりです。

  1. 深い技術的専門知識。経験豊富なパートナーは、さまざまなクラウド・プラットフォーム、それぞれのプラットフォーム特有のセキュリティ機能、潜在的な脆弱性に関する詳細な知識をもたらします。また、クラウド・サービスの構成とセキュリティ保護に関するベスト・プラクティスに精通しており、セキュリティ侵害につながる可能性のある微妙な設定ミスを特定する専門知識を持っています。
  2. 幅広い業界知識。経験豊富なパートナーは、それぞれ固有の規制要件やセキュリティ上の懸念を持つさまざまな業界の企業と協力してきました。その経験を活かして、企業が直面する可能性がある固有の課題を理解し、それぞれの企業に応じた推奨事項を提案することができます。
  3. 効率性と拡張性。経験豊富なパートナーは、確立された手法と高度なツールを活用してリスク評価の実施を効率化し、業務の中断を最小限に抑えることができます。また、単一のクラウド・プロバイダーを利用する小規模の企業であっても、マルチクラウド環境を設定している多国籍企業であっても、クラウド環境の規模と複雑さに応じて運用を簡単に拡張できます。
  4. 実用的な洞察と戦略的な推奨事項。経験豊富なパートナーは、脆弱性リストのほかに、クラウドのセキュリティ体制を改善するための実用的な洞察や戦略的な推奨事項を提供することもできます。パートナーは、優先度を考慮した修正計画の作成を支援したり、推奨される変更を実装するための指針を提供することができます。また、ゼロトラスト・アーキテクチャの採用やインシデント対応の強化など、長期的なセキュリティ戦略についてもアドバイスを提供できます。
  5. 継続的な改善。絶えず進化しているサイバー脅威に対応してセキュリティ戦略も進化する必要があります。経験豊富なパートナーは、お客様のリスク評価が最新の脅威とセキュリティのベスト・プラクティスに基づいて常に最新の状態に保たれるよう支援します。また、継続的な監視サービスにより、新たに発生したリスクを特定して対応することもできます。
  6. トレーニングと知識移転。経験豊富なパートナーは、リスク評価サービスに加えて、社内チームへのトレーニングや知識の移転も行います。これにより、組織内部の能力を構築し、将来的にクラウド・セキュリティ体制を維持するための準備を確実に整えることができます。

これらの利点をもたらす経験豊富なパートナーは、クラウド環境のセキュリティとデジタル資産を保護するというお客様の使命達成を支援する貴重な財産となります。

クラウド・セキュリティ・リスク評価:重要ポイント

クラウド・セキュリティの複雑な問題に対処する上で、定期的なクラウド・セキュリティ・リスク評価の重要性はどれだけ強調してもしすぎることはありません。以下に重要なポイントを示します。

  1. プロアクティブなセキュリティ。定期的なクラウド・セキュリティ・リスク評価により、セキュリティに対する未然防止対策が可能になります。脆弱性や脅威を早期に特定することで、悪用される前に緩和対策を講じることができます。
  2. コンプライアンスの維持。評価は、業界の規制や標準への準拠を維持するために不可欠です。定期的なチェックにより、標準が進化し、クラウド環境が変化しても、コンプライアンスを維持することが可能になります。
  3. リスクの優先順位付け。評価はリスクを特定するだけでなく、リスクの定量化と優先順位付けにも役立ちます。これはさらに、リソースの割り当てと修正戦略について情報に基づいた意思決定を行うためにも役立ちます。
  4. 専門知識が重要。クラウド環境の複雑さと近年のサイバー脅威の巧妙化に伴い、効果的な評価を実施するには高度な専門知識が必要になります。経験豊富なプロバイダーと連携することで、リスク評価の効率と有効性を高めることができます。
  5. 継続的な改善。サイバーセキュリティの状況は常に変化しており、組織はその変化に適応する必要があります。定期的なリスク評価と経験豊富なパートナーの助言により、セキュリティ戦略・統制が継続的に要件を満たしていることを確認できます。
  6. 投資の価値。これらの評価の実施にはコストがかかりますが、データ侵害の潜在的なコストの方がはるかに高くつきます。定期的なリスク評価は、組織の重要なリソースを長期的に守ることができる賢明な投資です。
  7. セキュリティ文化の醸成。定期的なリスク評価は、組織内のセキュリティ文化の促進にも役立ち、サイバーセキュリティへの取り組みを実証し、スタッフのセキュリティ問題に対する意識を高め、セキュリティを組織文化に組み込むための一助となります。

結論として、クラウド・セキュリティ・リスクの定期的な評価は、適切な対策であるばかりでなく、現代の企業にとって必要不可欠なプロセスです。これらの評価をセキュリティ戦略に組み込み、経験豊富な専門家と連携することで、組織のクラウド・セキュリティ体制を格段に強化することができます。

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