材料開発向け
QuantumATKは、物質の原子スケールモデリングのための完成した統合ソフトウェアです。最先端の科学的およびソフトウェア工学的手法を用いて専門的に設計されています。またPythonスクリプトエンジンの機能と、直感的なグラフィカルユーザーインターフェイスによる使いやすさを兼ね備えています。 全てのシミュレーションエンジンは、解析、イオンダイナミクス、および並列処理のための共通のプラットフォームを共有しています。
プラットフォームを成す構成要素:
計算手法
- DFT-LCAO: 擬ポテンシャルおよび原子数値(LCAO)基底関数系を用いた密度汎関数法(DFT)のシミュレーションエンジン
- DFT-PlaneWave: 擬ポテンシャルおよび平面波基底関数系を用いた密度汎関数法のシミュレーションエンジン
- SemiEmpirical: DFTB、拡張Hückel法、Slater-Koster法、その他のtight-binding法を用いる、半経験的手法のシミュレーションエンジン
- NEGF: 非平衡グリーン関数(NEGF)法に基づく、ナノスケールデバイスのモデルおよび輸送計算。ハミルトニアン行列はDFT-LCAO若しくは半経験的手法により描述
- ForceField: 古典的ポテンシャル関数(結合/反応力場関数、ペアポテンシャル、その他、パラメータを用いた原子間相互作用モデル)を用いた分子動力学法などの原子スケール計算のシミュレーションエンジン
GUI
- NanoLab: QuantumATK全計算手法のためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)
- NanoLab Links: NanoLabを他ソフトのインターフェースとして使用するためのモジュール
スクリプティングと並列処理
- Pythonスクリプティングによる自動化:DFT、半経験的手法、および力場関数を用いる手法を共通のインターフェースに統合し、それらが相乗的に機能することを可能にする構成要素。 タスクの自動化、カスタマイズが可能に(NanoLabでも可能)
- 分散処理: 全てのQuantumATK計算機能に共通のモジュールで、共有メモリシステムや分散メモリシステムのスレッディングやMPIなどの並列化手法によって、計算負荷を複数の計算ノード(CPU)に分割して、全計算時間(TAT)を短縮
- スレッド処理: QuantumATKの全計算手法は、共有メモリシステム上のスレッディングにより並列計算を実行。スレッディングとMPIを組み合わせると、マルチコア上、若しくは多数ノード上でのスレッド処理が可能
共通モジュール
- イオンダイナミクス:NVT、NPT、NVEは、様々な熱浴と圧力浴から構成。 準ニュートン法やfast inertial relaxation engine (FIRE)法を用いた、構造最適化およびNEB反応経路 の最適化。柔軟な拘束条件と様々な解析法を搭載。 DFT、半経験的手法、および力場関数を用いる手法とシームレスに連携
- 電子-フォノン相互作用:ボルツマン方程式に基づいた変形ポテンシャルと伝導率/移動度テンソルの計算。 ホール係数、ホール伝導率テンソル、ゼーベック係数、ZTの抽出。 DFT-LCAOおよび半経験的手法で利用可能
- ポアソンソルバー: デバイスまたはバルクへのゲートや誘電体領域の挿入、インプリシット溶媒モデル。 周期的、ディリクレ、ノイマン、またはマルチポール境界条件の使用。DFTおよび半経験的手法で利用可能
- 特性の計算:機械的、電子的、磁気的、電気的および光学的特性を計算するための広範な方法論
詳細は、機能一覧およびデータシートを参照。