Optical and Photonic Solutions Blog~日本語版~

公開日:2025年6月13日

CODE Vの新バージョン2025.03では、光学エンジニア向けに高度な設計機能、追加の学習リソース、より優れたLightToolsやRSoftとの相互連携性が追加されました。本記事では、新機能や改良点をご紹介します。


設計機能の強化とワークフローの最適化

CODE V 2025.03におけるマルチ環境カップリング(MECo)は、スペーサーベース(間隔環を使ったレンズ室構造)、シートベース(レンズ室がレンズを受ける構造)、エッジマウント(空中接着)といったレンズ保持構造、またはこれらを任意に組み合わせた光学システムの複数の動作環境のモデリングを大幅に簡素化します。光学設計者は、広い温度と圧力の範囲で性能が保たれるように光学システムを容易にアサーマル化することができます。新たに追加されたMECo用サンプルマクロにより、光学システムに対する環境変化の影響を可視化するプロセスがこれまで以上に効率化されました。

シートベースの保持構造(上)とスペーサーベースの保持構造(下)の例

有効期限機能が追加された秘匿レンズモジュール

アップデートされた秘匿レンズモジュール(HLM)は、メタオプティック面データを面範囲に含めることができるようになった他、HLMの有効期限を設定できるようになりました。メタオプティック機能はメタレンズ・メタサーフェス設計のための機能であり、ユーザーは基本的な設計の詳細を漏らすことなく、メタオプティック面データを共有することができます。また、有効期限機能は、秘密保持契約書などに記載された指定期間だけに使用可能な期間を制限するといった使い方が可能であり、機密性の高い設計情報をより安全に共有できるようになりました。

メタレンズモデル(左)と、秘匿レンズモジュールを使用した同等のレンズモデル(右)

追加されたサンプルモデルライブラリ

光学エンジニアの継続的な学習とスキル向上を支援するため、CODE V 2025.03では14の新しいサンプルモデルが追加されました。これらのモデルは、MECoや公差解析から実践的な応用まで、幅広いテーマをカバーしており、初心者から経験豊富なユーザーまで、有用な参考資料を提供します。拡張されたサンプルモデルライブラリにより、より迅速に設計を始めることができ、CODE Vの機能に対する理解が深まります。

最新の機能強化を学習し、アプリケーション事例を活用して設計ワークフローを効率化するための、CODE Vで利用可能な新規サンプルモデル

これらのサンプルモデルは、グローバル最適化のためのGlobal Synthesis、回折特性解析用のビームシンセシス伝播解析、光学システムの仕様設定用のSpecBuilderといった特定の機能の効果的な使用方法を学習できるように作成されています。また、経験豊富なユーザーに対しても、CODE Vで利用可能な多様な技術を再認識して頂けます。

相互運用性の向上

CODE V 2025.03では、迷光解析やメタレンズ・メタサーフェス設計を中心に、相互運用性の向上も図られています。これらの機能強化により、モデル情報のより効率的かつ正確な転送が可能となり、光学設計を他のシステムやツールとシームレスに統合できるようになりました。

CODE VモデルからLightToolsで迷光解析を行うサンプルモデル

さらに、HOYA、オハラ、CDGMといった主要メーカーのガラスデータ更新にも対応しており、ユーザーは最新の材料データを利用して光学設計を行えるようになりました。この更新により、より精密なモデリングとシミュレーションが可能となり、設計全体の性能向上が期待できます。

まとめ

CODE V 2025.03は、光学エンジニア向けの強力なアップデートであり、設計機能、学習リソース、相互運用性のすべてにおいて大幅な向上を実現しています。先進的な機能とユーザーフレンドリーな改良により、CODE Vは多様な動作環境下で高性能な光学設計を実現するための最適なツールとしての地位をさらに確固たるものにしています。

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