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Technology Update

2019 vol.112

Fusion Compiler

Fusionデータ・モデル

Fusion Compilerの単一データ・モデルには論理情報と物理情報の両方が含まれており、ライブラリ、データ、制約、設計意図をインプリメンテーション・フロー全体で共有できます。この先進のデータ・モデルは、極めて大規模なデザインでも最小限のメモリー占有量でサポートできるように設計されています。Fusion Compilerの大きな特長は、合成ツールとインプリメンテーション・ツールが相互のテクノロジにアクセスでき、これら2つのドメイン間で最適化エンジンを共有できる点にあります。Fusion Compilerは合成から配置配線、サインオフまですべてのエンジンを1つのデータ・モデル上で統合し、データ転送を無くすことによってスループットを最大限に高めており、最短期間での設計クロージャが可能です。

結果達成までの期間を1/2に短縮

Fusion Compilerは、UPS(Unified Physical Synthesis)最適化フローにより論理合成とフィジカル・インプリメンテーションの垣根を取り払い、RTLからGDSIIまでのターンアラウンド・タイム(TAT)を最短化します。また、先端ノードを使用したデザインの複雑さにも対処できるスケーラブルなアーキテクチャ、および数億インスタンスを扱えるネイティブな階層型の設計インフラストラクチャも採用しています。あらゆるデザイン・スタイルをサポートする堅牢なシステムと完全な機能セットにより、最適なフロアプラン構成を最短期間で生成します。フロー全体で主要なエンジンがマルチスレッディングおよび分散処理に対応するなど、並列化テクノロジによってハードウェア・リソースの利用効率が向上しており、設計が短期間で収束し、デザイン・クロージャまでの期間を短縮できます。合成、配置、最適化、CTS、配線など主要なインプリメンテーション・エンジンの刷新により、デザイン・インプリメンテーションの大幅な高速化を実現しています。Fusion Compilerは、フロー全般を通じてサインオフ品質のエンジンを採用しているため、過剰な設計マージンを追加する必要がなく、フローの終盤で収束の問題が発生することもありません。

消費電力、性能、面積の結果品質が最大20%向上

Fusion Compilerは、RTLフィジカル・シンセシス・ドメインと配置配線ドメインの両方にまたがる独自の革新的なソリューションを提供します。これには、フロアプランニングと合成の交互実行、フィジカル考慮データパス表現、フィジカル・インプリメンテーション時のロジック再合成、共通のUPS最適化エンジンなどが含まれ、これによって結果品質が最大20%向上します。UPSはFusion Compilerのすべての最適化機能の中枢となるもので、次世代の論理合成および配置配線最適化エンジンを支える最先端のテクノロジを統合することにより、短期間での設計収束を実現します(図2)。また、UPSはレイヤ考慮最適化、マクロ・スキュー調整、先進の2Dリーガライズ・エンジン、配線ドリブン推定(RDE)による混雑度モデリング、コンカレント・クロック・データ(CCD)、マルチビット・バンキング/デバンキング、トータル・パワー中心の最適化、自動NDR(Non-Default Rule)、ビア・ラダー・サポートなど、先進ノードに対応した最先端の機能も備えています。

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図2:UPSにより抜群の相関性と結果品質を達成

先端ノードをサポート

Fusion Compilerは、マルチ・パターニングおよびFinFETを考慮した包括的なソリューションで、大手ファウンドリのすべての先端ノードで認証されています。合成の段階でUPSの高度なリーガライズ・エンジンがタイミングと面積の制約を満たすようにトレードオフを考慮しながら、インバウンド・セルと通常のスタンダード・セル、およびマルチビット・レジスタを取り扱います。配置エンジンはフィン・グリッド(図3)、注入に関する間隔ルール、連続拡散、可変しきい値セルの間隔ルール、交差ルールをサポートし、マルチ・パターニングの違反を最小限に抑えます。配線エンジンはカットメタル考慮配線、優先グリッド拡張、ビア・ピラー、インテリジェントなマルチ・パターニング回避および修正など複雑な配線ルールをサポートしています。

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図3:Fusion Compilerによるフィン・グリッドとカットメタルのサポート

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