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Technology Update

2019 vol.112

FPGAプラットフォーム概要

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図3:SpyGlassによりデザインのバグを早期に発見して修正

リント・チェックには、STARCやOpenMOREなどのデザイン再利用コンプライアンスに対する準拠性チェックが含まれており、デザイン全体で一貫性のある設計スタイルを適用できる他、複数チームで分担したデザインや複数ベンダから調達したIPの統合が容易になり、デザインの再利用が促されます。SpyGlass Lintは「Correct-by-Construction」方式の設計をサポートしており、早期に設計クロージャを達成できるため、開発コスト増加要因となるバックエンドでのデバッグとイタレーションを最小限に抑えることができます。

FPGA設計で直面する多くの検証課題の中でも、特に困難なのがクロック・ドメイン・クロッシング(CDC)の問題です。現在のデザインには数十もの非同期クロック・ドメインが存在しており、従来のシミュレーションやスタティック・タイミング解析(STA)による検証は困難を極めます。こうした伝統的なCDCの問題に加え、リセット・ドメイン・クロッシング(RDC)の問題によっても信号の不安定性が発生します。SpyGlass CDCにはFPGAベンダ各社から提供されるライブラリ・モデルの利用をサポートする強力な機能が包括的に揃っており、解析の効率と精度が向上します。

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図4:クロック・ドメイン・クロッシングのエラー検出が容易なSpyGlass CDC

SpyGlassとVC Formal™を組み合わせると、設計者と検証エンジニアは、複雑なセットアップ、テストベンチ、スティミュラスに時間を取られることなく、設計フローの非常に早い段階からRTLデザインを簡単に解析およびチェックできます。VC Formalは、アサーション・ベースのプロパティ検証(FPV)、自動抽出されたプロパティのチェック(AEP)、フォーマルなカバレッジ解析(FCA)、フォーマル・ナビゲータ(NAV)、シーケンシャル等価性チェック(SEQ)、Certitudeと統合されたFormal Testbench Analyzer(FTA)、セキュリティ検証(FSV)、アサーションIP(AIP)、高度のデバッグおよび双方向性、フォーマル・スコアボード、フォーマル・カバレッジなど、幅広いフォーマル・アプリケーションを網羅しています。

スタティックおよびフォーマル検証がすべて完了したら、デザインのシミュレーションを実行します。ここで問題となるのが、RTLおよびゲート・レベルのシミュレーションも完了する必要があるという点です。シノプシスの機能検証ソリューションVCS®は、業界最高性能のシミュレーションおよび制約ソルバー・エンジンを備えています。ネイティブ・テストベンチ(NTB)および幅広い言語をサポートした包括的ソリューションのVCSは、画期的なFine-Grained Parallelism(細粒度並列処理:FGP)シミュレーション・テクノロジも備えています。

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図5:VerdiとVCSの完全統合によるシミュレーション・デバッグ

このテクノロジは、利用可能なハードウェア・リソースに合わせてシミュレーション・タスクのサイズと要件を最適化します。これにより並列性が飛躍的に向上し、RTLシミュレーションで最大2倍、ゲート・レベル・シミュレーションでは最大5倍にシミュレーション実行が高速化するなど、従来のテクノロジに比べはるかに高いシミュレーション・パフォーマンスが実現します。更に、Verdiとのネイティブ統合により検証プランニング、カバレッジ解析、クロージャもサポートします。

あらゆるFPGAテクノロジをサポートする合成ソリューション
FPGAはデバイスの種類によってサイズ、性能、統合方法がさまざまなため、これらに幅広く対応できる合成ソリューションが求められます。合成ツールSynplify®は合成実行時間の短縮、性能と面積の最適化によるコストと消費電力の削減、マルチFPGAベンダのサポート、エラー検出/軽減のサポート、インクリメンタルおよびチーム設計に向けた機能により、FPGAデザインの開発期間短縮に貢献します。

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図6:最小限の面積で高い性能を実現するSinplify。1日に実行可能な反復回数が増え、デバッグ機能も統合

Synplifyは、他ツールとの統合によりデザイン上の不具合の早期検出および修正をサポートします。たとえばクロック/リセット・ドメインの複雑化により、ハードウェア・デザインを評価してクロック・ドメイン・クロッシング関連のエラーをチェックする作業が必須となっていますが、Synplifyの環境からバッチ・モードまたはGUIモードでSpyGlass CDCを直接実行できます。また、VCSもSynplify環境から実行できるため、ハードウェアの機能検証を手早く実行できます。

スタティック検証および機能検証に加え、このデバッグ環境には、ボード上で動作するFPGAデザインの機能エラーを短時間で簡単に検出する拡張機能も用意されています。波形表示および解析機能はVerdi環境へのプラグインにより直接利用できます。これにより、発見の難しい機能エラーも短時間で検出し、RTLを修正してバグが解消されたかをシミュレーションで確認できます。このように包括的な機能を統合した合成環境によってハードウェア・デザイン完成までの期間が短縮し、早期の収益化が実現します。

まとめ

収益化までの期間短縮とスケジュール遅延リスク最小化には、事前の包括的な検証プランニングからスタティック/フォーマル検証、シミュレーションおよび合成までを統合したソリューションが必要です。設計および検証技術で業界をリードするシノプシスには、多くの企業との協業を成功させてきた豊富な経験があります。業界をリードするシノプシスのシミュレータVCS、デバッガVerdi、スタティック解析ツールSpyGlass、VC Formal、およびシリコン実証済みの検証用IPを使用してFPGAデザイン全体を検証した上で合成ツールSynplifyを使用すると、最小限の面積で高い性能を発揮するデザインを達成することができます。

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