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What's New in DesignWare IP?

2019 vol.112

AIが車載SoC設計に与える影響

機能安全規格への準拠

AIとニューラル・ネットワークによってADASアプリケーションの改良が進み、自動運転車の実現が近付いていますが、こうした自動運転が消費者に受け入れられるためには、システムの安全に万全の信頼が求められます。自動車業界は、車両システムが正しく機能して危険な状況を回避できること、そして故障を検出および管理できる能力を証明できることを要求しています。これらの要求事項は、機能安全規格ISO 26262、およびその中で定義されているASIL(Automotive Safety Integrity Level)によって規定されています。

AIと機能安全

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図7:ASILレベルの定義

ISO 26262の要求事項におけるディープ・ラーニング・システムの位置付けはまだ定まっていません。インフォテインメント・システムでASIL B認証を取得するのは比較的容易かもしれませんが、ASIL CまたはD認証が必要とされるようなセーフティ・クリティカルなアプリケーションの場合、システムに冗長性を持たせることが求められるでしょう。また、このようなアプリケーションでは、ISO 26262の厳格な認証要求を満たしたポリシー、プロセス、文書化ストラテジを開発することも必要となってきます。

この場合、50 TeraMAC/sでの動作を達成するという課題を解決するだけでなく、ASIL認証を取得するために冗長性とフォールト・トレランスを追加する必要があります。シノプシスは、インフォテインメントなどのシステムではASIL B、セーフティ・クリティカルなアプリケーションではASIL Dを達成できるように設計者を支援するソリューションに投資を続けています。ただし、現在のSoC開発の要求レベルがASIL Bだからといって、ASIL Bに対応したSoCを開発していると、将来的にASIL Dが要求される自動運転アプリケーションでそのSoCを使用する場合に対応できなくなるため注意が必要です。

シノプシスはASIL BおよびASIL D対応IPを幅広くご提供するだけでなく、これまでISO 26262認証を成功させてきた豊富な経験に基づき、安全文化の育成、検証プランの作成、FMEDA(Failure-Mode Effect and Diagnostic Analysis)評価の実行などに関するノウハウもご提供しています。シノプシスはSGS-TUVとも協業しており、SoCの安全評価および認証にかかる期間を短縮していただけます。

まとめ

車載システム設計には既に伝統的なエンベデッド・ビジョン・アルゴリズムが採用されていますが、今後の自動運転を実現していくには、AI手法の応用が1つの重要なキー・テクノロジとなってきます。その中でも特に注目されているのが、ディープ・ラーニング・アルゴリズムをベースにしたAIを多層CNNに実装したエンベデッド・ビジョンです。これらのアルゴリズムは、自動運転車の実現に必要な物体認識、分割、分類に特に大きな進歩をもたらすことが期待されています。
車載システムにAIを統合しようとすると、性能、消費電力、面積、機能安全の面で高いハードルをクリアする必要があり、ソフトウェアおよびハードウェア・エンジニアにとってシステム設計のあり方が大きく変化しています。シノプシスのようにASIL対応IPの提供において豊富な実績を持つIPベンダを選ぶことが、市場での成功の鍵を握ります。

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