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2018 vol.111

HDMI 2.1:没入感あふれるビジュアル体験へ

よりリッチなテレビおよびゲーム・コンテンツの到来により、コンシューマ市場では4K UHD(Ultra High Definition)ディスプレイを超える精細なディテール表現、色域、帯域幅を備えた10Kディスプレイが待ち望まれています。こうした中、デジタル・テレビや近年増加しているHDMIベースのモバイル機器にプレミアム・コンテンツを表示することを目的として、HDMI Forumは先ごろHDMI仕様バージョン2.1を発表しました。HDMI 2.1は設計が大幅に見直され、ビデオ解像度の向上(7680x4320 = 8Kおよび1024x4320 = 10K)、色表現と輝度の向上、より高品質で精緻なオーディオ・フォーマットのサポート、滑らかなゲーム体験など多くの新機能を実現しています。本稿では、HDMI 2.1の主な改良点として非圧縮8K解像度、ダイナミックHDR、eARC(enhanced Audio Return Channel)、ERR(Enhanced Refresh Rate)についてご説明します。

帯域幅の拡大

非圧縮8K解像度を60 fpsで表示するには、ソース機器からシンク(ディスプレイ)機器を1本のHDMIリンク(ケーブル)で接続して最大48 Gbpsという膨大なデータを転送する必要があります。
一般的な4Kビデオ(60 fps)に必要な帯域幅が最大18 Gbpsであることを考えると、これがいかに大きな帯域幅であるかが分かります。転送データ量の増大に対応するため、HDMI 2.1仕様には以下の機能が採用されています。

  • FRL(Fixed Rate Link)でパケット化した低層トランスポートによりデータ転送効率が大幅に向上
  • 埋め込みクロック方式の採用により、これまでのクロック専用差動信号ペアをデータ送信に転用

これまで以上の高解像度/高データ・レートへのニーズに応えるため、HDMI 2.1は幅広い解像度とfpsをサポートしています(図1)。

画像

HDMI 2.1仕様でサポートされる解像度(提供:HDMI.org)
https://www.hdmi.org/download/hdmi_2_1/FormatDataRatetable.jpg

ダイナミックHDR

HDR(High Dynamic Range)は、より正確な色深度を可能にし、より鮮やかでディテール表現に優れたイメージ/ビデオをディスプレイに転送できるようにします。これにより、コンテンツの解像度やディスプレイ・サイズに関係なく品質とコンシューマの視聴体験が向上します。

HDMI 2.0仕様でもHDRはサポートされていましたが、これはスタティックHDRであり、色深度、ディテール、輝度などの情報を固定値のストリームとしてイメージ/ビデオ・データ・パケットと一緒に送信していました。HDRはSDR(Standard Dynamic Range)に比べると非常に高品質な視聴体験を実現します。しかしHDRは今後登場するHDMI機器には完全には最適化されていません。

こうした制約を解消するため、HDMI 2.1仕様はEMP(Extended Metadata Packet)と呼ばれるより強力なメタデータをHDMIリンクで使用するダイナミックHDRをサポートしています。EMPはフレーム単位、またはシーン単位で異なるHDRデータ・フレームを送信できます。たとえば、夜間や暗い室内で撮影したビデオには暗い映像に最適化したHDR設定を適用してビデオ・データと一緒に送信します。同様に、昼間の屋外など非常に明るい場所で撮影したビデオには明るい映像に最適化したHDR設定を適用してビデオ・データと一緒に送信します。EMPはHDMIリンク内の個々のシーンに最適なHDR設定を適用することで、ビデオ解像度やスクリーン・サイズに関係なく精度、色深度、色域、輝度の点で最高品質のビデオ伝送を可能にします。図2に、SDR、スタティックHDR、ダイナミックHDRにおけるディテール、輝度、色域の違いを示します。

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SDR、スタティックHDR、ダイナミックHDRの比較(提供:HDMI.org)
https://www.hdmi.org/download/hdmi_2_1/HDR3ImageComparison.jpg

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