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today&tomorrow

What's New in DesignWare IP?

2017 Dec. vol.108

UHDディスプレイに対応した視覚的に品質劣化のない圧縮技術VESA DSC

シノプシス シニアASICデジタル・デザイン・エンジニア Pedro Ricardo Miguel

DSC規格の特長

圧縮を行う前に、まずイメージを格子状に並んだ「スライス」に分割します。スライスは常に独立してエンコード/デコードされるため、送信エラーがスライス間で伝搬することはありません。DSCエンコーダを構成する複数のコアは並列動作が可能で、これらのコアが各スライスに対して個別に圧縮を適用します。図2に、DSCコアによる効率的なイメージ圧縮の例を示します。この例に示したDSCエンコーダは4つのコアで構成されています。4Kイメージを4列x15行のスライスに分割し、各スライスを同じ色のDSCコアで並列に圧縮していきます。

画像(仮)

図2:4K(3840x2160)解像度のイメージをスライスに分割して並列に圧縮した例

DSCはフレーム間圧縮を使用しないため、H.264やH.265などの圧縮規格に比べレイテンシが非常に低く、メモリー・サイズも抑えられています。DSCの圧縮アルゴリズムはマルチメディア・プロセッサ不要でハードウェアにインプリメントできるように設計されているため、SoCの面積と消費電力を大幅に抑えることができます。アーキテクチャを適切に設計した場合、DSCデコーダは1クロック・サイクルに3ピクセルの処理が可能なため、クロック周波数の要件が緩和され、チップ・オン・グラス(COG)LCDなどの新しいテクノロジにも最適です。

品質評価

VESAはいくつかのパラメータを設定してイメージ品質を評価し、アルゴリズムを徹底的にテストしています。テストには、視力がよく画像圧縮技術の知識を持たない人がボランティアで参加し、元の画像と圧縮展開したイメージ(写真、テキスト、コンピュータで生成した人工パターンなど)を一定周期で交互に表示するアプリケーションを一人ずつ見てもらいます。そしてフリッカー・ノイズが確認されるかどうかで品質劣化の有無を判定します。この結果を表にまとめて平均スコアを算出し、これに基づいてVESAはその圧縮技術が視覚的にロスレスであるかどうかを判定しています。

まとめ

ハイエンドのスマートフォン、車載インフォテインメント・システム、AR/VR機器などでクアッドHDや4K解像度の組込みディスプレイを実現する上で理想的な選択肢となるのが、視覚的に品質劣化のない圧縮技術です。現在のディスプレイ・リンクは帯域幅の限界を迎えており、4Kや3D 1080p解像度のビデオ/イメージに必要なデータ転送をサポートできません。VESA DSC規格を利用すると、回路再設計のコストとリスクを抑えてこうした制約を解決することができます。最新のVESA DSC規格は柔軟性が高く、低レイテンシ、省メモリーで、エラー回復力にも優れた視覚的に品質劣化のない圧縮を可能にします。

シノプシスはシリコン実証済みのDesignWare® MIPI DSI IPにVESA DSCを統合し、クアッドHDまたは4K解像度のディスプレイをサポートしています。このIPとDesignWare MIPI D-PHY IPを組み合わせることにより、インターオペラビリティの確保された完全なディスプレイ・ソリューションをアプリケーション・プロセッサに容易に統合することができます。統合型IPはメモリー・サイズやデータ送信帯域幅が小さく、消費電力とEMIを低減できます。

詳細情報

プレスリリースシノプシス、VESA Display Stream CompressionをDesignWare MIPI DSI IPに統合 4KウルトラHD以上の高解像度表示を実現
データシート:VESA DSCエンコーダ内蔵DesignWare MIPI DSI Host Controller IP

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