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2017 Dec. vol.108

シノプシスとオートモーティブ:「Silicon to Software」でよりスマート、より安全、そしてよりセキュアな運転を実現へ

シノプシス コミュニケーションズ・ストラテジ担当ディレクター Mike Santarini

無秩序な開発からよりスマートな規格の誕生へ

ハードウェアとソフトウェアが複雑化の一途をたどると同時に、すべての車載エレクトロニクス・システムがネットワークに接続されているという事実をふまえ、ISO 26262(車載エレクトロニクス・システムの機能安全)、AEC-Q100(車載アプリケーションで使用する半導体の信頼性/ストレス・テスト)、MISRA(自動車の制御システムに安全で信頼性の高い組込みソフトウェアを適用/開発)などの標準規格が策定されました。ISO 26262は主に機能安全を目的としてドラフト仕様が作成されたものです。これに対し、SAE(Society of Automotive Engineers)は現在、SAE J3061でサイバーセキュリティに関するベスト・プラクティスの定義を進めており、先ごろ、自動車向けテスト規格を策定するためのグループを正式に立ち上げました。このSAE J3061グループは、シノプシス(ソフトウェア・インテグリティ・グループ)のMike Ahmadiが議長を務めています。

ISO 26262では、OEMおよびサプライヤがそれぞれのデバイスを商用車に搭載して動作させるために従う必要のある機能安全開発プロセス(仕様定義から製品リリースまで)が規定されており、コンプライアンス/トレーサビリティのためにプロセス文書も作成する必要があります。

ISO 26262では、それぞれの機器に対する最高レベルの安全基準の達成を支援するためASIL(Automotive Safety Integrity Level)と呼ばれるグレード別の認証を規定しています。ASIL認証には、アンチロック・ブレーキなど安全に直結するシステムで使用するデバイスを対象にしたASIL-Dから、ラジオやCDプレーヤーなど安全に直結しない用途のデバイスを対象にしたASIL-Aまでがあります。

より多くの処理能力(すなわちより多くのソフトウェア)を備えたよりスマートな新機能をいち早く市場に投入することが自動車メーカーにとって大きな課題となっているとの認識に立ち、ISO 26262は、今後ますます多くの車載エレクトロニクス・システムにおいて開発期間短縮のためにハードウェアとソフトウェアのコンカレント開発が進むことを想定しています。そこでISO 26262は、ハードウェアとソフトウェアのコンカレント開発およびテストのための包括的なガイドラインを作成し、これを自動車業界の常識となっているVモデル開発プロセスにマッピングしています(図3)。

画像(仮)

図3:ISO 26262は自動車業界のVモデルを念頭に策定されています。ISO 26262の概要ではハードウェアとソフトウェアのセキュリティが相互依存の関係にあると述べられており、最高レベルのセキュリティを達成するにはこれらを組み合わせてテストすることが求められています。

ISO 26262やAEC-Q100などのさまざまな車載機器向け規格に準拠するには大がかりなドキュメント作成とテストが必要ですが、それには非常に長い時間がかかるため、競争の激化する市場では大きな障壁となります。このため、Tier-2およびTier-1サプライヤ、そして自社で専用の車載向けICを開発しているOEMは、最高レベルの安全/信頼性規格に適合したデバイスを最短期間で市場に投入する方法を模索しています。

コンセプトからショールームへ — よりスマートな革新的車載システムの設計期間を短縮

これまで約30年間にわたり、自動車業界ではシノプシスの業界最先端をゆくEDAツールおよび世界で最も充実したIPポートフォリオを利用して多くのお客様が何世代にもわたって画期的な車載エレクトロニクス・システムを開発されてきました。現在、OEM上位10社のうち9社、世界のTier-1サプライヤ上位20社のうち17社、そして半導体Tier-2サプライヤにいたってはほぼ全社にシノプシスのソリューションをご利用いただいています。このように増え続ける自動車業界のお客様が、完全な自動運転が可能な将来の電気自動車をいち早く実用化していただけるよう、シノプシスは車載向けのソフトウェアからシリコンまでを網羅した技術革新に取り組んでいます。

ここからは、車載システム開発の事実上の標準であるVモデルを念頭に、シノプシスの車載向け「Silicon to Software」ソリューション、および革新的な車載エレクトロニクス・システムの設計に向けたシノプシスの包括的なISO 26262準拠IPポートフォリオ(ドキュメント完備)について更に詳しく見ていきます。次に、ICデザイン・ハードウェアの品質およびコンプライアンス・テストを迅速化するシノプシスのVerification Continuumが自動車業界でどのように使用されているかについても見ていきます。また、ハードウェアとソフトウェアの両方で同時にシステム・レベルのISO 26262準拠を達成できるシノプシスのソフトウェア・インテグリティ・プラットフォームの画期的な利点についても見ていきます。

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