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Technology Update

2017 Aug Summer vol.107

ラピッド・プロトタイピングの鍵を握る適応性

シノプシス インターフェイスIP/IP Prototyping Kit担当シニアASICデジタル・デザイン・エンジニア Antonio Salazar

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図3:Kit-2-Kit構成

Kit-2-Kit構成では、特定の機能(この場合はビデオ・フォーマット変換)の検証に集中できます。ビデオ関連のIP Prototyping Kitには、最上位モジュール用にセットアップされたマルチメディア・リンク・ポートが含まれているため、適切なコネクタにHT3ケーブルで接続するだけで簡単にKit-2-Kit構成を利用できます。IP Prototyping Kitに含まれるMIPI CSI-2リファレンス・デザインにフォーマット変換用の「ビデオ・ブリッジ」を追加するのも簡単で、しかもこのキットにはHAPS ProtoCompilerをベースにした完全な合成環境(必要なスクリプトおよびリファレンス・ファイル一式を含む)が用意されているため、新規FPGAイメージの生成には1時間もかかりません。

設計またはプロトタイピング・プロジェクトを手がけたことのある方ならご存じのとおり、何のトラブルもなく作業が1回で成功するとは限りません。このため、問題をいかに短時間で特定して解決できるかが重要となります。たとえばシノプシスのチームが図3のようにキットを接続したときも、最初はHDMI TX IP Prototyping Kitに接続したモニタからイメージが表示されないという問題に直面しました。しかしリファレンス・デザインは付属のハードウェア・コンポーネントで十分にテストされており、その安定性は実証済みであったため、根本原因をすぐに絞り込むことができました。まず、MIPI CSI-2 IP Prototyping Kitに接続したARC SDPを使用して、ビデオ信号が正しく生成されていることを確認しました。HDMI TXの側でも、HDMI TXコアが正しくセットアップされていることはもちろん、出力信号が対応するPHYおよびモニタまで届いていることも付属のパターン・ジェネレータを使用してすぐに確認できました。IP Prototyping Kitには2つのサンプル・ビットファイルが付属しています。そのうちの1つは信号がインストルメント済みで、HAPS ProtoCompilerのランタイムを使用してFPGAの内部信号を観測できます。これを使用して、ビデオ信号が受信されていることを確認しました。そしてこのインストルメント済み信号を観察することにより、転送されているピクセル数は正しいものの、これらが圧縮されていることが判明しました。データブックを調べたところ、デフォルトのソース・クロックが内部リファレンス用にセットアップされており、ソース・クロックの切り替えが必要であることを簡単に突き止めることができました。こうしてモニタにイメージを表示することに成功しました。

「ビデオ・ブリッジ」機能の検証が完了したら、次にターゲットの最終セットアップ作業を行います。複数のIP Prototyping Kitを使用する場合、提供されるリファレンス・ソフトウェアに合わせてデバイス・ツリーを調整する必要があります。IP Prototyping Kitで提供されるデザインへの変更を最小限に抑えるには、メインHAPSボード内のAXIトンネル・レベルでアドレス・ターゲットをフィルタリングします。これにより、ソフトウェアの特定の部分をハードウェア・モジュールに対して透過的にできます。このほか、ソフトウェアに関しては割り込みの適切な割り当てについても検討が必要です。

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図4:ARC SDPが通信可能な範囲

シノプシスのフィジカル・プロトタイピング・システム(HAPS)、ツール(HAPS ProtoCompiler)およびIP Prototyping Kitを組み合わせると、機能の評価からデザインの拡張または統合、インターオペラビリティの検証、コンセプト検討まで、IPデザインのプロトタイピングにあたって多くのメリットをご活用いただけます。たとえ予測不能な問題が発生しても、高い適応性を備えたフィジカル・プロトタイピング・ソリューションならTATを短縮し、トラブル・シューティングを迅速に完了できます。

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