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today&tomorrow

What's New in DesignWare IP?

2017 Aug Summer vol.107

IoT SoCへの組込みに最適なBluetooth 5 対応IP

Ron Lowman, Technical Marketing Manager, Synopsys

Bluetooth SIG(Special Interest Group)は1998年にBluetooth規格の策定を目指して設立されました。その後Bluetoothは大きな転機を経て、今では高い堅牢性とインターオペラビリティを備えた無線規格としてIoT(Internet of Things)を支えるに至っています。この方向性を更に進めたのが、最新のBluetooth 5仕様です。これまではスマートホーム、遠隔制御、ビル・オートメーション、スマートメーターといったアプリケーションごとにZigBee、WirelessHART、Z-Wave、Wi-SUNなど多くの無線規格が適材適所で使われてきました。このようにさまざまなアプリケーション・ニーズに応える形で数多くの無線規格が乱立した結果、IoT機器どうしのインターオペラビリティを確保することが業界全体で大きな課題となっています。その点、Bluetoothは携帯電話を中心とした無線規格として浸透しており、こうした各種の無線規格乱立の状態を解決して、インターオペラビリティの課題を解消する切り札となることが期待されます。現在Bluetoothは、従来のアプリケーションに加え、オーディオやウェアラブル機器、各種小型ポータブル機器、玩具といったアプリケーションにも採用されるようになっています。

Bluetoothの機器への搭載は2000年にまず携帯電話から始まり、キーボード/マウス(2002)、ステレオ・ヘッドフォン(2004)、スマートウォッチ(2006)へと拡大しました。そして今から約7年前、Bluetoothを採用するIoT機器がよりスマートで複雑になるのに伴い、さらなる消費電力の削減が求められるようになったのを受け、Bluetooth SIGとそのメンバーはBluetooth Low Energy規格を発表しました。それから間もなく2012年にApple社がBluetooth Low EnergyをサポートしたiPhone 4Sを発表したのを機に、他社も一斉にこの規格のサポートを開始しました。その後もBluetooth Low Energyは進化を続け、バージョン4.2ではセキュリティとスピードに関する機能が追加されています。

Bluetooth SIGは2016年、シンプルでセキュアな無線接続に対するニーズの高まりを受け、Bluetooth 5を発表しました。2016年6月のBluetooth SIGのプレス・リリースによると、Bluetooth 5は「通信範囲が4倍、通信速度が2倍、データ・ブロードキャスト容量が8倍に増大」しています。Bluetooth 5への進化によってBluetoothは市場での勢いを増しており、「確実で安定したIoT接続を実現する」ことによりウェアラブル機器やスマートホームの実現に貢献するものと期待されています。本稿では、IoT SoCへの統合が容易なBluetooth 5対応IPを採用することのメリットについてご説明します。

Bluetooth 5

Bluetooth 5はオーディオ、ウェアラブル、その他の小型ポータブル機器でこれまで成功を収めたBluetoothを更に発展させたもので、スマートホーム機器への採用やビーコン機能の拡張に加え、無線テクノロジを必要とするその他多くの新しい高機能アプリケーションへの扉を開くものと考えられています。前述のプレス・リリースで、Bluetooth SIGのMark Power氏(エグゼクティブ・ディレクタ)は次のように述べています。「通信範囲の拡大により、一般的な家屋なら建物全体よりもはるかに広い範囲でのIoT接続が可能です。また、通信速度の向上によりデータ転送および機器のソフトウェア・アップデートも高速化します」その他の重要な機能として適応型周波数ホッピングがあります。これは、5Gなど多くの無線テクノロジの混在が予想される将来のIoTソリューション開発への布石となるものです。以下に、Bluetooth 5の主な特長をまとめます。

  • 1 Mbps~2 Mbpsのデータ・レートを達成すると同時に、これまで以上に柔軟な方法で消費電力の最適化が可能
  • リンク・バジェットの増大および最大20 dBM(各国電波法による)のサポートにより通信範囲を拡大
  • Bluetooth対応機器(特にビーコン)にBluetoothメッセージを送信するパーミッション・ベースのアドバタイジング送信を拡張
  • チャネル選択アルゴリズムに基づく適応型周波数ホッピング(AFH)により、他の無線テクノロジとの共存環境における接続性が向上
  • 再接続の場合、期間限定で100ms未満の間隔による高デューティ・サイクルの非接続アドバタイジングが可能。これにより接続が高速化し、ユーザー体験とバッテリ動作時間が改善
  • 他の無線バンド干渉を検出および防止するSAM(Slot Availability Mask)

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