CustomExplorer 

包括的なトランジスタレベルの解析およびデバッグ環境 

概要
CustomExplorer™は、SPICEおよびFastSPICEシミュレーションのプリプロセッシングとポストプロセッシングのための包括的なトランジスタレベルの解析およびデバッグ環境です。 シノプシスのHSPICE®およびCustomSim™と統合されたCustomExplorerにより、SPICEおよびFastSPICEシミュレーションのデバッグと解析のプロセスが効率化され、設計の生産性が向上します。 CustomExplorerをCustomSimおよびHSPICEシミュレータと組み合わせることで、複雑なSoC設計向けの高性能で生産性の高いシミュレーション・デバッグおよび解析環境が実現します。

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序論
CustomExplorer™は、HSPICEやCustomSimなどのSPICEおよびFastSPICEシミュレータに対応したネットリストベースのデバッグ環境です。 また、Custom WaveView™と緊密に統合されており、波形のクロスプローブが可能です。 これらのツールの組み合わせにより、生産性の高い設計デバッグおよび波形解析環境で、カスタマイズされた先進の解析を迅速に行うことができます。

CustomExplorer Design Browser
CustomExplorer Design Browserを使用して、非常に複雑な階層デザイン・データに迅速にアクセスし、デザインとファイルを詳細に表示することができます。 Design Browserでは、ネットリストをインポートし、デザイン階層、表示信号、エレメント一覧のトラバースや、階層に含まれるコネクションのトレースを行うことができます。 これらの表示の併用により、デザイン階層のすべての内容に素早くアクセスすることができます(図1参照)。 デザイン階層の表示に加え、Design Browserにはデザインに含まれる関連ファイル階層も表示されます。

図1: 階層、ネットリスト、コネクション、リンティング・データの簡潔な表現により解析と<br>デバッグを容易化するCustomExplorerのメイン・ウィンドウ
図1: 階層、ネットリスト、コネクション、リンティング・データの簡潔な表現により解析と
デバッグを容易化するCustomExplorerのメイン・ウィンドウ

強力な検索機能では、文字列や信号名、インスタンス名、モジュール名に基づく階層デザイン・コンポーネントの検索が可能です。

デバッグ

SourceViewとConnectionView
SourceViewとConnectionViewはSPICEネットリストの内容を表示し、ネットリストに含まれているコネクションを可視化します(図1参照)。

SourceView
SourceViewは、SPICEネットリストの階層内容を表示してデザインやセルの内容を探索するためのツールです。 SourceViewでサブサーキットを選択すると、そのサブサーキットの内容が表示されると同時に、インターフェイスのピンおよびネット名、パラメータがConnectionViewに表示されます。

ConnectionView
ConnectionViewは、階層ブラウザで選択したオブジェクトのデザイン接続状態を可視化し、 オブジェクト名、オブジェクトの端子名、そのオブジェクトに接続しているネット名などを表示します。 サブサーキットを選択した場合は内部ネット名も表示されるので、サブサーキットのバウンダリを越えて上下の階層までネットをフォローすることができます。 Custom ExplorerのNet Tracerを使用して、デザインの複数階層にわたるネット名の変化をフォローすることも可能です。

信号のトレース
シグナル・フローはSourceViewとConnectionViewの両方でトレース可能です。 SourceViewでは、選択したネットを表現しているステートメントがハイライトされ、引き続きトレースを行うことができます。 ConnectionViewでは、選択した信号を接続しているデバイスまたはサブサーキットが表示され、接続されているエレメントのピン/ポートの新しいコネクションを表示することができます。

SPICE Lint View
CustomExplorerのSPICE Lint Viewでは、実行する互換性チェックをユーザーが選択し、シミュレーション対象のネットリストが適切な構文に従っているかどうかを検証できます。そのためシミュレーションによる問題発見に無駄な時間がかかりません。 互換性チェックはネットリストの読み込み時に自動的に実行されます。これにより、すべてのエラーまたは警告に対してSPICE Lint Windowでフラグが立てられ、対応するネットおよびデバイスがSourceViewとConnectionViewに表示されます。

SPICEの構文ルール
ENDステートメントの過不足、モデル・デバイス名の不足または不一致、グランド・ノードの不足、無効な信号名など、SPICEネットリストの基本的な構文と構造をチェックします。 40種類以上の構文および構造チェックが実行されます。

接続ルール
ノードまたはブロックのフローティング、電源によって駆動されないグローバル・ノード、MOSゲートおよびノードのDCフローティング、素子端子の浮き、過渡電源のフローティングの問題を検出し、フラグを立てます。 これにより、選択したシミュレータのネットリストの質が向上します。

パラメータ受け渡しとパラメータ・ルール・チェック
パラメータ受け渡しルール・チェックにより、渡されたすべてのパラメータを階層内で使用し、受け渡す前に、適切に定義されているかどうかをチェックします。 再定義または再帰的に定義されたパラメータも検出されます。

また、パラメータ・ルール・チェックでは、ユーザー定義可能なしきい値を超えて設定されているパラメータ値を検出し、フラグを立てます。 素子パラメータの負のキャパシタンス/抵抗、範囲外の素子値とサイズ、非正のサブサーキット並列数、スルーが急激なPWLスティミュラスのステートメントなどがチェック対象になります。

デザイン接続状態ルール・チェック
伝導デバイスまたはパス、リーク・デバイスまたはパス、パルス電源エラー、スケーリング・エラーなど、スタティックDCの問題を検査します。

Custom WaveViewの付属
Waveform Windowは、CustomExplorerライセンスに付属する業界標準の波形解析および測定ツール、Custom WaveViewです。 Custom WaveViewにはシミュレーション結果の表示、測定、操作、保存のための多数の機能があります。 Custom WaveViewでは複数のパネルに波形を表示すると共に、複数の波形タブを表示できます。これにより、1つのセッションで時間ドメインと周波数ドメインを組み合わせることができます。 Custom WaveViewは、シミュレーション結果をアナログまたはデジタル・シミュレータから読み込み、ビュー間の完全な変換を可能にする完全なアナログ・ミックスシグナルの表示および解析環境です。 たとえば、Custom WaveViewはHSPICEによるアナログ・シミュレーション結果を読み込み、それらの波形をデジタル変換(ユーザーが選択できるしきい値に従ってシングルビットまたはマルチビット)して結果をデジタル・シミュレーション用に出力します。

CustomExplorerとCustom WaveViewの間では完全なクロスプローブがサポートされます。

その他のユーティリティ

階層ネットリストの平坦化と出力
階層ネットリストを平坦化し、平坦構造のネットリスト・ビューを必要とするツールに出力することができます。 平坦ネットリストではネット名によって階層情報が保持されます。

ソース波形のプレビュー
シミュレーションに先立ってスティミュラスのステートメント(Pulse、PWL、Sine、Exp、SFFM)をネットリストから抽出して表示し、ステートメントが適切であるかどうかを検証することができます。

パラメータのレポート
ネットリストの全パラメータに関する最終的なレポートを生成し、シミュレーションに受け渡される最終的なパラメータ値を表示することができます。

デバイスの総面積のレポート
ネットリストのトランジスタの幅と長さを抽出してレポートし、ネットリストの構造が適切であるかどうかを検証することができます。 この機能は、単位値の指定ミスによってトランジスタが1ミクロンではなく1メートルになったり、キャパシタが10フェムトファラドではなく10ファラドになったりといったエラーの除去に有効です。

HSPICE .Measureステートメントの抽出と再現
CustomExplorerは、ネットリストをスキャンしてすべてのHSPICE .Measureステートメントを抽出し、ファイルに保存する機能を備えています。 これらのステートメントは完全なデザイン階層を保持し、修正および既存のシミュレーション結果に対する再実行が可能です。 この機能により、シミュレーション後に追加の.Measureを実行する必要があるかどうかを設計者が判断するための時間や、シミュレーション時に.Measureが不適切であった場合のシミュレーション時間のロスをなくします。 後者の場合は不適切な.Measureを修正して結果に対して再実行できるので、シミュレーションを再実行する必要がなく、時間と労力の節約になります。

Batch Waveform Compare
CustomExplorerの優れた機能の1つはBatch Waveform Compareユーティリティです。 設計者はこのユーティリティを使用して2つのシミュレーション実行をバッチで比較し、相違点に関するテキスト・レポートを生成することができます。 Batch Waveform Compareシステムはシンプルなルール・ファイルを使用して比較プロセスを制御します。 比較対象の信号や比較の許容誤差はユーザーが指定できます。 Batch Waveform Compareユーティリティはサンプルベース比較手法を使用して基準のシミュレーション結果とターゲットの結果を比較し、アナログ波形とデジタル波形の両方をサポートします。 この機能により、手作業によるアナログ信号またはデジタル信号の「観察」作業の大部分を排除することができます。 手作業で丸1週間を要していた100のアナログ波形の解析が15分に短縮されたとの報告があります。

拡張可能なオープン・ツール
CustomExplorerは拡張可能なオープン・ツールであり、GUI、あるいはスクリプトによるバッチ・モードのどちらでも制御することができます。 GUIも拡張可能なので、CADチームがカスタム測定を作り込んで通常のメニュー・システムを通じて各部署に提供することもできます。

Analysis Command Environment(ACE)によるリグレッションのスクリプト制御
CustomExplorerをほぼ完全に制御するAnalysis Command Environment(ACE)はTclベースの拡張言語です。 ACEスクリプト環境は数百にのぼる関数を持ち、両ツールのGUI、波形画面、メニュー・システム、測定機能を制御することができます。 CADチームによってツールの拡張に使用されることの多いACEスクリプト機能は、Regression Scripting(スクリプトによるリグレッション)の実行にも使用できるので、デザインに変更を実施してから多種多様な解析をバッチ・モードで実行することにより、設計者はそのほかのデザイン作業に労力を割くことができます。 これらの解析のカプセル化には、組織全体でベスト・デザイン・プラクティスを共有し、品質向上とデザイン見直しのためのデータ収集の容易化を図る意味もあります。

業界標準のデザイン・プラットフォーム統合
設計段階における設計者の生産効率を最大にするため、CustomExplorerは業界標準のデザイン・プラットフォームと統合されています。 このツールはシノプシスGalaxy Custom Designer®にネイティブ統合されていますので、セルベース・デザインとカスタム・デザインのどちらの場合でも、単一プラットフォーム上でアナログ・ブロックのオーサリングを実行できます。 そのほかに、以下のデザイン・プラットフォームとの統合環境も提供しています。

  • Cadence Design Systems社: Virtuoso® Composer/ADE
  • JEDAT社: Asca 回路設計・デバッグ統合環境
  • Mentor Graphics社: Design Architect® IC
  • SpringSoft社: Laker™カスタム・レイアウト・オートメーション・システム
  • Automation System

サポート対象ファイルフォーマット
CustomExplorerは45を超えるファイルフォーマットをサポートしており、シミュレーション・ファイルフォーマットのサポートは業界最高レベルです。

サポート対象シミュレータ・フォーマット

  • シノプシス
    • CustomSimおよびCustomSim FT(HSIM、XAおよびNanoSim – WDF、WDB、.Outおよびベクタ)
    • HSPICEおよびHSPICE RF(.Tr0、.Ac0、.Sw0… – バイナリおよびASCII)
    • VCS(VCDおよびVPD)
    • Saber(AI/PL – バイナリおよびASCII)
  • Cadence Design Systems社
    • Spectre(PSF、WSF – バイナリおよびASCII)
    • UltraSim(PSF、WSF – バイナリおよびASCII)
    • PSPICE(DAT)
    • Incisive(VCD)
  • Mentor Graphics社
    • ModelSim(WLF)
    • Eldo(COU 4.3、4.7およびTr0)
    • ADMS(WDBおよびJWDB)
    • ADiT(Tr0およびTb0)
    • HyperLynx(CSV)
  • その他
    • Agilent ADS(.ds – バイナリおよびTouchStone Sパラメータ – ASCII)
    • CSDF(ASCII)
    • Novas FSDB(バイナリ)
    • Legend(Tr0 Derivative)
    • SmartSPICE(Raw Derivative)
    • 5つの独自シミュレータ・フォーマットも使用可能。詳しくはシノプシスまでお問い合わせください。
  • データ・フォーマット
    • IBISモデル
    • Tektronix AgilentおよびLecroy Scope Data
    • テキスト・テーブル・データおよびCSV
    • サポート対象ネットリスト・フォーマット
      • シノプシスHSPICE
      • DSPF
      • Cadence Design Systems社 SpectreおよびCDL
      • Mentor Graphics社 Eldo
      • 標準SPICE

    表1: CustomExplorerファミリの製品と特長
    表1: CustomExplorerファミリの製品と特長

    サポート・プラットフォーム
    • Solaris 32ビットおよび64ビット
    • Red Hat Enterprise Linuxバージョン4および5(AS、ES、WS)
    • SUSE Linux 9.0および10.0および5(AS、ES、WS)9.0および10.0



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